月刊 現代農業
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●巻頭特集 イタリアンナスVS日本のナス

巻頭写真

インドを起源に世界に広がったナス。
最近、イタリアの品種が入手しやすくなり、畑をにぎわしている。
日本でも在来種が掘り起こされ、改良種も続々登場。
食べ方、加工の幅もぐーんと広がってきた。

「緻密な肉質イタリアンナス」コーナーより

直売所で1個150円
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェが 飛ぶように売れる

栃木・渡邉智子

筆者(左)と畑の師匠の父。写真のナスはイタリアンナスではなく、日本の品種(倉持正実撮影、以下Kも)
筆者(左)と畑の師匠の父。写真のナスはイタリアンナスではなく、日本の品種(倉持正実撮影、以下Kも)

大きくて愛らしいナス

「直売所で売ってみては?」と、2014年4月の中旬にナスのタネを10粒いただきました。自家採種したタネだそうで、ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ、というイタリアンナス。初めて聞きました。

 さっそくタネを播き、5月下旬に9本の苗を畑に移植し、少し遅めの8月中旬、ボールのように丸くて大きく愛らしいナスが実りました。ヘタは日本のナスと同じ紫色です。形もさることながら、色が明るい紫色で、とても美しいナスでした。

形は丸くて大きく、巾着ナスのような縦シワがある。左に写っているのは、伏見甘長トウガラシ(安藤康夫撮影、以下Aも)
形は丸くて大きく、巾着ナスのような縦シワがある。左に写っているのは、伏見甘長トウガラシ(安藤康夫撮影、以下Aも)

1個150円、あっという間に売れた

 だんだん大きくなって、いつ収穫してよいかよくわからなかったのですが、両手で包みきれないほど大きくなったので収穫してみました。ほぼ同じ大きさのナスが6個。さて、直売所でいくらで販売しようか。あまり安い値段ではつまらないし、高額にして売れないのも困るし……。

 米ナスは以前から仲間が販売していて、1個100円前後です。日本のナスは5〜7個で100円です。迷いましたが1個150円で、5個直売所に出荷しました。

 売れるかどうか心配していましたが、午前中の売上メールで、もう完売したことがわかりました。うれしくなってレジ係に「どんな方が買ってくれたの?」と尋ねてみると、若い奥さんや男の人だったとか。レジ係のみんなも「かわいいナスだね」と気に入ってくれました。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ。
ヘタは紫。明るい紫色がとても美しい 水田転換畑に9本の苗を植えて育てた。2014年は植え付け時期が遅く、サトイモの陰にもなってしまったが、次はバッチリ育てる予定(K)
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ。
ヘタは紫。明るい紫色がとても美しい
水田転換畑に9本の苗を植えて育てた。2014年は植え付け時期が遅く、サトイモの陰にもなってしまったが、次はバッチリ育てる予定(K)

ナス嫌いな人にも受け入れられそう

 その日出荷しなかった1個のナスは素揚げして、わさび醤油と、醤油と酢にゴマ油とを混ぜたタレと、2種類で食べてみました。サクッとして水っぽくなく食感もよい、素揚げのわりに油っこくないしクセもない。いろいろな料理に合いそうです。

 後日、夏野菜のカレーやミートソーススパゲティーの具などにも使いました。じつは娘がナス嫌いなのですが、その日は「おいしい」と食べました。ナスのどこが嫌いなのかを聞いてみると、グチュッと汁がでてくる食感がダメなのだとか。たしかに、このイタリアンナスは中が緻密でどろっとしていない。かといって米ナスのように重くもなく、皮が硬くもない。ナスの嫌いな人にも受け入れられる品種のようです。

「アグリパル塩原」農産物直売所にて、1個150円で販売。まとめ買いをしてくれるファンもいた 採種用の実の胴回りを測ると四十数?。筆者の手が小さく見える!?
「アグリパル塩原」農産物直売所にて、1個150円で販売。まとめ買いをしてくれるファンもいた 採種用の実の胴回りを測ると40数cm。筆者の手が小さく見える!?

2015年は直売所の話題の品に!

 その後、10月中旬まで週2日の間隔で10個前後ずつ出荷しました。一度に全部買ってくださるお客様もいたりして、計183個売れました。愛らしい形、食感、味もよく、私もすっかり気に入りました。自信をもって広げられると感じています。

 最初のころに実った3個を採種用に残し、たくさんタネ採りをしました。「育ててみたい」という直売の仲間もいるので、2015年はタネや苗を分けてあげる予定です。イタリア料理の得意な人に育ててもらえば、もっとレシピの幅も広がりそうです。

 ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェが直売所の棚にたくさん並び、試食会をしたりして、話題の品になったらいいなと思っています。

(栃木県那須塩原市)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2015年2月号
この記事の掲載号
現代農業 2015年2月号

特集:2015年品種選び大特集 イタリアンナスvs日本のナス
水田超フル活用で稼ぐ/ミニがおいしい/イタリア野菜拡大中!/キャベツの品種選び/仕事がはかどる品種/異常気象に負けない品種/話題の果樹品種をつくりこなす/遊休地・山で稼ぐ/盛り上がる大粒米/ジャガイモのビックリ栽培 ほか。[本を詳しく見る]

農家が教える品種選び読本 ナス栽培の基礎と実際

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