月刊 現代農業
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巻頭特集

ダイコン 安くてよく効く石灰防除

たった3.7円の苦土石灰で軟腐病が止まった話

熊本県阿蘇市・宮崎政志さん

 熊本県阿蘇市で6町もダイコンを作っていた宮崎政志さんが、かつてもっとも困っていたのが軟腐病。平均気温が20度を超えてジメジメしてくると必ずと言っていいほど発生し、ありとあらゆる農薬をかけても止めることができませんでした。

 困り果てた宮崎さん、ある有名なダイコンの先生に対策を相談。その先生が「なかなか信じてもらえないんだけど」と言いつつ、こっそり教えてくれた方法が「苦土石灰をまくこと」でした。

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 「そんなもんで止まるならクスリはいらんわ」と呆れましたが、だまされたと思って、もう軟腐が出ている畑に苦土石灰1000倍液の上澄みを撒いてみたのです。すると驚いたことに、葉っぱのとろけ始めている部分が黒くなってフタを被せたようになり、軟腐病がピタッと止まってしまったのでした。

 それだけではありません。やわらかかった葉っぱがパチッと硬くなって厚みが増し、徒長した葉がなくなって上から見るときれいな円形で、生育も順調。以来10年以上、軟腐の被害はいっさいなくなり、いいダイコンがとれるようになったのです。

ダイコン

 さらに嬉しいことにこのやり方は「経費が話にならないほど安い」。反当たりの経費はなんとたったの約3.7円! 以前はヘタすると反当たり10万円もの農薬代をつぎ込んでも止まらなかったのに…。 

 使うのは粉状の苦土石灰。よく水と混ぜてから5分くらい待ち、完全に透き通った上澄みをとればノズルもつまりません。基本は1000倍ですが、雨あとなどとくに軟腐が出やすいときは若干濃い目にします。ただ500倍以上にすると葉の色が浅くなり、なぜか生育がいったん止まったように見えるそうです。しかし不思議なことに、そのあとは倍くらいのスピードで生長し、大きくなり過ぎてしまうこともあるとのこと。また農薬とは混ぜないほうがいいそうです。

 昨年ダイコン栽培を引退した宮崎さんですが、今でも田んぼや家庭菜園に苦土石灰を使っています。やはり軟腐病が困るハクサイへの効果はもちろんのこと、イネも葉っぱが手に刺さるほど硬くなり、イモチ病などもピタッと止まってしまうので、たいへん重宝しているそうです。

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