月刊 現代農業
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太陽の恵みいっぱいの
手づくり干しぶどう

小林 かつ江

 巨峰は生食が最高ですが、ジャム、シロップ漬、ジュース、干しぶどうなどに加工するとまた違った味が楽しめます。

◆わが家の巨峰で干しぶどうができないかなぁ

 低農薬、除草剤なしの自然栽培の巨峰で何とか干しぶどうができないものか………。出荷作業をしながらいつも考えていました。小粒の干しぶどうは店頭に並んでいますが、巨峰のは見たことがありません。この大粒でつくったなら、さぞコク(?)があっておいしいのではないかと。

 出荷の際、袋から一房一房出しますが、年によっては裂果・脱粒したものが多く出ることがあります。それらは出荷できませんのでジュースなどに加工していました。一房一粒手をかけて育てたもの、ムダにはできません。

◆太陽の恵みいっぱいの滋養剤になる

 とにかく干してみようと、一番原始的な方法で秋の日に干したのが始まりです。日に干したのが「干しぶどう」、乾燥機のは「乾燥ぶどう」だと思っています。主人曰く、「加工するなら最高の房でつくれや」と。もちろんいい房も使いますが、傷のも利用します。

 皮をむいて干し上がったぶどうは市販の乾燥ぶどう感覚ではなく、固いゼリーという感じです。太陽の恵みをいっぱい受けた干し物は滋養剤です。巨峰以外にバナナやリンゴなども干します。手間暇かかりますので、一秋で何キロとか売るほどつくるわけではありません。効率の悪いことは誰もやらないでしょうが、私は条件の揃ったときに遊び気分でつくっています。

 
ぶどうの粒を洗って皮をむき、タネを出したところ。干しはじめ
皮つきのままでも干しぶどうはできます
干して3日目
完成した干しぶどう。左が皮つき、右が皮むき

◆干しぶどうの利用

 ぶどうを干し始めて3日ぐらいはぶよぶよしていますが、5日目ぐらいにはだいぶ乾きます。干すたびにつまんで口に入れ、仕上がる頃には量が少なくなってしまいます。

 利用などと改めて書くほどのこともありませんが、登山の時の行動食に。疲れたとき一口含むとムチムチとして、果糖の甘さと、酸味はのどの渇きを軽減してくれます。

 またクッキーやケーキにも入れたりしています。いつか友人に宅急便で荷物を送るとき30粒ぐらい入れてあげたら、『貴重品で、ビタミン剤を飲むようにちょっとずついただきました』と、便りをいただきました。うれしいやらはずかしいやら。

◆干しぶどうのつくり方・保存法

 1)ぶどうの粒をていねいに洗う
 2)皮をむいてタネを出す
 3)平ザルに並べて天日で1週間以上干す
 皮をむくときは、生のままでもよいし、冷凍庫へ一晩入れると皮にヒビが入り、解凍時にむきやすい。

 上手につくるポイントとして
 *晴天が4〜5日以上続きそうな日を選ぶ
 *夜間や、干している途中で雨が降ってきたときには、冷蔵庫へ入れる
 *干している間は土埃などに注意(場所の選定に注意)
 *使用する容器や手は常に清潔に
 *皮つきのまま干す場合は必ず真っ2つに切って切り口を上にして干す

 干したぶどうは小分けして食品用ポリ袋へ入れ、冷蔵庫へ。完全に干したものは常温でもかびません。

(長野県小県郡東部町)



「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 ブドウの絵本』高橋国昭 編/沢田としき 絵

巨峰の栽培法から、ワインのルーツ、ジャムや干しブドウのつくり方まで楽しいイラストで紹介。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 


このページは、月刊『現代農業』1997年11月号記事です。
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