月刊 現代農業
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●巻頭特集 たいしたもんだ 皮の力

いろんな皮が効く
たいていの果物は、焼けば皮もおいしく食べられる
たいていの果物は、焼けば皮もおいしく食べられる。バナナの皮も完全に焦がせば、苦みが薄れ、十分食べられた(おいしかった!)

皮がおいしい焼き果物健康法のすすめ

村上光太郎

ミカンの皮は果肉より健康成分が多い

 ミカンの果皮はやとして薬に利用されます。しかし、私たちが美味しく食べている果肉は薬用には使われません。ミカンの果実にはビタミンCが多く、クエン酸も多いため新陳代謝を盛んにするといわれます。また、「ルチンが毛細血管を丈夫にし、皮膚の血行を高める」などと、薬用効果を述べる人もいます。

 それなら果肉部を薬用に使えばよいのに、と思いませんか。そうです、じつは、果皮には果肉と同じ成分が含まれているうえ、もっと効果のよいリモネンも多いのです。リモネンには、神経を鎮める効果もあります。

 このように、薬として考えると果皮がよいのです。また、薬にしたときの保存性も皮のほうが適しています。

 当然、果皮と果肉を一緒に食べても効果はあります。でも、生のまま皮を食べるというのは、味覚的にほめられたものではありません。そこでミカンを焼いて食べてみてください。特に少し酸味の強いミカンを焼くと、美味しく食べられることに驚かれると思います。

 薬効成分を多く得られ、しかも美味しくいただける焼きミカンは素晴らしい食材なのです。

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果物なんでも焼いてみよう

これぞ焼き果物!
これぞ焼き果物!

 果実を焼くのはミカンだけでしょうか。いや、基本的にはすべての果実が該当します。

▼リンゴ

 皮を包丁でむいて食べるリンゴも、皮ごと焼いて食べるほうが食物繊維のペクチンも多くとることができます。肌荒れや便秘が改善され、健康効果が増大するのです。

▼クリ

 クリの渋皮も皮の一部です。なるほど、あの硬い鬼皮を食べることはできません。しかし、鬼皮を焼けば、その下にある渋皮の味もあまり気にならなくなります。この渋皮を集めて焙煎し、お粥に入れて食べるか、茶の代用とすれば、含まれているタンニンなどの作用により、アレルギーやアトピーを緩解させることもできます。

 他の果実と違い一個や二個で効果があるというものではありませんので、渋皮をある程度の量集めることが必要です。

村上光太郎さん。黒こげの焼きミカンを、皮ごとガブリッ
筆者。黒こげの焼きミカンを、皮ごとガブリッ

▼カキ

 カキも皮をむいて食べることが多い果実です。むいた皮は、天日干しにすることで、美味しい甘味料になり、栄養価も高めることができます。時間をかけて天日干しをするのが一番よいのですが、皮ごと焼くことで、カキの甘みを増大させることもできるのです。

焼きミカン
焼きミカン。全体がまんべんなく焦げたら、食べ頃

▼バナナ

 皮が非常に苦いバナナは、焼いても皮の部分は食べられません。そのため、バナナは焼いたあと皮をむいて食べることになります。熱が加わったバナナはさらに美味しくいただけるでしょう。

▼アケビ

 同様に皮に苦みのあるアケビは、スプーンなどで果皮の白い部分を3分の1程度除き、ミンチと野菜を味噌で和えたものを詰めて、中身がこぼれないようにひもでくくって、ひたひた程度の油で炒め焼きすれば、アケビの皮が美味しい素材に変身します。この場合、皮の強い苦みがほろ苦さに軽減されて食べやすくなり、夏バテの解消に一役買ってくれます。

焼き果物はなんといってもおいしい

 焼き果物にして、最初に感じられるのは、やはり美味しく食べられるようになったということでしょう。加熱することで味がよくなるのです。野菜でも、トマトは焼いて食べると美味しくなりますが、皮の厚いメロンやスイカなどは適しません。やはりいろんな果物を焼いてみて、美味しくいただけるものを探してみてください。

 今まで食べていなかった皮も果肉と一緒に食べると、当然その部分に含まれている物質を得ることができます。

(崇城大学薬学部)

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