農文協『いのちつぐみとりびと』がけんぶち絵本大賞を受賞しました

北海道上川郡剣淵町にある「剣淵町絵本の館」で毎年選定される
けんぶち絵本の里大賞
第22回 けんぶち絵本の里大賞の大賞に農山漁村文化協会(農文協)刊・『いのちつぐ「みとりびと」』絵本の第1巻、『恋ちゃんはじめての看取り』國森康弘 文・写真 が選ばれました。

写真絵本『いのちつぐみとりびと』とは

看取りや死を冷たい終末としてではなく、日常のなかにある次代に「いのつちぐ」ものとしてとらえ、臨場感あふれる写真と文で、「いのちのバトンリレー」「いのちの有限性と継承性」をゆたかに描く。

だれもが「みとりびと」
 看取りは、いのちのバトンリレー。
 それは、亡くなる人が代々受けつぎ、自身の人生でもたくわえてきた、
 あふれんばかりの生命力と愛情を私たちが受けとること。
 そしていつか自分が「旅立ち」を迎えたときに、愛する人に手渡していくこと。
 大切な人たちに囲まれたあたたかな看取りによって、
 いのちのバトンはずっと受けつがれていきます。

この絵本の特徴

絵本セット

いのちつぐ「みとりびと」第1巻〜第4巻セット(第1集)
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國森康弘 文・写真
ISBNコード:9784540112645
発行日:2012/01 出版:農文協

おおばあちゃんを看取る小学生、故郷の自宅で最期を迎えたおばあちゃん、在宅医療を支える医師の営みなどを通して看取りの現場を活写。あふれんばかりの生命力と愛情—「いのちのバトン」をしっかりとリレーした、あたたかな看取りの世界、人の絆を臨場感豊かに描く写真絵本。
第1巻:恋ちゃんはじめての看取り、第2巻:月になったナミばあちゃん、第3巻:白衣をぬいだドクター花戸、第4巻:いのちのバトンを受けとって の4冊セット。

いのちつぐ「みとりびと」第5巻〜第8巻セット(第2集)
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國森康弘 文・写真
ISBNコード:9784540121647
発行日:2014/01 出版:農文協

2万もの人がいのちを失った東日本大震災、その地には、悲しみを刻みながら今を生き、いのちをつなぐ人たちがいる。被災地に生きる人々の暮らしに目を向け、「いのちのバトンリレー」「看取りのすがた」、「寄り添う人々」をつぶさに描く。
第5巻:歩未とばあやんのシャボン玉、第6巻:華蓮ちゃんさいごの家族旅行、第7巻:ぼくはクマムシになりたかった、第8巻:まちに飛び出したドクターたち の4冊セット。 

各巻紹介

第1巻 恋ちゃんはじめての看取り
おおばあちゃんの死と向き合う
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琵琶湖の東側に開けた滋賀県東近江市。その山沿いにある甲津畑という集落に、 小学5年の恋ちゃんが大好きなおおばあちゃん、竹子さんと住んでいました。 おおばあちゃんは92歳。90歳を過ぎても毎日のように畑仕事をしてきたおおばあちゃんも、 急にからだが弱くなり、一週間ほど前からはふとんから出られなくなってしまいました。 元気になってほしいと恋ちゃんは毎日おおばあちゃんの手をにぎり、 うれしかったこと、悲しかったこと、いろんなことを話しかけました。 もっと、もっといっしょにいたかったけど…。

第2巻 月になったナミばあちゃん
「旅立ち」はふるさとで わが家で
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滋賀県の東の端にある君ケ畑という集落には、おじいちゃん、おばあちゃんがおおぜい暮らしています。ご近所さんやお医者さん、看護師さん、ヘルパーさんたちがかわるがわる訪問してくれます。 それも、これも、おたがいさま。助け、助けられ…。そうやってふるさとで過ごし、やがて看取られていきます。 看取りって? 大切な人が息を引き取るその「旅立ち」のとき、そばに寄りそい、感謝と別れを交わすことです。 ひとり暮らしの89歳、ナミばあちゃんも家族や地域の人たちに囲まれ、あたたかな看取りで旅立ったひとりでした。

