一百野 昌世 福岡県在住 1961年生まれ 福岡県出身 オーガニック・ランド株式会社 代表取締役 "「安全で信頼できる食品の確保と流通促進」をテーマに活動しています。有機JASなどのオーガニック認証、特別栽培農産物認証、トレーサビリティー認証、適性農業規範や適性農業工程管理認証、HACCPを利用した食品安全認証などの検査や審査業務を行うかたわら、こだわった差別化農産物の生産指導や販売促進に関する支援活動を行っています。"
石本 勉 福岡県在住 1949年生まれ 鹿児島県出身 元福岡県八女市立矢部小学校小学校 校長 以前、校長として赴任した学校で、子ども・先生・校区民が一体となって、みそこし学習を行なう「みそこし応援団」を組織し、現在も続いています。「みそこし」の「み」は「見つける」の「み」、「そ」は「育てる」、「こ」は「こしらえる」(料理する)、「し」は「食する」を意味します。小学1年生から6年生が食のテーマを定めてみそこし学習を行ない、その指導・手助けをみそこし応援団が請け負っています。教育効果はもとより、地域の人々全体のやりがい、生きがいにつながる実践となりました。22年3月退職後、限界集落化した郷土鹿児島県伊佐市大口田代に移り住み新しい暮らしづくりを目指して有志と「田代みそこしクラブ」を立ち上げ、活動を展開しています。
稲益 義宏 福岡県在住 1966年生まれ 熊本県出身 小学校 教諭 小学校で「子どもが作る弁当の日」「教育ファーム」「生ゴミリサイクル」「おかわり券で残食減らし」「食べ物クラブ」などの食農教育を推進。教科や総合学習などを通した日常的な活動を展開中。基本姿勢は、「自分ができることしか子どもたちには伝えない」。実際のくらしの中で可能なことは何かを子どもたちと一緒に考え、実践しています。
内田 美智子 福岡県在住 1957年生まれ 大分県出身 助産師 20年間に渡って思春期の子どもたちとかかわるなかで、最終的に「食」に行き着きました。ある調査によると、家庭での会話が少ない子どもは、性体験の年齢が低い傾向にあるそうです。早すぎる性体験を少しでも遅らせる決め手は、それを踏みとどまらせる「敷居」。それは、自分は必要な人間で、いつも誰かが気にかけてくれているという自覚から生まれます。そして、それを培うのが親子のコミュニケーションであり、家庭の食卓なのです。
宇根 豊 福岡県在住 1950年生まれ 長崎県出身 農と自然の研究所 代表理事 一杯のごはんには、何匹の赤トンボが付随しているのでしょうか。私たちは、米は生産物、メダカやホタルは生産物ではないと平気で分けますが、それはまともな価値観ではないでしょう。なぜなら、ごはんと自然環境は濃密につながっているからです。両者を結んでいる百姓仕事がみえなくなったからです。いくら、安全で、おいしく、安いたべものが安定して輸入されても、赤トンボに代表される自然は輸入できません。まともな農が、そこに、いつも、存在しなければならない根拠がここにあるのです。
尾崎 正利 福岡県在住 1970年生まれ 福岡県出身 (有)職彩工房たくみ 代表取締役 素材の良いところを様々な角度から再評価し、地域で昔から息づいてきた食文化や味わい方なども踏まえながら、食べやすく手に取りやすい新しい製品に形作る作業を地元の皆さんと一緒に進めたいと考えています。 また、地元の現場の人材や設備機材で対応できる加工や飲食サービスの作業にまでかみ砕いていく経営管理も大事です。現員スタッフが少しずつ実績を挙げるプロセスを大事に、そうした流れを見届けるまで、私は現場との関わりを継続的に持ち続けるようにしています。
甲斐 諭 福岡県在住 1944年生まれ 宮崎県出身 中村学園大学・短期大学部 学長 最近の関心は、(1)東アジアからの野菜輸入急増とセーフガードの経済分析 (2)BSEの影響と食品安全性の課題 (3)地産地消の現代的意義と課題 (4)食品産業由来有機性資源のリサイクル (5)ITを活用した農産物流通の課題 などである。中国、韓国、ベトナムなどのアジアや、欧州、米国、豪州などを訪問し、調査研究活動を行なっている。それらをとおして、わが国の食料・農業・農村の展開方向を考えている。
