現代農業 特別号
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2008年4月別冊 購入する
農家が教える加工・保存・貯蔵の知恵

B5版 192ページ 定価1200円

食卓を、豊かに楽しく、直売所を年中にぎやかに! 80種類以上の野菜・山菜果物を長く楽しむ加工・保存・貯蔵の知恵を、『現代農業』に登場した名人農家を中心に、『加工総覧』『日本の食生活全集』から集大成! 太陽、風、寒、雪、氷など自然の力を活かす知恵から、最新の乾燥・粉末・冷凍技術まで満載。

はじめに目次編集後記おすすめ本、他の記事を読む

別冊2008年4月号

はじめに

はじめに

 日本では、1961年の農業基本法制定以来、野菜や果樹の産地と流通網が急速に整備され、現在では、全国どこでもいつでも新鮮な野菜を買うことができる。トマト、きゅうり、キャベツ、ねぎ、小松菜、ほうれん草、にんじんのような主要野菜は、一年中途切れることがない。近年は、海外からも生野菜や冷凍野菜が輸入され、いっそう端境期がなくなり、旬が消えた。

 かつては各家庭で野菜を貯蔵したり、保存食をつくることがあたりまえであったが、今では庭先で大根を干す姿さえ見られない。伝統的な保存・貯蔵の技術や知恵も、忘れられようとしている。

 しかし、家庭菜園でとれた野菜や、直売所など地域内で生産・消費される農産物の価値を十分に生かすには、上手な貯蔵や保存が欠かせない。また、食品を乾燥したり寒にさらしたりすると、品質が長持ちするだけでなく、甘味やうま味が増すことが次第にわかってきた。雪などの自然の環境や風土の条件をうまく利用できれば、最新鋭の冷蔵庫や貯蔵庫にも劣らない効果が得られ、しかも資源やお金の無駄が少ない。

 本誌では、野菜や果物の保存法・貯蔵法について、古今東西の知恵を集めました。

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 農家が教える 加工・保存・貯蔵の知恵

干しナス、干しイモ、干しリンゴなどの乾燥保存、寒もち・凍みいもなどの寒ざらし、上手な冷凍・冷蔵保存、雪室・土室での貯蔵、ペースト・乾燥粉末・びん詰などの加工まで、カラフルで美味しい保存食80種類以上。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

目次

別冊現代農業2008年4月号

農家が教える加工・保存・貯蔵の知恵
野菜・山菜・果物を長く楽しむ 目次

はじめに

〈カラーページ〉

雪を利用して野菜を貯蔵 『聞き書 広島の食事』より(撮影 千葉寛)

野菜を乾燥して保存(撮影 千葉寛・小倉隆人)

干しなす/干しゴーヤー/干しきゅうり/干しかぼちゃ/干しにんじん/干し赤ピーマン/きんこ干し/なす干し/切りかけ大根干し/大根干し/凍み大根

くだものを美味しく保存 ─山梨県・内藤信子さん(撮影 小倉隆人)

りんごの干し菓子/いちじくの甘露煮/柿巻/柿のシャーベット/もものシロップ煮/梅の保存食/栗の渋皮煮/栗の冷凍保存/干しりんご

きゅうりのピクルス、いちじくジャム …… 本田進一郎

凍みいも 『聞き書 青森の食事』より(撮影 千葉寛・小倉隆人)

かんなかけいも/へちょこもち/ねもち/ばおりもち/いももちのじゅね味噌あえ/凍れいも/凍みじゃがいも/凍みいも/じゃがいも澱粉干し

凍み豆腐づくり『聞き書 群馬の食事』より(撮影 小倉隆人)

夏の野菜を粉で保存 ─長野県・細井千重子さん(撮影 岩下守・倉持正実)

なんでも粉に 素材の色がそのまま生きる
ドラムドライヤー ─奈良県・加工の里「當麻の家」(撮影 赤松富仁)

Part1 野菜、くだものを乾燥して保存

【図解】吊るしトウガラシ …… いいじま みつる

【図解】ニンニクリース …… いいじま みつる

干し野菜をつくろう
?天日で乾かすと美味しくなる

昔ながらの保存食 美味しい干しなす料理─富山県・荒川睦子さん

〈かこみ〉干しなすの味噌漬け 大分県・生野美千子さん

こだわりの干しいもづくり …… 塩田富子

干し柿の上手なつくり方 …… 真部孝明

干し柿 太陽と自然の風で手づくり …… 西村文子

干しりんご 自然の甘酸っぱさが濃縮─岩手県・笹間安子さん 西村良平

傷物のりんごを干しりんごに …… 市嶋豊

香ばしくて美味しい野草番茶―新潟県・野崎富さん

ぜんまいの赤干し …… 根子昭

山くらげ、ほどいも 食べ方、保存法、育て方 …… 斎藤経子

食品乾燥の原理 …… 土田茂

Part2 寒ざらし─冬につくる保存食

【図解】水俣の寒漬け大根 島本トミ子/吉村涼子(絵・竹田京一)

