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極細黒糸でカラス除けトウモロコシ畑を1周囲うだけ

茨城県つくば市・石田真也さん

1反約5分で作業完了

 茨城県で有機野菜を栽培している石田真也さん(52歳)は、17年前に就農して以来、トウモロコシにカラス被害を受けたことがほとんどない。

「防鳥用の黒糸で畑を一周囲うだけなんですけどね。親父の代から続けている方法です」

雄穂を切ったトウモロコシの茎に巻きつけた黒糸。太さは0.24oで見えづらい

黒糸を触る石田さん。トウモロコシは有機栽培で、生でも食べられる人気商品

 5月中旬、石田さんは約7反あるトウモロコシ畑すべてに黒糸を張るのだが、作業は簡単。図のように、畑の外周のトウモロコシの茎を支柱代わりに黒糸を巻きつけていく。1本の茎に2〜3周させ、糸がたるまないよう3mおきに次の茎へ巻きつけていき、畑を一回り囲めば完成だ。1人でやっても1反の畑で5分もかからない。

 黒糸を張る高さはトウモロコシの実に近い80pほど。でも収穫作業などで畑に入る際、気づかずに糸を切ってしまうことがある。そこで人がよく出入りする部分だけは、120pほどの高さにした。糸が目につきやすく、くぐりやすい高さというわけだ。すこし高さを変えてもカラスの被害はなかった。

使っている黒糸(ミヤライン糸)。ホームセンターで1巻き2000m、600円ほどで購入

カラスは横からやってくる

 石田さんの観察によると、カラスは上から直接トウモロコシ畑に入ることはなく、まず畑の近くに降りてくる。着地したら歩いて接近し、側面から侵入しようとするらしいのだ。石田さんが上に黒糸を張らず、外周だけに張る理由がこれ。実際一度だけ黒糸を張り忘れてしまったときは、畑の内側ではなく一番端のトウモロコシが食害された。急いで畑をぐるっと囲ったところ、次の日から被害は止まったという。

「スイカでも効果ありますよ。被害ゼロです」と石田さん。スイカ畑の周りに支柱を立て、そこに30pの高さで黒糸を張っても、やはりカラスはやってこないそうだ。

取材時の動画が、ルーラル電子図書館でご覧になれます。「編集部取材ビデオ」から。

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現代農業 2019年8月号
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