祝島びわ産直グループの面々と「びわ茶」こんな葉っぱ売ってます ビワの葉
びわ茶で売る、生葉も売れる
山戸孝
実から葉っぱへ
私の住む祝島は、山口県の瀬戸内海に浮かぶ離島です。温暖な気候で昔から山にビワの木が自生していたほどビワの栽培に適した風土であり、ビワの無農薬露地栽培が盛んです。
現在は、ビワの実だけでなく葉も利用しています。きっかけは、27年前に島の対岸に原発の建設計画が持ち上がったことです。計画に反対する島の女性たちが産直グループを作り、「原発のお金に頼らない島おこしを」という目的で新たな商品を検討。島に昔から伝わるビワの葉のお茶をヒントに、島のビワの葉のみを原材料にした「びわ茶」を製品化し、販売を始めました。
やがてビワの生葉も販売するようになりました。六年ほど前、進学、就職で島を離れていた私が島に帰ってインターネットでビワ茶などの販売を始めた際、お客様から「生のままのビワの葉を売ってくれないか」という要望をいただいたことがきっかけです。
最初はなぜ生葉を欲しがるのかよくわかりませんでした。しかし調べてみるとビワの葉は薬効が高いと言われており、昔から民間療法に使われていることがわかりました。そういえばうちの島にも「農作業中に腰が痛くなったら湿布代わりにビワの葉を当てておけば楽になる」という話が伝わっています。
それならば、と試しに取り扱いを始めてみたところ、最初はほとんど注文がありませんでしたが、ほかにビワの生葉を小ロットで取り扱っているところが少ないこともあるのか、ここ2〜3年はかなり注文が増えてきました。
お客様に使い道を尋ねてみたところ、「アルコールに漬けてエキスをとる」「化粧水を作る」など人によって様々ですが、最近では温灸に使う目的で注文される方が多いように感じています。
ビワの葉っぱビジネス
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★ここが売り
生葉は、皮膚につけると鎮痛作用があるというアミグダリンを含み、カユミ止めに使えたり、温灸に使うと神経痛に効果があるとされている。ビワ茶には利尿作用があり、疲労回復、食欲増進にいいと言われている
★売り方
インターネット産直「祝島市場ホームページ」
http://www5d.biglobe.ne.jp/~jf-iwai/★値段
生葉は200g(25枚前後でビニール袋に入れた荷姿)315円、「びわ茶」は1袋(100g)680円
葉っぱメインの畑までつくった
祝島のビワ畑
やわらかいビワの実は、収穫・調製・出荷作業に神経を使ってたいへん。でも葉っぱ生産なら高齢者や女性でもラクにできる最初は、せん定時期となる9月から11月、大量に出る葉からまずビワ茶生産用に使う葉を選別し、その中からとくに質のいいものを販売用の生葉としていました。あくまでもビワ畑を管理するための作業時に出る副産物という位置づけです。そのため大口の顧客へまとまった量を出荷するのではなく、小口の注文に応じて販売していくという方針でした。また販売期間もかなり限定していました。
しかし、ビワ茶を含めたビワの葉全体の需要が増えた結果、現在では本来の生産物である果実でなく、葉の生産をメインにすえた畑をつくる方法もとるようになりました。そのため生産量も増え、9月から3月まで販売することが可能となりました。
軽くて傷みにくいから年をとっても生産拡大
葉の生産をメインにすえたビワ畑の管理は、女性グループと私が共同で行なっています。この方法は、高齢化が進む島のこれからの農業にひとつの方針を提示するものと考えています。
ビワの果実は、収穫可能な時期が極端に短く傷みやすいため、収穫の作業が短期間に集中します。高齢化も相まって生産量は減少傾向にあり、農家の収入も減る傾向にあります。
しかしビワの葉は、果実とちがって軽くて傷みにくく、作業時期が限定されないという利点があります。これまで管理しきれずに耕作放棄されていたビワ畑でも、葉だけを生産する畑としてなら管理できます。果実に比べて単価が安くても、農家の収入の下支えとなるのです。
この方法ならば耕作面積の維持はもちろんのこと、グループ化による共同作業を導入して拡大へ向かうことも可能です。条件の厳しい離島農業において重要な選択肢の一つであると感じています。
同時に、そのような選択肢を見出すきっかけとなった島の女性たちの努力、また消費者との対話と情報交換は貴重なものであるという思いも強く感じています。
(「祝島市場ホームページ」管理人)
お問い合わせはrural@mail.ruralnet.or.jp
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