「21世紀の日本と農業・農村を考えるための行動」 機関誌
第22号:特集のねらい
「農村が都市をリードする時代、交流の主役は女性たち…地域にあるものを活かし、新しい暮らしをつくる農村女性が都市消費者の意識を変える…」
本誌巻頭、つる理恵子先生による提言1のタイトルは、21世紀の新しい時代の牽引役はパワー溢れる女性たちであり、とりわけ農村女性が主役であることを、端的に表現しています。
いま農村の「女性起業」は着実に増えています。地域の味をおすそ分けする農産物直売所、加工所、農村レストラン、農家民宿などなど。
「食と農をつなぎ地域をつくっていく試み(のひとつである女性起業)とは、食と農に関わる人どうしの相互作用を通して社会関係を新たに構築することであり、社会を根底から作り替えることでもある。今,各地で展開されているそうした取組みは、食と農の当事者たち(とりわけ農村女性)による運動であることに大きな意義がある(同提言1より)」
お金にならないと削ぎ落とされてきた、農家の「自給的部分」が「安全・安心」と「個性的な暮らし」を求める都市生活者に見直され、農家の自給を支えてきた女性たちの知恵と技が、「自給の社会化」=「事業化」の土台になっています。
しかし、自給を超えた「事業」の創設と維持には、解決すべき課題が山積しており、行政や指導機関の支援が求められています。
今回の特集は、本誌第九号「農業の六次産業化は女性の出番」につづく「女性起業支援号」として、「提言」「支援情報」「事例集」の三部に分けて構成しました。
「農業改良資金」も、女性起業に借りやすくなっていますし、インターネット・ホームページの活用も新しい時代の消費者とのネットワークには不可欠のものになっています。本特集では、そうした実用情報も盛り込みました。
「いかに生き方を売るか、そのプロデュースができるかがこれからの鍵。命の恵みをいただく(農業の)素晴らしさを伝えていく、カッコいい農家がますます増えていくことを期待(提言3、奥谷京子さん)」して、本誌をお届けします。
〈主な内容〉
○農村が都市をリードする時代 交流の主役は女性たち
――地域にあるものを活かし、新しい暮らしをつくる農村女性が都市消費者の意識を変える
・・・吉備国際大学社会学部 講師 つる 理恵子/4
○農村女性が起業するとき、「イエ」「ムラ」のしがらみをどう克服するか
――公的機関(役場・普及機関)や組織(農協など)はどう応援するか
・・・農村生活総合研究センター 主任研究員 安倍澄子/12
○お金をかけないでも起業はできる
――あるものはすべて利用、生活の知恵を活かす
・・・WWB/ジャパン事務局長 奥谷京子/20
○女性起業とインターネット活用
――よく売れるホームページの作り方・使い方
・・・(有)ファーマーズバスケット 冨田きよむ/26
◆女性農業経営者のための新しい農業改良資金
――「起業」を志す人に使いやすくなった
・・・農林水産省経営局普及課 農業改良資金班/40
◆頑張っている農村女性起業を支援します
――農村女性による起業活動の実態と支援策の概要
・・・農林水産省経営局女性・就農課 女性・高齢者対策推進室/43
◆農村女性が「起業」を志すときの力強い味方『食品加工総覧』
――各地域農業改良普及センター等の活用例
・・・編集部/46
○地域の人たちの後押しで十勝平野の真ん中に加工所が実現
――インターネット販売に取り組む、畑作農家による農産物加工所「すずきっちん」/48
○地域のソバや特産「桑の木豆」、山野草を使った こだわり郷土料理を提供
――朝市を出発点に直売所・レストランまで活動の幅を広げた 岐阜県美山町(当時)の「ふれあいバザール」/56
○山里の四季折々の「ほんまもんの味」を楽しんでもらいたい
――食材はもちろん、食器等も地元産にこだわる 和歌山県清水町・「香料理庵 紅葉」の取組み/64
○自然のうるおい豊かな山里で「ふるさと体験」の輪を広げる
――自ら楽しみながら、都市民との交流を深める 福岡県前原市の「ふるさと体験館のぞみ」/72
○田舎料理と自給自足の暮らしを再現
――過疎を逆手に都会の人を農村に呼ぶ農家民宿 兵庫県但東町の農村体験館「八平」/78
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〒107-8668 東京都港区赤坂7−6−1
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Email kurita@mail.ruralnet.or.jp
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