佐藤 弘 福岡県在住 1961年生まれ 福岡県出身 西日本新聞社 編集企画委員会 なにを食べるかは個人の自由ですが、その行為は社会のありようと密接につながっています。なぜ人は地元でとれたものを食べるべきか、なぜ農ではなく食からのアプローチなのかなど、暮らしの視点からお話しします。
柴田 多恵子 福岡県在住 1950年生まれ 福岡県出身 野菜人形劇グループ『ベジタブル』 代表 私たちは、土のにおいのする人形劇をすることで、「たべものさんありがとう」「命」「いただきます」を伝えていくとともに、野菜嫌いをなくし、旬、新鮮、安心、においを知らせたいと思っています。公演のあとは、野菜人形をおいてかえります。食べられるように人形をつくっていますので、実際、どんな味か試しに食べられることもあります。
新開 玉子 福岡県在住 福岡県出身 (有)ぶどう畑代表 取締役 なにも知らない、種もまかない、汗もかかない人たちの手によって農業や食べもののことが語られ、ゆがんで伝えられている。いま、農家側から正しい「食」の発信をしないとたいへんなことになる。そんな思いで都会と生産者が交流するスローフードセミナーを開催してきた。さらに、“都市と農村をつなぐ直売所づくり”。これは長い農業人生のなかでようやくみつけた「夢」である。生産者と消費者との強い絆の構築が、日本の農業を守る原点だと思う。
藤 清光 福岡県在住 1950年生まれ 福岡県出身 ふるさと料理人 私の先生はおばあちゃんたちです。それぞれの地方、それぞれの家庭に受け継がれてきた、ふるさとの料理がありましたが、今はその伝承がほとんどなされていません。忘れ去るにはあまりに惜しい日本人の食卓を知るために、各地を歩き、おばあちゃんたちに料理とその背景にある暮らしぶりなどを聞き取りしています。料理はつくってこそのもの。少しでも多くの人につくってほしいと願い、身近な食材でつくるシンプルな料理を紹介しています。おばあちゃんたちから学んだことは、「食べることは生きることだった」ということ。そのこと、食の原点を若い人たちにも伝えていきたいと思っています。
徳野 貞雄 福岡県在住 1949年生まれ 大阪府出身 熊本大学文学部地域科学科 教授 「農業は人間がし、農産物は人間が食べる。農村は農地ではなく、人間が住み暮らす地域社会である」。人々の地域活動がおもしろい。農業・農村問題を〔モノ〕と〔カネ〕だけでとらえず、〔ヒト〕からとらえなければならない。農業を経済学や農政でとらえるのではなく、人々の暮らしや活動からとらえなおし、〔農都不二〕的世界をめざしている。
中山 美鈴 福岡県在住 1958年生まれ 福岡県出身 食文化研究家 手づくりがあたりまえだった時代から、手づくり商品を買うようになった今日こそ、ふるさとの、家庭の食の伝承が必要だと思っています。ふるさと料理人の藤清光氏とともに各地を歩き、おばあちゃんたちから、ふるさと料理の聞きとりをしながら、その背景にある食文化、生活文化について学んでいます。ふるさと料理こそ、日本のスローフード、足元にある宝なのです。そのことを地方から発信し、伝えていきたいと思っています。
西 福江 福岡県在住 1929年生まれ 福岡県出身 高取保育園 園長 高取保育園では、無農薬・低農薬の有機栽培の玄米と旬の野菜を素材に、無添加・自然醸造の調味料で、和食中心の給食をつくっています。また母乳による育児をサポートするために、昼間、母親が授乳に来られる場を園内に提供し、冷凍母乳の持参も受け入れています。子どもたちは、自分で食事やおやつをつくったり、親子で農作業をしています。それはあくまでも、子どもたちの生活体験の場を広げていくなかでの食体験・農作業体験なのです。毎朝の廊下の雑巾がけ、食後の食器洗い(5歳児が交代で糠袋を使い、約300枚の食器を洗っています)も、そういう生活体験の一環として行なっています。
