現代農業 特別号
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2008年1月別冊 購入する
野山・里山・竹林 楽しむ、活かす

B5版 192ページ 定価1200円

ちょっと前まで、足を少しのばせば、そこは山菜や野草、きのこ、籠や箕などの材料、蜂の子や川魚とりなどの楽しみ、もちろん燃料を供給してくれる、豊かさに溢れた里山がありました。その恵みを活かす暮らしが、里山を守っても来たのでした。

今、山が荒廃している、と叫ばれます。豊かな恵みを与え続けてくれてきた山を、私たちの世代でなくしてしまっていいのだろうか…そんな思いから本書を企画しました。もちろん『現代農業』別冊らしく、地味で静かだけれど、そこは採る、育てる、活かす、楽しむ「山の恵みを使いながら山を守ってきた」暮らしの智恵が満載された内容になりました。

はじめに目次編集後記

別冊2008年1月号

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 野山・里山・竹林 楽しむ活かす

ちょっと前まで、足を少しのばせば、そこは山菜や野草、きのこ、籠や箕などの材料、蜂の子や川魚とりなどの楽しみ、もちろん燃料を供給してくれる、豊かさに溢れた里山がありました。その恵みを活かす暮らしが、里山を守っても来ました。今、山が荒廃している、と叫ばれます。豊かな恵みを与え続けてくれてきた山を、私たちの世代でなくしてしまっていいのだろうか…そんな思いから本書を企画しました。地味で静かだけれど、採る、育てる、活かす、楽しむ「山の恵みを使いながら山を守って暮らしの智恵が満載! [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

はじめに

はじめに

 ナイル川が母なる川といわれるのは、定期的におこる河川の氾濫によって、豊かな水と肥沃な養分が大地にもたらされるからである(源流は熱帯雨林)。麦の収穫高はナイル川の水位に左右され、水位によってその年の税率が決められていた。ところで、日本列島に住む人々にとって母なる存在は「山」といえないだろうか。山は山菜や野生動物、川魚など豊かな食料をもたらし、燃料、建材も提供してきた。森から養分を含んだ用水が供給されることで、三千年にわたる水田稲作が可能となり、養分は海に流れ込んで、近海に豊かな漁場が形成された。また、山に樹木が無いと、飲み水が涸れたり、土砂崩れや水害が起きることがよく知られており、先人たちは、森を大切に守ってきた。

 1960年代に、急激な工業化と世界的な経済成長が始まると、先進国の多くは、それまで国内で確保してきた燃料、木材、肥料などの資源を、海外から調達するようになった。日本には、世界でもまれにみる豊かな森林が保存されているにもかかわらず、次第に山は利用されなくなってきた。せっかく植林された杉や檜の林は荒廃し、森の機能さえ損なわれようとしている。

 生物多様性が急速に失われつつある熱帯雨林などの自然資源や先達たちが残してくれた日本の森林とその恵みを、これ以上収奪、破壊することはできない。わたしたちには、次の世代に森を守り伝える義務がある。森を守るには、人の手を加えずに自然の状態を保存する方法と、持続的に森を利用する方法とがある。本誌では、後者の方法、つまり山の恵みを利用しながら山を守る、暮らしの知恵をあつめしました。

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目次

別冊現代農業2008年1月号

野山・里山・竹林楽しむ、活かす
山菜、きのこ、燃料から昆虫、動物まで 目次

はじめに

〈カラーページ〉

虫捕り(撮影 本田進一郎)

列島の山里の幸を楽しむ「日本の食生活全集」より?(撮影 中川潤・千葉?・小倉隆人・岩下守・嘉納辰彦)

ぎょうじゃにんにくを炊く/ふきのぬか塩漬、たけのこ、さもだし/みず、みずの一夜漬、みずとろろ/ふきのとう料理/山うど、ののひろ/ばらっぱもち/きのこいろいろ/ふきとにしんの煮もの/ふきの油炒め/磯ぶき、真竹の子/とちの実だんご/あざみと、とちもち/魚沼の山菜料理/きのしたのおしたし/とっとき菜のひたしもの/よめなのてんぷら/たけのことわらびの炊き菜/ぜんまいとごんぱちの炊あたの/ひな祭りの山菜おまぜ/くさぎな料理のいろいろ/山菜と大根の煮つけ/ふーちばーじゅーしー(よもぎ入り雑炊)など

ブナを植える(撮影 本田進一郎)

まいたけの自然流栽培

木を燃料にする(撮影 本田進一郎)
?薪ストーブの設置/薪づくり

巻枯らし間伐(写真 大内正伸)