第3巻 白衣をぬいだドクター花戸
暮らしの場でみんなと輪になって
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永源寺診療所は琵琶湖の東側に広がる、滋賀県東近江市(旧永源寺町)にあります。 永源寺地区のとくに東の方は、おじいちゃん、おばあちゃんがおおぜい住んでいるところ。 永源寺診療所の花戸貴司医師は、看護師さんやヘルパーさん、くすり屋さん、いろんな人たちと輪になって、毎日のように訪問診療、訪問ケアをしています。 がんなどの病気にかかった患者さん、難病を抱える少女、老衰で死を迎えている人……。 人びとが少しでも安心して、自分らしく、住みなれた場所で生活を続けられるよう支えてきました。 「ぼくの専門は、内科医でも小児科医でもなく永源寺」花戸医師のこの口ぐせは、どういう意味でしょうか。

第4巻 いのちのバトンを受けとって
看取りは残される人のためにも
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人は「旅立ち」のとき、不思議な力を発揮することが少なくありません。愛する家族のいのちを救ったり、死んだだんなさんがお迎えに来たり、遠く離れて暮らす娘に会いに行ったり……。 看取りのし方は、人それぞれちがうでしょう。でも看取りによって「いのちのバトン」-その人がたくわえてきた生命力と愛情を受け取ることが出来るのはたしかです。 そう。看取りは、旅立つ人だけでなく、残され明日を生きる人にとっても、とても大切なことなのです。 「いのちのバトン」をしっかりとリレーした、あたたかな看取りや「旅立ち」のすがたを、滋賀の農村を舞台に9組の家族に見せてもらいます。

第5巻 歩未とばあやんのシャボン玉
仮設にひびく「じいやん、ねんね」
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巨大地震と大津波、そして原発事故に見舞われた福島県。南相馬市の仮設に暮らす老夫婦に、笑顔の花がときおり咲きます。孫の歩未ちゃんが会いに来るからです。2011年3月11日の大震災の発生直後、まちの人ほとんどが避難していきました。今も、子どもの半数は戻ってきていません。歩未ちゃんのじいやん、ばあやんのお家もなくなりました。先が見えない暮らしのなか、がんだったじいやんは旅立つとき、歩未ちゃんに、贈り物を手渡しました。心をこめた「いのちのバトン」です。歩未ちゃんとばあやんはお返しに、大切にふきこんだシャボン玉を空へ贈りました。。

第6巻 華蓮ちゃんさいごの家族旅行
「いのちのバトン」をみなの手に
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宮城県沿岸部のある町に、華蓮ちゃんのお家はありました。2011年3月11日の大地震。お家は揺れには耐えました。高台にあったので、津波も届きませんでした。でも、それ以来気分が悪く、よく吐くようになりました。いろいろお医者さんにかかりましたが、もらうのは胃薬や点滴だけ。「震災によるストレスでしょう」と。その年の6月、何か所目かの病院で「脳腫よう」と告げられます。前日まで一輪車に乗っていました。翌日に手術。それから、さまざまな治療を試しましたが……。今の医療では手の施しようがない、といわれた華蓮ちゃん。年度がかわり、小学4年になった彼女は、最後にひとつ、大きな目標を立てました。毎年一番の楽しみだった東京ディズニーランドへ、家族旅行に行きたい——。

第7巻 ぼくはクマムシになりたかった
かあさんに残したさいごの笑顔
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南極でも、ジャングルでも、海の底でも、なんと宇宙でも生きていられる、「最強」の生き物、クマムシ。福島県南相馬市の仮設住宅で出会った28歳の勝彦さんはいいました。「クマムシになりたい」左足の痛みに耐えられなくなったのは6,7年前。骨肉腫というがんの一種と告げられました。闘病中に起きた3.11大震災。放射線量が高くて、自宅には戻れません。ありきたりだけど大切な夢がありました。でも、それは、あきらめました。勝彦さんが最後に望んだのはおかあさんとの写真を残すことでした。

第8巻 まちに飛び出したドクターたち
南相馬の「いのち」をつなぐ
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「いろいろ大変だが、何よりつらいのは孫が戻って来ないこと」と、被災地、南相馬に生きる人たちはいいます。家族のつながり、地域のつながりがとぎれてしまいました。病院のベッド、看護師さん、ヘルパーさんの数も足りません。人々はこれからどうやって、「いのちのバトン」を渡していけばよいのか——。そこで、地域の砦、市立総合病院のドクター「ねもっち」たちは、まちに飛び出すことにしました。地域全体を大きな病院に見立て、それぞれ、お家がベッド、ナースコールは携帯電話やご近所さん、というふうに。ITも活躍します。いろんなアイデアを持ちより、地域の人をまき込んで、いのちを大切につなぐ「まちづくり」を始めています。

