ヨモギ vs スギナ
ヨモギの天恵緑汁でびっくり野菜
福田 俊
天恵緑汁とは新芽のエキスを発酵抽出した植物活性剤
私が「天恵緑汁」を知ったのは1992〜93年の『現代農業』の記事でした。93年の1月号にはその作り方がわかりやすいイラストで解説してありました。
それによると天恵緑汁とは、発酵のもとともいわれ、韓国の自然農業のベースにある発酵を促すもので、豚舎のオガクズや堆肥を菌のすみかにして豚や野菜が健康に育つというものでした。
原料は野に生えるヨモギの新芽と黒砂糖だけ。ヨモギの葉にいる土着の微生物とヨモギの中のエキスと黒砂糖の成分が合体してできる不思議な液体です。原料はヨモギが定番ですが、生長点であればほとんどの植物で作ることができます。
記事を見たその春以来、現在まで10数年、毎年欠かさず作り続けています。薬品添加物なしの天然で安全な天恵緑汁は安心して使える植物活性剤です。私にとって天恵緑汁は無農薬栽培のもとともいえます。
天恵緑汁のつくり方
トンネルの中の野菜に天恵緑汁の希釈液をかける筆者 ▼早い時期は濃い良質なものに
天恵緑汁はヨモギの新芽の生長点を使うので、作る時期は春の芽吹きの3〜5月頃が適しています。
早い時期は芽が小さいので大量に採取するには時間がかかりますが、濃い良質のものができます。5月頃になると草丈も長くなるので、お茶のように生長点を手で摘みます。夏でも摘めますが、できあがりの液の量が少なくなります。
ヨモギの新芽を摘む時間は夜明け頃の瑞々しいときが最適だといわれていますが、昼間でも大丈夫です。
▼仕込み後、約1週間で完成
作り方は簡単で、摘んだヨモギと粉黒砂糖を交互に瓶に入れていきます。摘んだヨモギは洗ったりせずにそのまま使います。
仕込む容器は、当初はプラスチック容器でやっていましたが、『天恵緑汁のつくり方と使い方』(農文協刊)の本には理想的な容器は瓶か杉の樽と書いてあり、それ以来、瓶に漬け込むようにしています。
黒砂糖の量の基本はヨモギの重さの3分の1ですが、特に計量することもなく一度に粉黒砂糖一袋750gを使い切る程度で問題なくできています。
交互に漬け込んだら、その上に重しをのせます。フタをして約1週間するとできあがりです。できあがった液は濃い黒褐色で、サイレージの乳酸発酵のような芳香がします。
発酵後は液を抜き取るのですが、EMジャパン製のコック付きのバケツが便利です。瓶から液の抜き取り容器に移し、重しをします。バケツの中の網で濾された液をペットボトルに入れます。
なお、キャップは緩めに閉めます。天恵緑汁は菌が活動していて発酵が進みますから、キャップをきつく閉めると破裂します。液を抜いた粕は堆肥として土に返します。
使い方と効果
▼薄めてかけると作物が元気になる
天恵緑汁は次のような用途に使っています。
(1) 希釈して植物活性剤として散布
(2) ボカシ肥料を作る発酵のもと
(3) できたボカシで生ゴミリサイクル(1)と(3)はEM農法の応用でEM菌を天恵緑汁に置き換えたものです(やり方についてはカラー口絵参照)。
その効果は作物を元気にし、病気になりにくくします。虫が大発生することもありません。無農薬栽培による安全で美味しい野菜がたくさんとれるので、とても健康的です。イチゴやトマトなど果実の糖度も上がります。
スイートコーンだってこんなにきれい。実入りもよし 無農薬なのにこんなにきれい 野菜には50〜100倍液を散布
天恵緑汁を直接野菜に与えるときは50〜100倍に水で薄めてジョウロで野菜の上から散水したり、噴霧器で噴霧します。ゴミ汁液肥も同様に薄めてやります。天恵緑汁とゴミ汁を混合で与えることもできます。
広い面積をやる場合は便利な自動希釈器(ニュースプレックス)に原液を入れホースで水圧をかければ、かん水するように100倍でやることができます。与える頻度は生育の盛んなときには三〜四日ごと。多くやっても害はありません。
生ゴミ処理のゴミ汁の搾り粕は堆肥として畑のウネ立てのときに投入します。また、果菜類などの生育途中に通路へ投入すると通路下まで伸びた根に肥料成分が吸収され、元気に育ちます。そのときは投入後上に土をかぶせます。
ボカシは元肥として一平方mあたり500gを全面散布し、土とよく混ぜ合わせてウネを立てます。育苗中はポットの用土表面にひとつまみやると、かん水とともに肥料成分が溶けて吸収されます。
葉色が淡く、葉ものは生食できるボカシ肥料で作った野菜は、化学肥料のものと比べて全般に葉の色が淡いのが特徴です。特にホウレンソウなど葉ものでその傾向が顕著で、食べるとあくが少なく、生でサラダにすることもできます。
天然の原料による天恵緑汁で作る自家製の野菜は、安心して美味しく食べることができます。
(東京都練馬区)
(福田さんのホームページ「T&F」)
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