Part1 山菜を育て、野草を楽しむ

【図解】里山は旬の宝庫・あそびの楽園 ……(原図 高橋しんじ)

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コシアブラとり
?自然薯掘り
?ワラビ・ゼンマイとり
?サルナシとマツブサ

胞子から育てる ぜんまい栽培(新潟県新発田市 大沼千秋さん)…… 赤松富仁

1株から300株 野ぶきの根挿し繁殖法 …… 谷口 登

こごみの栽培法 冷涼地では遮光はいらない …… 阿部 清

こしあぶら 分根・挿し木でふやせる …… 引田裕之

春の山菜・野草の料理術 …… 西村文子さん(愛知県小原村・西村自然農園)編集部

夏の野草もおいしく …… 西村文子

Part2 きのこの自然流栽培

【図解】里山は旬の宝庫・あそびの楽園 ……(原図 高橋しんじ)

ヤマドリシメジ

いろいろキノコの塩漬け ……(近藤泉(カット)/小林かつ江)

切り倒したその場できのこ栽培 枝付き長木法 …… 滝沢久雄

原木まいたけの自然栽培 …… 佐藤静夫

ぬめりすぎたけ、たもぎたけ、ひらたけ、ならたけ原木サンドイッチ法 …… 佐藤静夫

菌床を里山に伏せ込む むらさきしめじ栽培 …… 玉田克志

杉・檜間伐材でなめこ栽培 …… 桝本浩志

間伐カラマツに なめこ発生 …… 宮阪菊男

りんご園に廃菌床を埋めてまいたけ栽培 …… 田澤俊則

赤松林で本しめじ栽培 …… 藤堂千景

Part3 竹林の手入れ法

【図解】里山は旬の宝庫・あそびの楽園 ……(原図 高橋しんじ)

地竹とり
?タケノコ掘り

たけのこ 日光が存分に射し込む竹林で反収1トン(千葉県いすみ市 藤平由三さん)…… 編集部

竹林に人が集まる たけのこ掘りは楽しい …… 吉原美行

[カコミ] 穂先たけのこもおいしい …… 中司 敬

竹の徹底活用法 排水改良、肥料、竹炭、竹酢液、竹液、竹水(愛媛県松山市 日下武一さん)…… 編集部

竹水 野趣にあふれた爽快な味 …… 平石真司

シラカンバの樹液をいただく …… 寺沢 実

竹水が採れるしくみ …… 柏木治次

Part4 野山の草木でクラフト

【図解】里山は旬の宝庫・あそびの楽園 ……(原図 高橋しんじ)

アケビのツル
?クズ織り

つる、草、樹皮で籠をつくる …… 谷川栄子

つる類を素材にした籠づくり 山あけびで花籠を編む

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草類・わらを素材にした籠 草で三つ編み籠をつくる 稲わらで雪踏みの花生けをつくる

?

樹皮類を素材にした籠 幅広の樹皮で箕ざるをつくる 細幅にカットした樹皮で一輪ざしをつくる

つるの自然の形にあわせて編む …… 千葉美恵子

くずと藤で編むかご …… 野田文子

Part5 木を燃料として利用する

次の世代へ使い継がれる鋳物ストーブ …… 三友由美子

薪ストーブ 暖房、煮炊き、薪作りも楽しむ …… 千村ユミ子

ブリキの薪ストーブ 果樹園からでる廃材を燃料に(岩手県盛岡市 佐々木信之さん)  …… 編集部

薪ストーブの基礎知識 …… 杉浦章介

クラフトマンペレット・薪兼用ストーブ 石村工業(株)

軽井沢暖炉・コニファー (株)上野商店

山村の古民家を借りて火のある暮らしを楽しむ …… 大内正伸(絵と文)

Part6 昆虫の捕獲と飼育法

【図解】里山は旬の宝庫・あそびの楽園 ……(原図 高橋しんじ)

イナゴとネエサマとり
?スガレ追い (前編)
?スガレ追い (後編)

日本ミツバチを飼ってみませんか …… 藤原誠太

日本ミツバチの蜜は、わが家の甘味料(佐賀県伊万里市 森田キトさん)…… 編集部

誰にでも飼える在来種 日本ミツバチ ……(原図 もり よしかず)

きのこ栽培の材料でオオクワガタ養殖 …… 久保田一泰

カブトムシ 廃菌床と空きびんで人工飼育 …… 高橋 隆

カブトムシ堆肥で生ごみを肥料に …… 太田正美

Part7 野生動物―利用して共存する

【図解】 ……(原図 高橋しんじ)

