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呼吸器系の弱い人に
フキノトウ村上光太郎
暖かい地方のほうがアクが強い!?
そろそろフキノトウの便りが聞こえてきます。本当は、よく探せば12月頃から葉柄のつけ根に小さいつぼみがついていることもありますが、やはり大きく生長してふくらんだものは今が旬です。この時期、つぼみに包まれていてまだ中の花が見えないものは、苦味がないといってよく使われています。
しかし、フキノトウの苦味は採集地で変化するものです。たとえば、南の暖かい地方のフキノトウはアクが強いので苦味を感じますが、北海道や寒い地方ではほとんど苦味がありません。当然、高い山や雪のそばに生えているフキノトウには苦味がありません。
なぜ、暖かい地方のフキノトウのほうが、苦味が強いのでしょうか。それは、害虫の出現と関係があるのです。雪があるような寒い場所では、昆虫はまだ出てこないのでアクは必要ないのですが、暖かくなって、昆虫が出てきて新芽を食べるようになれば、かじられた葉の傷口をいやすためにも、これから先かじられないためにもアクをたくさん作るようになるのです。
アク抜きせずに焼いて食べよう
○期待できる効果
鎮咳、去痰、解熱、食欲増進、解毒、健胃
○こんな人にお勧め
風邪気味、食欲不振、食中毒、虚弱体質、胃下垂、胃アトニーしかし、このアクがじつは薬になるのです。よく、山菜だからといって、アク抜きをした後、長く水に浸けて保存したフキノトウを使用する人もいますが、それらはほとんど効果がないと思ったほうがよいでしょう。フキノトウはアク抜きせずに食べると解熱作用があり、咳を止め、痰を切り、食欲増進がのぞめますので、風邪気味の時や胸がつかえる時に焼いて食べたり、味噌汁に入れて食べると効果的です。また、咳がどうしても止まらない時には、フキノトウを火の中に入れて、立ちのぼる煙を吸うだけでも止まります。
これらの作用はトウの部分に限らず、フキの葉、茎、根でも同様ですが、フキノトウ以外の部分はアクが強すぎ、一般にアク抜きしてから料理に使いますので、薬用効果はほとんどなくなっています。そこで、薬膳としての利用を目的とする場合は普通、アクを抜かなくても食べられるフキノトウが使われるのです。
それでは、最後に美味しくて、しかも山菜の効果を損なわない料理法を紹介しましょう。フキノトウの味噌ホイル巻きは味噌といっしょに蒸し焼きにする香ばしい料理で、肉巻きは生長して苦くなったフキノトウでも美味しくいただける一品です。
(崇城大学薬学部)
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