月刊 現代農業
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●巻頭特集 マメ科を活かす

クリムソンクローバと赤クローバ
クリムソンクローバと赤クローバは立性。夏野菜と組み合わせ畑の通路や境界に播く

混植で、生育をよくするマメ科

マメ科草生・マメ科マルチで自給菜園豊作!

竹内孝功

ササゲのおかげでミニトマトが豊作

 私がマメ科植物を使い始めたのは、六年前、ミニトマトの苗を植えたところに誤ってつるありササゲを同時に播いてしまってからです。ササゲといっしょに育ったミニトマトは他のミニトマトよりもよく実をつけ、長期間収穫できました。それ以来、自然とマメ科植物と野菜を混植するなど、いろいろなマメ科植物を農地に導入して楽しんでいます。

 マメ科植物は、根に共生する根粒菌がチッソを固定することで農地を肥沃にし、また養分を野菜が使いやすい状態にしてくれるそうです。同じマメ科でも種類によって性質もずいぶんと違うので、その違いや野菜との相性などを見ながら工夫しています。

 以下、私の農地でのマメ科自給作物とその他のマメ科植物の活用法をご紹介します。

筆者 マメ科作物と相性のいい品目
筆者。持続可能な楽しい自給菜園をテーマに約5反の田畑をつくりながら、自給菜園教室を開催 筆者が見たマメ科作物と相性のいい品目

自給用の豆類と野菜・ムギを混植・輪作

白クローバの中に植えたキャベツ
白クローバの中に植えたキャベツ
白クローバの中に植えたキャベツはヨトウムシやアオムシの食害が減る

 自給したいマメ科作物には、味噌・黄粉・煮豆・納豆のためのダイズ、あん用のササゲ・アズキ。さやの若いときにゆで豆として食べるエダマメ・ソラマメ・ラッカセイ・インゲンなどたくさんあります。

 大量に必要なマメ科の穀類、たとえばダイズやアズキ・ササゲは、ムギなどと輪作すると収量も安定し、ともにいい結果が出ています。ちょこちょこ食べたいマメ科野菜は、相性のよいコンパニオンプランツ(共栄植物)として野菜と混作・間作しています。たとえばエンドウ、つるありインゲンと、キュウリの組み合わせです。連作しても大丈夫で、同じ支柱で長期収穫可能です。

 その他の定番組み合わせは、ソラマメとキャベツ、ラッカセイとトマト。エダマメは、トウモロコシやダイコン、ニンジンなどと。最近導入してよかったのは、市販の食用黒千石ダイズと夏ニンジンの組み合わせです。黒千石ダイズは、夏ニンジンと同じ時期に播きます。ダイズにしては背が低くてニンジンと競合せず、むしろ真夏の草を抑えてくれます。

 このように、マメ科植物と野菜の栽培時期や根圏層、水利用など、お互いの生育や相性などを考え競合しないように心がけます。いろいろなマメ科野菜と混植してみると、ダイズ類と根深ネギのように、マメ科の生育が抑制されてしまうような組み合わせも見つかります。

イネ科牧草と混ぜてクローバ草生、草マルチ

 一方、同じマメ科でも食べられませんが、クローバ類を農地に生やすことで、さまざまなよい影響があります。たとえば、農地の境界や通路などに生やすと、景観や地力維持によいうえに、他の草を抑えてくれるので草刈りがすごくラクになります。

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 クローバ草生のポイントは、単独で播くのではなく、イネ科牧草(エンバク・オーチャードなど)と複数混ぜて播くことです。混ぜることで、一年を通してクローバ草生が安定します。

 クローバ草生は、ある程度伸びたら刈ります。刈った草はすぐに熊手で集め、夏野菜の株下の敷き草(草マルチ)として活用します。草マルチは、乾燥を防ぐだけでなく、株下の下草を抑え、ミミズやクモなどのエサや巣となり、やがて自然に堆肥になります。そうすることで、野菜は無肥料栽培でも長期的に収穫できます。

クローバの使い分け

▼赤クローバは夏野菜と組み合わせる

 赤クローバは、立性で背が高く、太い直根を出し種子を播いた場所に固定します。白クローバは背が低く、ほふく地下茎で節から芽や根を広げていく性質があります。その性質の違いから、用途を使い分けています。

 赤クローバは、トマト・ナス・キュウリなど夏野菜と組み合わせ、畑の通路や境界に使用します。梅雨の時期に再生が早いので、草丈を10cm残すことで何度も刈ることができます。刈った草は草マルチに。大量にすれば、真夏の乾燥対策としても効果的です。ナス・キュウリなどの成り疲れや野菜の生育の悪い場合は、状況に応じて草マルチの上からボカシや米ヌカを補います。

▼白クローバは水田のアゼで活躍、畑では苗を植える野菜と

 水田のアゼでは白クローバが大活躍しています。アゼを使って、夏場に大量の水を要求するダイズ(アゼ豆)・サトイモ・ショウガを育てているのですが、白クローバがよく広がって背の高い夏の草を抑えてくれるため、草刈りがとてもラクです。ここでも刈った白クローバは草マルチとしてアゼで育つ野菜に使っています。

 白クローバを畑のウネのなかで使う場合は、根圏がしっかりし過ぎているため、野菜の直播には適さず、キャベツやトマト、キュウリなどの苗で植える野菜が対象です。定植箇所周辺の白クローバを少しはがして植え、苗が大きくなるまでは、必要に応じて白クローバを刈って株下に草マルチしていきます。キャベツの場合、ネキリムシやヨトウムシ、アオムシの食害が減りました。白クローバによってゴミムシ、クモ、アマガエルなどの天敵が増えてバランスがとれるからかもしれません。

マメ科のおかげで土が肥沃、収穫できる野菜の量も種類も増えた

エダマメとニンジンの混植
エダマメとニンジンの混植

 いろいろな形でマメ科植物を導入したことで、生態系が多様化し、土が肥沃になり、肥料に依存することなく多くの野菜が育つようになりました。マメ科自給作物を混作・間作することで、収穫できる量も種類も増え自給率も上がりました。クローバ草生のおかげで、農地を効率よく利用できるうえに管理もラクになりました。また、一般にマメ科野菜は連作障害が出ると言われますが、混植のおかげか、今のところ連作もできています。さらに、これは自家採種の効用もあるかもしれませんが、野菜の風味や貯蔵性が高まったとも感じています。

 マメ科植物の利用はまだまださまざまな可能性を秘めている気がします。これからもいろいろと使い分けを試行錯誤しながら、無肥料自給農園を充実させていきたいと思います。

(長野県安曇野市 自給菜園研究家 http://blog.goo.ne.jp/taotao39

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