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くらし・経営・地域

ツクシ
(小倉かよ撮影)

ツクシ
食べてる間にみるみる治った

島方洸一

突然発症 
空気が毒ガスとなる

 1998年春、早朝。それは軽いのどの痛みから始まった。頻繁なうがいなどの抵抗もむなしく、痛みは時間とともに増幅・拡大を続け、その晩にはのどの奥にまで達していった。そして鼻水。鼻腔の粘膜が炎症を起こし、息をするたびに刺激性の薬品をかがされたときのような、ツーンとした痛みが走るようになった。目からは、目ヤニ混じりの涙が垂れ、チクチクとしたかゆみが眼球の表面にしつこくこびり付いて離れない。

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 数日のうちに、症状はさらに悪化していった。鼻粘膜はただれ、かさぶたとなり、鼻血がしみ出る。のどの痛みは気管支にまで達し、息をするたびにズキーンと胸が痛む。目のかゆさは極限に達し、眼球を直接ツメでガリガリとかきたいという欲求が湧き上がってくるほどの苦しみとなっていた。

 こうして私はまったく突然、重症のスギ花粉症を患う身になってしまったのである。

初めてツクシを食べる

 私にはのめりこんだ趣味がある。山菜採りである。「山へ行きたい」。私は山の誘惑に抗しきれず、悲壮な覚悟で山を目指した。

 帰路、山腹斜面の尽きるあたりで、ツクシの大群落に足を踏み入れた。これまでツクシなど見向きもしなかった私であったが、このとき初めて「食べたい」という欲求を感じた。

奇跡か!?

 私が山へ行った晩のわが家の食卓は、山菜で埋まる。食事が終わる頃、私はスギ花粉症の症状が急速に軽減してゆくのを感じ始めた。鼻水は止まり、目のかゆみは止んだ。のどの痛みもめっきり軽くなった。

 翌朝目覚めた私は、更なる奇跡を味わうことになった。鼻の中のかさぶたは、鼻をかむと同時に痛みもなくはがれ落ちていった。のどから気管支にいたる炎症は消え、呼吸時の耐え難い痛みもウソのようになくなっていたのである。

 いったい何がこのような奇跡を引き起こしたのか。昨日私がしたことの中で、今までと何か変わったこと……思い当たるのはツクシを食べた、ということだけであった。

 一週間ほどすると、またスギ花粉症がぶり返してきた。私は再び山へ向かった。

 その晩、私はツクシをしこたま食べた。そして、再び奇跡はやってきた。食事が終わるまでに、私のスギ花粉症は跡形もなく治っていたのである。やはりツクシが効いたのだ!

効く人には効くようだ

 翌日から、私は調理したツクシを勤め先などへ持って行き、長年スギ花粉症に悩んできた人たちに試食してもらう行動を開始した。

 その結果は、「まったく効かない」という人もいたが、半数以上の人の症状が軽減した。中には、私が体験したように、劇的に治癒し、長年の苦痛から解放された人も現われた。

 今では、勤め先の同僚、自宅近くの住人、商店街のご主人、などなど毎年、私のツクシを頼りにし、心待ちにしてくれる人が増えてきている。

強火で炒めて、手のひら一杯くらい食べてみよう

 ツクシはきわめて傷みやすい食材なので、採ってきたらすぐ調理すること。一晩常温でおくと劣化する恐れがある。

 貯蔵するためには、ざっと洗って水を切り、そのまま冷凍庫に入れる。一年間貯蔵しても、効果は落ちない。

 調理の際は、水で洗った後、強火の油で炒めると食べやすくなる。炒めたあと、お好みで味をつける。

 ツクシの効用は即効性なので、調理後の分量で手のひら軽く一杯くらいを食べるだけで、効く人には数分以内に効果が現われるはず。一度食べて何の効果も感じられない人は、残念ながらツクシは効かない体質、ということになる。

(日本大学教授)

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