月刊 現代農業
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巻頭特集

高橋隆一さんと妻の秀子さん。 お米のパン家
高橋隆一さんと妻の秀子さん。「お米のパン家」の米粉パンは、米粉80%にグルテン20%を混ぜたパン
誰でもできる米粉利用

第二の人生「お米のパン家」

山形県村山市・高橋隆一さん

田中康弘

 山形県村山市で米粉を使用したパン屋さんが今年の6月にオープンした。経営者の高橋隆一さんは建築関係の仕事に長年携わってきた。それが引退を機に選んだ第二の人生はなんとパン屋さん。

「『現代農業』(2007年5月号)に米粉のパンの話が載ってるのを読んでね、すぐこれだと思ったよ」

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 建築業のかたわら田んぼ(1町2反)と畑仕事をこなしてきた兼業農家でもある高橋さんは即断即決の人でもある。なにしろ米粉パンを初めて知ってから開業までに2カ月弱しかかかっていない。地元の在来線区間を走る新幹線「つばさ」よりまちがいなく速い(!?)。しかしなぜ米粉パンだったのだろう。

「村山市を中心に30年以上仕事をしてきたからね。その地元にね、少しでも恩返しをしたかったんだよ」

 地元村山産のはえぬきを使って、安全で健康的、そしてなによりおいしいパンを食べてもらいたい。米どころの地元を応援するには「これだ!」とひらめいたそうだ。

 実際に米粉のパン「コメワッサン」をいただいてみる。こぶりだが重量感があり、サクサクした歯ごたえはクロワッサンそのものだ。これを食べて米粉ですねという人はまずいないだろう。それにしても「コメワッサン」のネーミングがなかなかいい。店の名前だって「お米のパン家」。聞けば、この店名は高橋さんのひらめきによるものだというから、やはり即断即決のスピード男なのである。

 都会の流行りのパン屋さんとはかなり違う立地条件(田園地帯の国道沿い)、そしてどちらかというと地味な店内。これで商売が成り立つのだろうか。

「いやあ、第二の人生だからね。儲けは度外視だよ。地元への恩返しだから」

 とはいうものの、そんな話を聞く間にもお客さんが引きも切らない。なかには4000円近い買い物をした人もいる。土日・祝祭日にはほとんどの商品が昼過ぎには売り切れるというから、なかなかどうして。

「180度違う商売を始めて、最初はね、『いらっしゃいませ』のあいさつができなくてね。でも、お客さんと会って話すのはすごく好きだから楽しいよ」

 おいしいパンと笑顔、これが「お米のパン家」繁盛の秘訣のようである。

コメワッサン コメシュー 国道沿いの店は、ファミリーレストランだった建物を借りている
「コメワッサン」プレーンタイプは6個入り300円、チョコ入りは同450円 米粉パンの生地でつくったモチモチのシュークリーム「コメシュー」。1個120円 国道沿いの店は、ファミリーレストランだった建物を借りている

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 白神こだま酵母のお米パン』大塚せつ子

グルテンも増粘多糖類も無添加なのにふんわりやわらか!おかゆやポン菓子、じゃがいもが大活躍。オーブンで焼く一斤パン、炊飯器で炊くふわふわパン、フライパンで焼くラップパン等お米のおいしさが生きる画期的製法。 [本を詳しく見る]

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