月刊 現代農業
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巻頭特集

散布のタイミングの話

Q 除草剤をまくのは雨の前? 後?

A 茎葉処理剤の場合、雨の直前は控えてください。効果が落ちてしまいます。

日本植物調節剤研究協会・山木義賢

 茎葉処理剤(43ページ)は、散布後すぐに雨が降ると、薬液が雑草の茎葉から吸収されずに流されてしまい、効果が劣る場合があります。晴れの日に散布したほうが確実です。

 パンフレットやホームページなどに、降雨の影響が書かれている除草剤もあります。たとえば、同じグリホサート系でも、ラウンドアップマックスロードやタッチダウンiQは「散布から1時間経てば、その後に雨が降っても大丈夫」、ジェネリックのサンフーロンや草枯らしMICは「散布後6時間は雨の降らない日を選んでください」などと記載されています。

 従来、降雨で効果が落ちるのは散布後6時間程度といわれていましたが、各メーカーが副成分の展着剤などに工夫を凝らし、付着量や吸収量を改善しました。その結果、降雨による影響が短い時間ですむ除草剤も出回るようになったのです。

 

A 土壌処理剤は雨の後、ほどほどに湿っている状態で。

北海道清里町・安田貴史

 北海道の畑作専業農家です。ジャガイモの初期除草では、ロロックスやセンコル(ともに)などの土壌処理剤(43ページ)を使っています。

 これらの除草剤を散布すると、土壌の表層に「処理層」ができます。雑草のタネは主に表層から出芽し、薬剤を吸って枯れます。でも、土壌が乾燥していると、薬剤がきれいに広がらず、ムラができてしまうんです。そうなると効果が落ちてマズイ。反対に土壌の水分が多すぎると、薬剤によっては地下深くまで浸透し、作物の根から吸われて薬害が出ることもあります。そもそも、畑がぬかるんでいると、作業性が悪く、防除しづらいでしょ。

 そこで、私は雨が降ってしばらくして、トラクタ(ブームスプレーヤ)が入れるようになってから、除草剤をまくようにしています。「ほどほどの水分」がいいですね。

 もし、どうしても乾燥しているときに散布しないといけなくなったら、「薄めにたっぷり」でいきます。薬量を増やすより、水量を増やしたほうが効果は安定すると思います。(談)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2020年6月号
この記事の掲載号
現代農業 2020年6月号

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