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巻頭特集

ぬかるみにはまった

ブロックタイヤなら、雨の後でも突っ込める

茨城・塚原雄二

著者(39歳)。10haの畑で年間200品種の野菜を栽培している

「農チューバー」始めました

 新規就農して20年、茨城県古河市で露地野菜をメインに作付けしています。春夏はトウモロコシやナス、カボチャ、秋冬はキャベツやハクサイ、ネギ、ホウレンソウなどを栽培し、直売所と飲食店を主に、市場やカット野菜工場などにも出荷しています。

 写真や農作業のブログが趣味で続けていたところ、農家仲間に誘われて、去年、YouTubeに動画配信を始めました。農チューバ―(農家ユーチューバー)です。今まで経験した農作業のノウハウと日々の農作業風景を夫婦で配信しています。視聴者からコメントをもらって交流する機会も増え、楽しくやらせていただいております。家庭菜園の方から専業農家さんまで老若男女問わず楽しめる動画作りを目指しています。

普通のタイヤの約半額

「ブロックタイヤ」を使い始めたのはもう15年ほど前になります。以前はキャベツを積んだ軽トラが、畑によくハマっていました。雨の後だけでなく、冬場は霜柱が溶けて、毎朝のように畑がぬかるみます。そのたびに乾くの待っていたのでは仕事になりません。以前は重機のタイヤローラーで地面を固めてから軽トラを入れていました。

 こりゃ何とかしなきゃと思い、インターネットで検索して出合ったのがブロックタイヤ(オフロードタイヤ、ノビータイヤともいう)です。

 ブロックタイヤは接地面(トレッド面)のブロック(いぼ状のゴム)が普通のタイヤよりも大きく、地面をしっかり掴んでくれます。おかげで、雨が降った翌日の畑にも突っ込めるようになりました。4WDの軽トラにこのブロックタイヤを履けば、雪道でもへっちゃらです。

ブロックタイヤの表面。大きなゴツゴツが地面をしっかり掴んでくれる

 値段が安いのも大きな魅力です。1本約4000円と、普通のタイヤの半額ほど。構造が単純で、日本製じゃないので安く製造できるのだと思います。走行距離が長く酷使するため、だいたい1年でへたってしまいますが、価格が安いので惜しみなく毎年買い換えられます。農家にとって、タイヤは消耗品ですよね。

 デメリットはとくにありません。舗装路を走ると走行音がうるさいという人もいますが、農道や田舎の舗装路はもともとデコボコなので、たいした違いは感じません。高速道路を走ることもありますが、それでも時速80km以上出さないかぎり、気にはなりません。

おすすめはダンロップ製

 ブロックタイヤは各メーカーから数種類出ています。5年かけてブリヂストンとダンロップのブロックタイヤを比較してみて、現状ではダンロップ製を気に入っています。

 ブリヂストンのブロックタイヤのほうが走行中のタイヤ音が静かですが、ダンロップのほうがタイヤの凹凸が微妙に大きく、その分、タイヤ交換が2カ月先延ばしできるからです。

 

 全農家にお勧めしたいブロックタイヤですが、私が使い始めた頃は、周りではまったく見かけませんでた。しかし私が雨の翌日に畑に入るのを見て、「何を履いてるんだ?」と声をかけてくる農家も多く、使う人が徐々に増えました。今では、地域のほとんどの農家が使っています。

 もちろん、YouTubeにも動画をアップ。けっこう多くの農家から反応がありました。

(茨城県古河市・塚原農園)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2020年3月号
この記事の掲載号
現代農業 2020年3月号

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農家が教える 軽トラ&バックホー 農家が教える 軽トラ&バックホー』農文協 編

軽トラでは、荷台にフローリングを敷いて滑り易くすれば、荷物の積み下ろしがぐっとラクになる。また、荷物(袋)を荷台の内側に向かって傾くように積むことで、崩れを防止できる。このほか、荷台に取り付けるクレーンなどのアイデア器具、軽トラ乗り必修のぬかるみ脱出法やロープの結び方などを紹介。バックホーは小型タイプを中心に紹介。その基本の操作法から圃場整備の手順のほか、用途によって使い分けるアタッチメントなど。どちらも農家の手となり足となる頼もしい存在。その使いこなし方や役立つ情報が満載。 [本を詳しく見る]

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