里山は旬の宝庫・あそびの楽園
シカ狩り
?クマ狩り(上)
?クマ狩り(下)
?サワガニとり
?ヤマメ釣り
?ゴリオシ(カジカとり)
?ドジョウとり

ベテラン猟師が教える イノシシの解体法とおいしい食べ方 …… 須永重夫

[カコミ] しし肉の生食は避ける …… 久家美奈

猟師の知恵を借りて鳥獣害を防ぐ(NPO法人中部猟踊会 愛知県岡崎市) …… 編集部

Part8 人と生き物にとって豊かな森を創出する

低密度管理で森の自然力を回復する 荒廃した人工林を学びと暮らしの森へ …… 大内正伸(絵と文)

残す木のほうに印をつける/健全な人口林を保つための密度/荒廃の進んだ林では、巻枯らし間伐/伐倒の方法/枝打ちの方法

お手本は天然の針葉樹林 …… 鋸谷 茂

山づくりは誰でもできる 保残木マーク法(長野県伊那市 島崎洋路さん) …… 編集部

小型バックホーでつくる 崩れない林道 …… 大内正伸(絵と文)

あっちの話こっちの話

灰を使って漬物を色鮮やかに

ナメクジは竹が嫌い?

塩漬け、天日干しでたけのこを長く楽しもう/たけのこの根元で作るメンマ

薪ストーブの灰は菌核病に効果あり/灰は焼き物に、炭はぶどうに


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編集後記

◆近年、「里山」への関心が高まっている。生物多様性、循環型社会、持続可能な開発ということが提唱されるようになったため、かつての森林の利用法に注目が集まるのだろう。すなわち、多くの場合、里山という言葉は、薪炭などに利用されてきたクヌギ、コナラ、カシなどの雑木林を指している。

 一方、杉や檜の人工林は、野生動物が棲めない、花粉が飛散する、生産コストが高い、保水機能が弱いなどといわれ、あまり評判がよくない。しかし、私のように山村出身で、杉、檜を大切に育ててきた林家の姿を見てきたものにとってはどうも釈然としない。日本は世界最大の木材輸入国なのだ。苦労して育てた自国の山林を放擲し、再生が困難な熱帯雨林やタイガの森を皆伐し続けている。人工林を悪者扱いするのではなく、適正に利用することが大切である。

 さしあたり、市場の原理だけでは自国の森林利用が困難であるならば、社会全体で方策を講じるほかはない。たとえば、森林管理の難しさの一つに、労働災害の多さがある。安全な施業法の開発、技術の習得、労働災害がおこったときの保障制度の拡充など、大きな財政負担を伴わなくてもできることがある。幸い日本には、樹木が旺盛に生長する風土と、豊富な労働力資源がある。(本田進一郎)

◆3年前の冬のこと。知り合いの誘いで、東京都西多摩郡のある町村内で開催されたある森林ボランティアグループの行事に参加した。それがきっかけで、以後、奥多摩町を中心に森林ボランティアに月に1?2度でかけている。作業は道づくり、枝打ち、間伐、大刈り、草刈りとそのあとの釜研ぎなど。農家育ちなので、たいていの農作業は経験していたし、山も遊び場にしていたのだが、慣れないこともあり、重労働である。遅々とではあるが優れた指導者に導かれ、少しずつ技能も向上してきたと思っている。

 このように日曜日早朝から、手弁当持参でいそいそと片道2時間かけて出かけているのは、決して高い志からではない。この作業からなんともいえぬ爽快感、達成感が得られるからである。うっそうとしていた杉や檜林が、昼休みには少し木の間から空からみえてくる。作業が終わる3時ころには林床に日がさしてきて、木肌が輝いてくる。怒られてしまうかもしれないが、山林で働く人たちの労働の楽しみを実感できている気がしている。本書の編集過程で、楽しみがさらに増えてきた。(松本学)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 野山・里山・竹林 楽しむ活かす

ちょっと前まで、足を少しのばせば、そこは山菜や野草、きのこ、籠や箕などの材料、蜂の子や川魚とりなどの楽しみ、もちろん燃料を供給してくれる、豊かさに溢れた里山がありました。その恵みを活かす暮らしが、里山を守っても来ました。今、山が荒廃している、と叫ばれます。豊かな恵みを与え続けてくれてきた山を、私たちの世代でなくしてしまっていいのだろうか…そんな思いから本書を企画しました。地味で静かだけれど、採る、育てる、活かす、楽しむ「山の恵みを使いながら山を守って暮らしの智恵が満載! [本を詳しく見る]

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