インカの保存食・チューニョをつくろう …… 山田秀哉

日本の「チューニョ」『聞き書 北海道の食事』ほか

じゃがいも アンデスの伝統的保存法、加工法 …… 梅村芳樹

下北半島の保存食 かんなかけいも、凍みいも

各地の凍み大根づくり
福島県三春町/長野県諏訪市/長野県飯山市/群馬県長野原町

口の中でくずれるように軟らかい
寒もち、花干しもち …… 藤田秀司

〈かこみ〉凍しもち『聞き書 秋田の食事』より

凍み豆腐の製造法 …… 小原忠彦

〈かこみ〉凍み豆腐『聞き書 長野の食事』より

保存の技が育んだ美味しさの知恵
凍り豆腐、魚の干物、ベーコン …… 野田知子

Part3 冷凍、冷蔵保存のこつ

野菜、くだものの美味しさをそのままに
?冷凍保存のこつ ─岩手県・藤沢拓子さん

〈かこみ〉冷凍の基本/果実の冷凍 谷山章/伊藤三郎

私の冷凍保存術あれこれ

かぼちゃ(青森県・蝦名みどり)/トマト(新潟県・渡辺キイ)/きゅうり(新潟県・井開トシ子)/オクラ(鳥取県・奥良茂呂平・仮名)/グリーンピース(福島県・安藤信子)/枝豆(新潟県・保苅浩)/たけのこ(広島県・岡田誠三)/アスパラガス(八鍬利郎)/いちご(望月龍也)/しいたけ(茨城県・大津盛雄)/ブルーベリー(伊藤三郎)/柿(長野県・文・近藤泉)

柿 冷蔵保存で美味しくなる …… 小ノ上喜三

栗を冷蔵すると甘味が3倍になる─湖梅園 小仲教示さん 水田泰徳

ドライアイスで栗の殺虫&貯蔵 ─吉松敬祐さん

Part4 雪室・土室─風土を活かした貯蔵法

雪室りんご 天然の冷蔵庫で春まで貯蔵─山形県・鈴木茂さん

雪室でじゃがいもを貯蔵
?甘くなって、電気代もかからない ─北海道・森浦農場 中田浩康

〈かこみ〉じゃがいもの性質と貯蔵 …… 本田進一郎

じゃがいも 雪室貯蔵で糖度が16倍に …… 遠藤千絵

氷室 1年を通して無添加の漬物ができる …… 金子幸江

寒冷地の野菜貯蔵法 …… 印東照彦

土室の上手な使い方 ─長野県・細井千重子さん

もみ殻で活ければ、ねぎが凍らない─栃木県・室井雅子さん

野菜の加工法と貯蔵法 …… 岩城由子

根菜の土中貯蔵 …… 新堀二千男

白菜を吊るして保存 ─島根県・早戸広美さん

Part5 加工して保存

【図解】栄養たっぷり野菜ふりかけ/山村の利を生かす山菜加工品 近藤泉(取材・絵)

【図解】ナガイモの酢漬 山田フジヱ/上田節子 (絵)竹田京一

【図解】小豆に虫をつけない 玉木昭子(取材・絵)

モロヘイヤ、アマランサス、しそ、おかのり
?粉にして保存 …… 細井千重子

たけのこ、わらび、ぜんまい、うど、さくらの葉
?保存のテクニックと、とっておきの料理 …… 吉村春子

ドラムドライヤーで何でも粉に! ─奈良県・當麻の家 庄田三代子

捨てていた完熟かぼちゃを生かす
?凍結乾燥のかぼちゃパウダー ─福井県・朝日町ふるさと特産加工場 山崎博昭

びん詰のつくり方 …… 矢住ハツノ

脱酸素剤について …… 石川豊

びん詰 ガラスびんの種類と特徴 …… 飯野久栄

〈かこみ〉びんのふたについて

Part6 保存、貯蔵の原理

【図解】割干し大根 神奈川県・三浦市農業協同組合 近藤泉(取材・絵)

【図解】多種の穀物を貯える 玉木昭子(取材・絵)

野菜の鮮度保持の原理 ……  西條了康

果樹貯蔵の基礎 ……  田中敬一

うま味、甘味が増す 氷温、超氷温の世界 …… 山根昭美

おもな野菜と果樹の保存適温 …… 本田進一郎

あっちの話こっちの話

干しれんこんもなかなかいける!/きゅうりも干しちゃうんですか?

