人と人とをつないできた川。その川がうめられ、汚され、悲鳴をあげている。
いま科学者と画家の共同作業で「川」そのものを解剖するビジュアル・サイエンス。
巻 | 書名 | 著者 | ISBNコード | 新コード | 発行年 | 内容解説 |
1 | 川が大地をつくる | 中山正民著 清水一利絵 | 4-540-88101-9 | 54088101 | 1989 | 雨が集まって川は生まれ、山肌を削って土砂を運び、谷や平野をつくる。川の始まり、浸食・運搬・堆積の働きがつくる扇状地、河岸段丘、三角州など特色ある地形、世界の河、東西日本の川の違いなどを巨視的に見る。 |
2 | 文明を生み出す川 | 岡部守著 日向山寿十郎絵 | 4-540-88102-7 | 54088102 | 1989 | 世界の文明は川のほとりに生まれ、川に育てられた。そして自然が壊れるとき文明も亡ぶ。水にまつわる創生神話、治水が生んだ権力、潅漑がつくった社会、水田稲作と日本文化、水車と産業革命など水と人の歴史と未来。 |
3 | 水をはぐくむ | 千賀裕太郎著 比護寛絵 | 4-540-88103-5 | 54088103 | 1989 | 降った雨水をゆっくり、できるだけ道草を食うように海へ戻す。それが山国日本で水を養う唯一の道。先人は山に木を植え、水田や溜池をつくり、堀割を巡らせた。水と緑の村々の風景に人と自然の折り合いの歴史を読む。 |
4 | みのりをもたらす川 | 川尻祐一郎著 中村信絵 | 4-540-88104-3 | 54088104 | 1989 | 雨の多い東南アジアと違い、日本では雨を頼りにしているだけでは稲は育たない。溜池や川の水を用水で引き込み、田から田への〈田越し潅漑〉で分かち合い、使い回す。農村の助け合い精神を育んだ潅漑の歴史。 |
5 | くらしに生きる川 | 宮村忠著 村松ガイチ絵 | 4-540-88105-1 | 54088105 | 1989 | 蛇口をひねるとふんだんに水の出る今の暮らし。工業や都会の暮らしの便利さも水に支えられている。だからこそ怠ってはならない水不足への備え。川と発電、地場産業、都市の雨水利用や中水道=水のリサイクルを紹介。 |
6 | あばれ川とたたかう | 高橋裕著 藤田正純絵 | 4-540-88106-X | 54088106 | 1989 | 川は生きもの。ときには洪水となって、人や家や田畑を襲う。人は洪水を防ぐため、堤防、水制、ダムなど治水のための工夫を積み重ねてきた。信玄ら戦国武将による河川改修から砂防、雨水貯留まで治水の歴史を一望。 |
7 | 地下を流れる川 | 藤縄克之著 所雅彦絵 | 4-540-88107-8 | 54088107 | 1989 | 巧妙なしくみで地下を流れ、人の目に見えない川、地下水。利用価値も大きいが汲み上げすぎれば地盤沈下を起こして大被害をもたらし、廃棄物を放置すれば汚染されて健康を破壊する。その望ましいつきあい方を提唱。 |
8 | 川にすむ生き物たち | 森下郁子著 川上洋一絵 | 4-540-88108-6 | 54088108 | 1989 | 上流、下流、きれいな川、汚れた川、それぞれに住む生き物はその川の個性と環境を知る貴重な手がかり。その個性と環境に合わせた生き物の〈すみわけ〉を知り、川をきれいに、豊かにする視点と方法を平易に示す。 |
9 | きれいな川 よごれた川 | 田渕俊雄・中曽根英雄著 吉永和夫絵 | 4-540-88109-4 | 54088109 | 1989 | 日本の豊かできれいな水を子孫に残すため何をなすべきか。川以上に汚れのメカニズムが典型的な湖沼も取り上げ、工業廃水、下水、農業廃水それぞれについて生態系にもとづく浄化法、節水、リサイクル法を紹介。 |
10 | 川は友だち | 渡辺一二著 磯部宏夫絵 | 4-540-88110-8 | 54088110 | 1989 | 人は水に触れ、水と遊び、水辺の風景を心に写しとって川に親しんできた。川にまつわる暮らしや遊び、祭りの文化のいろいろを紹介。心身を健康で豊かにする〈新水文化〉の継承と創造のための空間づくりを提唱。 |