現代農業1999年8月増刊
『ボランタリコミュニティー』 参加から創造へ

目次

ボランタリコミュニティ
「こころざし」の「つながり」が引き出す地域の力

●20年の歳月をかけ住民が「里山」を育てたマンモス団地
“緑の空間”がはぐくむ定住への希望、ボランタリーコミュニティ
東京板橋区サンシティ グリーンボランティアーズ・地域福祉を考える会
紀平重成 14

●「一戸一アール運動」で始めた畑が19年で100ヘクタール
“ヒマワリ効果”で食も健康も暮らしの楽しさも自給率アップ!
ひと夏20万人が訪れる北海道北竜町「ひまわりの里」 22

●20年持続する住民・行政連携のゴミ減量運動の上に
花咲け菜の花エコプロジェクト
景観・産業づくり、リサイクルを一体ですすめる滋賀県愛東町 30

●山村の若者が共同出資 年間三五〇〇人が訪れる
農林業を体験、農村文化が体感できるファームハウス
その名も「コムニタ」・福井県池田町 36

●本当の休暇は、訪れた地の仕事に触れること
いま、「働く休暇」が新しい
宮崎県西米良村・ワーキングホリデー制度 44

●ダイバー・漁師 不毛の対立を「共同経営の村」が調停
地先の海は平和と宝の海に
新潟県 南佐渡海洋公園管理組合・小木町ダイビングセンター 48

●ワシらは陽気な消防団!
人情芝居に地酒の醸造、オモロイことは何でもやるで!!
兵庫県加美町箸荷地区消防団 56

●村おこしの夢をかなえたかあさんたちの次なる目標
安心してぼけることのできる心豊かなふるさとづくり
村づくりNPOを申請 
静岡県天竜市 水車の里・くんまかあさんの店
代表 太田隆子 62

●ひとつの想い・ひとつの場所から、さまざまな想い・さまざまな場所へ
庭と縁側のある家から広がる新しい食・農・子育て・音楽……
大阪府吹田市「いのちと食」情報センター・MOMOの家  68

●「食と農の文化を受け継ぐ」「川を守ろう」の思いと行動が結んだ
本当の豊かさ享受し合えるネットワーク
宮崎県都城市「ビオトープ遊」
事務局 蒲生芳子 76

●地域社会とコミュニティ
農村は「参加」と「ボランタリー」の先進空間
その相互扶助、自治と共同に学ぶべき時代
ふるさと情報館 代表 佐藤彰啓 82

●「見えざる農家」自給農家の潜在生産力を掘り起こす
農商連携 庭先大豆と豆腐からの地域づくり
宮城県唐桑、丸森、宮崎町商工会の大豆プロジェクト
結城登美雄 88

●ここに住み続けたいから自らよくするしかない
農村はもともと住民主導行政援助のコミュニティ
皆が看合う高齢化社会で大往生の村づくり
百姓 小沢禎一郎 94

●さまざまな愛着が集まり大きな力
一人ひとりが<物語>を紡ぐまちづくり
ハウジングアンドコミュニティ財団/すまいづくり・まちづくりNPOネットワーク 吉野裕之 100

森林・里山・棚田活かすボランタリーコミュニティ
「経済」では見えない豊かさ、人と自然のつながり見えてきた

●荒れた山をきっかけに出会いと創造の場が生まれる
森づくりはぼくらのワーキングホリデー
“週末のコミュニティ”に通う老若男女たち
絵と文 大内正伸 112

●二〇名の森林公園ボランティア募集に二九〇名が応募
「はずれ」の七〇名が自発的に結成した「みどりの会山城」 120

●人を呼び寄せ、結びつける森で
オトナの林間学校“愉快な山仕事”講座
ヨソモノが起こす、ささやかだけど、大きなたくらみ
代表 浜田久美子 124

●「よそもん」市民と農家が一緒になって
パートナーシップで守ろう武蔵野の雑木林
体験落ち葉掃きの心地よい疲れ
中西博之 131

●借金まで背負って大宿泊施設を建てたから
これからはいくらでも棚田や山林の仕事ができる、手伝える
里山・田園保全ワーキングホリデーの拠点にも 
福岡県黒木町「四季菜館」「山村塾」 136

●定年帰農の大学教授が開発、ボランタリー企業が応援
棚田をまもる布マルチ
直播で小力・雑草抑えて完全無農薬栽培が可能に
ミニ百姓・鳥取大学名誉教授 津野幸人 144

21世紀の医療・福祉・教育を拓く
ボランタリーコミュニティ
 
参加とパートナーシップが引き出す「相互扶助」の力

●八四歳医介輔が活躍、愛着的価値優先のコミュニティ
寝たきりが一人もいない“生涯現役の島”
沖縄県竹富島の「縁側コミュニケーション」「うつぐみの心」 152

●病気は家庭でなおすもの、自分たちの健康は自分で守る
「医療はコミュニティ」を掲げるライフケアシステム 
農村医療の体験を都市の「24時間ケア」「在宅看護」に活かす
編集部 160

●高齢者ふれあい農園から広がる在宅福祉支援、産直、直売所
福祉と「産業ではない農業」の結びつきが町を変える
島根県石見町 おふくろネットワーク・香楽市・いきいきいわみ  166

●「お年寄りの喜ぶ顔が嬉しい」から続く、ひろがる
郵便局の「愛の一声運動」
発祥の地・島根県仁多郵便局の「一声運動」「さわやか通信『仁多のこだま』」 174

●標高800〜1300mを「お元気ですか」と声かけ歩く配達さん
野麦峠の村の「ポストマンコール」
岐阜県高根村・高根郵便局 180

●地域の高齢者・ヘルパー組織の橋渡し
「セールスはしない」が合言葉、渉外職員の声かけ運動
愛知県豊川市ひまわり農協 188

●働き盛りの看護婦三人が退職金を出し合い建てた
「誰でも・いつでも・必要なだけ」利用できるデイケアハウス
富山市「このゆびとーまれ」 192

●20年つとめた市議を引退してまで設立したかった
「困ったときはお互いさま」の会員制在宅福祉サービス
富山市・森沢恵美子さん「さわやか富山」 200

●「煙になるまで助け合い」
定年仲間が共同出資 仕事おこしの企業組合
福岡県「嘉飯山福祉労働企業組合」の七三人 208

●徹底的に高齢者の杖・下駄になろう
「赤字覚悟」で始めた福祉バスが三年で黒字!
潜在需要を掘り起こした東京都武蔵野市「ムーバス」 214

●五五歳・再出発の挫折にめげず
福祉・生きがい・起業コミュニティめざす「ヤングオールド」
富山県高齢協(準備会)・中田内蔵司さん 220

●ベッドタウンの学校・余裕教室を<基地>に
自助から共助、最後に公助のまちづくり
金がないから知恵が出る!知恵が出るから面白い! 千葉県習志野市「秋津コミュニティ」
代表 岸 裕司 224

●江戸時代の人たちは自分たちだけのために井手を掘ったんじゃないよね
山に木を植え、むかしの人のねがいをつなぐ子どもたち
熊本県御船町立上野小学校の紙芝居「上野の井手」と創作劇 234

●ハンディの有無にこだわらず、自給をベースの共同生活
「流汗同労」と自然体でつくる共生のコミュニティ
滋賀県愛東町「大萩茗荷村」 242

●自立と共生の少子高齢化社会
農村はいま、感動の劇場空間
「農山村にあって都会にないもの」が未来を指し示す
九州大学大学院人間環境学研究科教授  小川全夫 250