干し野菜は車のなかでよくできる/網戸と一輪車でらくらく切り干し大根作り

一口サイズの干し柿ならかびない/干し柿にチーズを入れてオードブル風料理!

干しあんずはウーロン茶に漬けるとおいしくなる/生姜粉末は料理のおいしい隠し味

りんごを六月まで美味しく食べる保存法

ハンガーで切干し大根を大量生産/腐らない、じゃがいも収穫、保存のこつ

ハーブ入り枕でぐっすり眠れる/セージ、タイム、レモンバームのドライフラワー

寒いこの時期、寒ざらしそばがうまい!/やわらかいもちは牛乳パックで冷凍保存

簡単・便利! 冷凍パプリカ/とれすぎたナスは蒸して冷凍保存

雪がつもる前にもみがらを被せる/ねぎはお酒のケース、大根は袋で春まで貯蔵

生姜を腐らせない土中貯蔵法/里いもに、正露丸のっけて安心貯蔵

豆は焼酎のびんで保存する/簡単、楽しい、トマトのびん詰めに挑戦!

もちのカビ防止には「からし」/冷凍庫に入らないもちは、「からし」で保存する

おいしい秋なすを、2倍楽しむ貯蔵法/さつまいもの保管を完璧にする竹枝のひと刺し

青物の切れる冬に手軽な野菜貯蔵法/もちの保存に使い捨てカイロ


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編集後記

◆昔の野菜の保存法や貯蔵法を調べていると、貯蔵の途中で腐ってしまい、捨てる量がきわめて多かったことがわかる。もともと、生の野菜を長期に貯蔵するのは難しい上、自然の環境や地形を利用しているので、その年の天候に大きく左右される。もちろん、「捨てる」といっても、焼却炉で焼いたり埋めたりするわけではない。傷んでしまった野菜は、家畜のえさにしたり、堆肥や肥料としてすべて田畑に戻された。翌年の豊かな実りをもたらす大切な肥料になるので、それほど惜しむことなく「捨て」ていた。

 食品表示の偽装が大きな問題になっているが、賞味期限切れの食材を、飼料や肥料として利用する体制を整備することが、問題解決の近道ではないだろうか。ごみとして焼却されるのではなく、再び食べものに生まれ変わると思えば、食品を処分する人の「もったいなくて惜しい」という気持ちも、少しは軽くなるに違いない。

 話は脱線するが、一般の家庭でも、多くの人は生ごみを肥料に利用したいのだが、それを戻す場所がないというのが現実だ。家庭菜園付きの一戸建住宅とか、ミニ菜園付きマンションとかがあたりまえになれば、燃やすごみの量は半分以下にでき、資源の浪費も減らせると思う。 (本田進一郎)

◆本誌に収められた保存や貯蔵の工夫を読んでいて、今さらのようにお母さんたちの役割の大きさとその豊かさが伝わってくる。

 冷蔵庫も冷凍庫もなかった時代、太陽の力を借り、寒さの力を借り、雪の力を借り、土やわらなどの力を借りて保存し、貯蔵する。旬は旬として最大限に楽しみ、そこに、保存や貯蔵によってより豊かに変身した野菜や果実が加わる。旬を失った今の暮らしでは、季節はずれの食べ物に昔の感激はないのかもしれないが、本誌に収めた『日本の食生活全集』の写真を眺めていると、その当時(昭和初期)の女性たちの大切な思いが伝わってくるような気がした。

 今や家庭用の大型冷蔵庫には、容量たっぷりの冷凍庫が備えられている。市販の冷凍食品を保存するのもいいが、もうひと工夫して、自家菜園の野菜や果実に一手間かけて冷凍庫の中で長生きさせてみてはどうだろう。たまには子どもたちと一緒に、ぎらぎらと照りつける太陽の下で乾燥野菜や乾燥果実つくりに挑戦してみてはどうだろう。雪が降る地帯であれば、雪の下への貯蔵も試してみたい、ちょっと頑張って雪室つくりもいい。

 自然を生かした昔のお母さんたちの知恵から最新の加工技術まで、どうぞご堪能ください。(西森信博)


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自然流「乾物」読本

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農文協 編、奥村彪生 解説

乾物は繊維を豊富に含み、生の素材にはない独特の風味や香りをもつ注目の健康食品。主な乾物の加工法を紹介するとともに、野菜の乾物、豆類・いも類の乾物、魚貝類の乾物、海藻の乾物などの料理190品を収録。

 

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