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このシリーズの特徴

 看取りの意味や在り方(この本のテーマ)について。高齢化の進行(日本の高齢化率は全国平均23%)とともに国民的な関心事となり、「看取りの文化」を取り戻す実践も広がっている。「いのち」「絆」について大震災を機に改めて深く問い直されている。
 この絵本の舞台である滋賀県の農村地域は高齢化率が40〜50%に迫ってきており、数十年後の日本の姿とも言える。そこには自宅で最期を迎えて、笑顔で旅立ち、あふれんばかりの生命力と愛情(いのちのバトン)を受けつぎ手渡す死がある。
 看取りや死を冷たい終末としてではなく、あたたかで次代に「いのちつぐ」ものとしてとらえ臨場感豊かに描く、この写真絵本を子どもらと一緒にお読み下さい。

 琵琶湖の東に広がる永源寺地域を舞台にした写真絵本『いのちつぐ「みとりびと」』第1集で見たように、世界中の人が自分のいのちをまっとうし、あたたかい看取りができたらと、心から願っています。
 でも東日本大震災では、2万もの人がいのちを失います。……そこには、家族が寄り添えなかった突然の別れが数多くありました。同時に……、いのちをつないでいこうとする人たちが生きています。
 そのすがたに接したとき、私は、そこに生きる人々の「バトンリレー」を見つめなければ、と強く思いました。そして、南相馬市や宮城県沿岸部で取材・撮影を重ねました。ひじょうにきびしい環境のなかでも、いのちのバトンをしっかりとつないでいく家族や、それを支える多くの方々に出会うことができました。いのちの有限性と継承性—。この作品でも写しこめていればと、祈ります。

(第2集「あとがき」より)

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著者紹介

國森康弘(くにもり やすひろ)プロフィール

写真家、ジャーナリスト。1974年兵庫県生まれ。神戸新聞記者を経て、イラク戦争を機に独立、イラク、ソマリア、スーダン、ウガンダ、ケニア、カンボジアなどの紛争地や経済貧困地域を回って撮影・取材。国内では、戦争体験者や野宿労働者のほか、近年では看取り・在宅医療・地域包括ケアの撮影・取材に力を入れる。2011年度上野彦馬賞。著書に、『家族を看取る』(平凡社)、『証言沖縄戦の日本兵』(岩波書店)、『子ども・平和・未来 21世紀の紛争』(岩崎書店、共著全5巻)、『3・11メルトダウン』(凱風社、共著)などがある。

