米ヌカをまくだけで
土が肥えていく
「土ごと発酵」の仕組み

薄上 どうでした? 菌の自己紹介は。今回は、発酵肥料つくりのときに大事な4つの菌を中心に紹介をやってもらいましたが、本当は、自然界にはもっとたくさんの菌がいて、季節ごとの遷移とも絡まって、複雑な関係を見事に調和させています。

 米ヌカ一つで土が肥えていく「土ごと発酵」も、目には見えないけれど、微生物という「小さな匠」の仕業ですね。下図をご覧ください。

田んぼの土ごと発酵
田んぼの土ごと発酵(画像をクリックすると拡大しご覧になれます)

 イネ刈り後、なるべく早くイナワラの上から米ヌカと石灰をまくと、こうじ菌、放線菌が繁殖する。

 イナワラを分解してパワーアップした放線菌は、今度は土を食べ始める。強力な分解酵素とネバネバ物質で土を団粒化。冬の田はフカフカの土に変わってゆく。春、水が入ると、これがトロトロ層に変わる。

畑の土ごと発酵
畑の土ごと発酵(画像をクリックすると拡大しご覧になれます)

 表層に米ヌカと葉かきした葉があることで、菌が集まる。真夏には分解力の強い枯草菌が増え、葉を分解し終えると、今度は土の中にもぐり、土をガンガン食べ始める。土の中には100種のミネラルがあるので、菌はパワーさえアップしていれば、どんどん土ごと発酵させていく。秋口にはモコモコサラサラの団粒土になる。 その後、涼しくなるにつれて乳酸菌、酵母菌が殖え、栄養たっぷりの酵母菌が死ぬと、土は一気に肥沃化する。

トロトロ土
菌が土を発酵させるとザラザラだった田んぼの土もトロトロになる
普通の畑ではこんなふうにザラザラ
普通の畑ではこんなふうにザラザラ



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このページは、月刊『現代農業』2000年10月号の記事です。
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