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■解 説 如何なる事柄でも、それに人為が加わっておればそこには人の心が含まれている。
要するに人によって作られたものはすべて人々の意思の表現なのである。そしてそれが如何に些細に見えても奥深く重大な心のこめられているものが多い。我々はだからどのような些細な人為に対しても無関心であってはならない。そしてその奥に含まれている人の心をよみとらねばならぬ。
何気なく見すごされる風物の車にも人の真摯に生きていく姿が見出され、かつその伝統は古いのである。
宮本常一
(『宮本常一・旅の手帳(村里の風物)』八坂書房より)
高度経済成長に沸く昭和40〜50年代の日本、急速に姿を変えてゆく農山漁村の風景や暮らしの中に秘められた豊かさや知恵を探し求めて、ひたすらに歩きつづけていた若者たちがいた。民俗学者宮本常一と彼が率いた近畿日本ツーリスト株式会社・日本観光文化研究所に参じた若者たちである。この双書は同研究所が発行した幻の月刊誌 『あるくみるきく』を地域別、テーマ別に編んだ昭和日本の風土記集である。
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