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メディアから多数紹介

  • 2012.02.24 「おおばあちゃん 心の中に」(讀賣新聞 〈A大阪版〉)
  • 2012.03.03 「命をつなぐ家族の一枚」(朝日新聞 〈大阪本社版 夕刊〉)
  • 2012.03.04 「家族でささえる幸せな死を」(朝日新聞「著者に会いたい」)
  • 2012.03.04 「家族の『みとり』写真絵本に」(毎日新聞)
  • 2012.03.20 「最期の微笑みの意味を写真集から学びたい」(滋賀報知新聞 社説)
  • 2012.04.04 「みとりの様子を写真絵本で紹介」(中日新聞)
  • 2012.04.06 「悲しい本ではない。切ない本でもない。説教くさい本でももちろんない。ただ温かい本だと思う」(週刊読書人・藤岡陽子)
  • 2012.04.16 「幸せな生き様をそのままに」(産経新聞 〈大阪本社版 夕刊〉)
  • 2012.05.01 「今月の本棚」(文化連情報)、「Book Review23」(介護保険情報)
  • 2012.05.28 「少女が看取るばあちゃんの旅路」(AERA)
  • 2012.06.01 「取り戻そう、看取りの文化」(訪問看護と介護、秋山正子)
  • 2012.06.04 「子どもに読ませたい本」(日本教育新聞)
  • 2012.06.26 「デスク日記『死ねば人は冷たくなるが、この本に漂う空気は温かく、円い。』」(西日本新聞)
  • 2012.06.28 「論壇時評『強い印象を与えるのは、死者に寄り添うその家族たちの、明るい笑いだ。……見ていると、心が穏やかになり、優しい気持ちが溢れてくるのがわかる。』」(朝日新聞、高橋源一郎)
  • 2012.07.01 「ひいばあちゃんを看取る恋ちゃん」(世界)
  • 2012.07.01 「看取りの写真を通して伝えたい命のバトン」(ひょうご人権ジャーナルきずな)
  • 2012.07.28 「臨終の場、温かく活写」(神戸新聞)
  • 2012.09.27 「理想の在宅医療を訪ねて(3)滋賀東近江市」(週刊文春)
  • 2012.10.15 「大切な人の『旅立ち』を通して命の尊さと向き合う写真絵本が話題に」(別冊宝島)
  • 2012.11.01 同朋新聞(真宗大谷派) 看取りの現場に立ち会って—「死」はいのちのバトンを受け取る場
  • 2013.01.29 読売新聞しが県民情報 最期の日々自宅で
  • 2013.02 「道徳と特別活動」 子どもたちに贈るメッセージ 今、君たちに伝えたいこと「命のバトンリレー」
  • 2013.09.26 J-CASTニュース 霞ヶ関官僚が読む本 自宅で天寿全うできる「幸い」 「在宅看取り率4割超」の地区追った「写真絵本」
  • 2013.10   医学雑誌「JIM」10月号 「在宅死を子どもにみせるということ」
  • 2013.12   臨床雑誌「内科」12 月増大号 特集 最後までよい人生を支えるには—多死時代の終末期医療
  • 2014.01.26 毎日新聞日曜版 老いとつきあう 最期の日々、伝えておこう
  • 2014.03   「月刊福祉」4月号 専門は永源寺—コミュニティを支える
  • 2014.03.29 東京新聞・中日新聞 被災地の「みとり」写真絵本に 命のリレー伝える
  • 2014.04.13 京都新聞 被災地 命のバトン「じいやん、ねんね」孫が贈ったシャボン玉
  • 2014.04.22 西日本新聞 絵本の風景 被災地のみとりの風景
  • 2014.05.09 中日新聞・東京新聞 この人 「命のバトンリレー」「在宅みとり」を撮る写真家
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    みんなの声・感想(読書カードより)

    •  続刊を望みます 良書です(岩手県・医師)
    •  夫67歳 在宅療養 夫(想像)も私も在宅で死を迎えることをばくぜん と望んでいる。昔 60年前くらいか 在宅での看取りを数回経験して いる 当たり前のことだったように思う。恋ちゃんが孫に 似ている。(千葉県・68歳)高橋源一郎さんの新聞紹介を読んで
    •  4人の祖父母との交流多い息子は この本をながめながら終わる まで 笑顔をみせていました。新潟で米を作って暮らす祖父母のことを 思いながら見たと思います。よい本だと思いました。夫と自分の両親 (計4人)はこの本のように幸せに看取りたいと思いました。 4巻が別々のフロアーのあったため探すのを手伝ってくれました。(千葉県・51歳)
    •  死別はとても悲しい。でもこの写真集は 平易な文章と現実を客観的に 切り取った写真とで 淡々と、しかし温かく〈命のバトンタッチ〉を 教えてくれています。さっそく愛聴のラジオ番組に投稿しました。 この〈命のバトンタッチ〉の輪が 日本中に広がりますように!(兵庫県)
    •  4歳の子が 最後までじっと聞いてくれました。昨年 母を看取り  子どもたち(4歳と1歳)も最後までつきそってくれていたので何か おもうところがあったのかと いろいろ思い出してホロリと来ていました。 みんなとてもいい写真で自宅でなくなるというのもいいなと思いました。 母はホスピスだったのでそれがいちばんと自分は思い込んでいましたが いろんなかたの自宅での最後というのをみて考えも改めていいなと思いました。(愛知県 31歳)
    •  毎日新聞の記事をみて 取り寄せました。今後授業で使わせていただきたいな と思っています。といっても全巻通してみたのはまだ1回なのですが…。 どうしても色んなことを思い出して 泣けて先へ進めないのです。 取り次いで下さった書店さんも 担当者が号泣していたそうです。 とても素敵な本をありがとうございました。(兵庫県・大学・43歳)
    •  『見とり』人が本来 生きていく中で必ず経験するもので あったはずが、医療や司法制度により病院で家族が かやの外に出され 旅立っていく悲しい時代になりました。 本書を拝見し 他人様の別れに自分が立ち会ったような 感覚になり 涙が出て文字がぼやけてしまいました。 良書ですね。早速 知人に伝えたいと思います(埼玉県・お寺さん・40歳)

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