月刊 現代農業
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自生しているものから採種したナルコユリ(K)
自生しているものから採種したナルコユリ(K)
やっぱり気になる身体にいいもの

ナルコユリ
根茎に滋養強壮効果、立茎はアスパラを超える味

菊池留蔵

アスパラよりおいしい、根茎には滋養強壮効果

 ナルコユリは、根茎が薬用になる植物で、滋養強壮に優れ、その効果は朝鮮人参に匹敵すると文献にはある。根茎を薄く切って乾燥してから粉にして少量服用、あるいはホワイトリカーに漬け込んで熟成させると高価な薬用酒となるという。もっとも、食べておいしいのは、春にアスパラほどの太さに育つ立茎部だ。

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 私が庭に生えていたナルコユリに注目したのは、平成10年ごろのことだった。採種して播いてみたが2〜3年は失敗だった。春に播いて、いくら待っても芽が出てこない。あきらめて耕してしまっていた。

 ところが、よくよく調べてみると、1年目は地中に根を張る一方で、秋ごろまでに根茎になる芽を作るという。そしてタネを播いて2年目の春、4〜5月になるとようやく地上に顔を出して、長さ3〜4cmの葉を1枚伸ばす。そんな姿のまま2年目も終えるというのだ。自然の状態では、アスパラほどの太さの新芽が伸びる根茎に育つまでには6年以上かかるといわれている。

 私は、こうした生育の特徴を知ったうえで自生株を探し始めた。ナルコユリは、どこに行ってもあるものではなく、またないというものでもなかった。私の場合、近くの和賀川の岸から掘り取った。茎の部分をゆでて試食したところ、アスパラより甘味が強くておいしい。根茎のほうは煮たりゆでたりして食するものではなく、前述のような滋養強壮薬である。

筆者
筆者。ここは前年秋に自生株を定植した15aの畑。花が咲いてタネを採った株がだいぶあったが、茎はもう枯れている(平成19年11月5日)
ナルコユリをゆでて食べる
立茎したナルコユリをゆでて食べると(手前)、アスパラより甘くてうまい(K)
定植用の根茎
定植用の根茎。自生株を掘り出して、株分けして増やすこともできる

スギ林でも育つが、早く大きくするには畑がいい

 生長したナルコユリは草丈が1mほど。弓状にたわんで、6月ごろになると葉の下に白い釣鐘状の花が1〜3個ずつ咲く。夏になると青い大豆のような実がなり、10月ごろからそれが青黒くなって冬に入る。黒くなった実一粒の中には、アスパラのタネぐらいの種子が5〜8個入っている。

 根茎はショウガの根に似て、ひと節1年の区切りがある。自生しているものは、土地条件によって生育は様々。乾湿に強く、石の上の苔のなかで生育しているものもあるが、さすがに生育が悪い。反対に土壌条件がよいところでは、太い大きな根茎が掘り取れることが多い。

 また、ナルコユリの立茎には、青いものと赤みをおびたものと2種類があることも知った。どちらも味は変らないが、栽培するからには「高原おおナルコユリ」としてオリジナル品種にしたい。農協関係者からの助言を待ちたい。

 ナルコユリは、山地でも栽培が可能だ。植林して30年にもなるスギ林は下草が生えないので雑草対策には好都合。しかし減反田や畑地があるのなら、太陽がよく当たる水はけのよいところのほうが、実もちがよいし根茎の太りも早い。その代わり、雑草がはびこると肥料が奪われる。ナルコユリは雑草には強いほうだが、初期は育苗畑で育てたほうがよい。

10a2000本を定植、アスパラなみの施肥で栽培

 私の栽培方法を記してみよう。

ナルコユリの根茎
ナルコユリの根茎。ショウガに似ている(K)

 播種は春4月。1m2当たり発酵豚糞か発酵鶏糞を一袋と、雑草の混ざらない土を混ぜて厚さ10cmの床土とする。板の切れ端でなでて平らにしたところに、ナルコユリの種子を一粒ずつ2cmくらいの間隔で均等に播く。覆土は、雑草のタネの入っていない土を厚さ3cmになるように。土の乾きに注意しながら翌年の春を待つ。あるいは、初期はペーパーポットなどで育ててもいいだろう。

 本畑への定植本数は10a当たり2000本くらい。それから逆算すると、10aの栽培に必要な播種量は40〜50gだ。

 現在、私は、計30aの畑でナルコユリを栽培している。多くは、自生株を育ててから株分けして定植したものだ。ウネ間1m×株間40〜50cmで植えた100mのウネが10本。定植から6年で収穫して粗収入10a100万円を目ざす。

 水はけさえよければアスパラ同様の多肥栽培が可能なようなので、タネから育てた場合でも、やり方によっては六年たたなくても、親指の太さくらいに立茎する株に育てることが可能かもしれない。

 北上市場ではナルコユリの立茎150gが、卸値350円、市価400円で売られていた(2007年5月)。販売量はまだまだ少ない。私自身が栽培しているものも、いちばん長いもので5年ものが一部あるだけだ。現在は、もっぱら種子用として増殖に専念中です。

(岩手県北上市和賀町)

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