早渕 仁美 福岡県在住 1952年生まれ 福岡県出身 福岡女子大学 教授 食教育や栄養改善に必要な基礎的研究とともに、住民を対象にした食教育や栄養改善に必要な基礎的研究とともに、住民を対象にした食育ボランティア学生ネットワーク(しょくぼ)を発足、食育カルタ等を使った学生の食育活動を支援しています。また、2007年には福岡女子大学食育支援プロジェクトを立ちあげ、地域の食育支援活動にかかわっています。
平岡 豊 福岡県在住 1936年生まれ 大分県出身 マーケティングプロデューサー 食と農は「3安×1安(〈安全生産 安定需給 安寧価格〉×生・消安心)」であるべきだと考えています。そのために、3つの「シジョウ」原理を検討すべきです。自分だけがよければいいといった「私情」原理や、バイイングパワーに動かされる「市場」原理のうえに、日本の農業や食文化、国民の食料を守るための「至上」原理を確立すべきで、そのための農政であり、農業マーケティングだと思います。
藤崎 弥生 福岡県在住 1952年生まれ 福岡県出身 佐賀県三神農業改良普及センター 農村地域には人を中心とした多くのすばらしい資源がありながら、まだまだ有効に活用されていません。これからの社会は <農>−健康−<食>をつなぐ活動展開が重要です。異業種間のネットワークづくりを通じ、地域力(田舎力)アップによる元気な地域づくりをめざしたい。
古野 隆雄 福岡県在住 1950年生まれ 福岡県出身 百姓 私はアイガモに農業のおもしろさを教えられました。それまで悪者だった雑草や害虫がアイガモを水田に放した瞬間から、アイガモの大切なエサになり、血になり、肉になり、最後は稲の養分になりました。雑草や害虫は固定的なものではなく、技術の関係性で変わってくるものなのです。もっとも重要なことは、発想の転換で自分の仕事を限りなくおもしろくすることでしょう。それが容易に取り組めるのが農業のすばらしい点です。
森 千鶴子 福岡県在住 1968年生まれ 福岡県出身 フリーライター 九州各地のみなさんと、食の地元学、食の文化祭の取組みを行なっています。これからも日本の村々の生活文化、食の伝承を行なうべく、各地の人々の声に耳を傾けながら、それを記録し、人と人、村と村、まちと村をつなぐお手伝いをしていきたいと思っています。
八尋 幸隆 福岡県在住 1952年生まれ 福岡県出身 農業体験交流施設「むすび庵」 庵主 食の問題は即、農の問題であり、環境の問題であることを、頭だけでなく体で実感できるような仕組みを各地でつくっていくこと。それが「消費者重視の農業政策に転換すること」以上にいま、求められているのではないでしょうか。私は「むすび庵で農と旬を語ろう会」を主宰して、農業を頭と体で考える取組みを続けてきました。この経験を活かせればと思います。
菅 裕精 佐賀県在住 1956年生まれ 佐賀県出身 佐賀県茶業試験場 副場長 「食育」ではなく、食を生産する農業も重要で「食農教育」であるべきと考えます。消費者に農業体験を通して農業を知ってもらい、食料がどのように生産されその安全性が確保されているのか、農業が自分たちの生命にいかに重要であるかを理解し、自国の農業に注目してもらい、消費者が農業を支援してもらうことが大切と考えています。
仲井 宏充 佐賀県在住 1958年生まれ 香川県出身 伊万里保健福祉事務所 所長 「ふるさと」は、人々が力を取り戻せる場所です。そして、今こそその再生に取り組むべきだと考えます。食育は、ふるさとづくりに理論や方法、力を与える活動だと信じています。食育の神髄は、食を切り口として、知識、技術、先人の知恵を伝え、生きる力を身につけさせることです。さらに、文化のあり方を問い、人々の価値観に訴えかける社会的運動でもあります。理念より実践、押しつけではなく自発、スローガンではなく行動が重要です。
山下 惣一 佐賀県在住 1936年生まれ 佐賀県出身 農業・作家 私は応援される側の人間ですが、応援団と一緒になって食と農の現状をもう少しましな方向に転換できればいいと考えています。このままでは、日本人は農なき国の食なき民になりますよ。私は別に困りませんが。
岩崎 政利 長崎県在住 1950年生まれ 長崎県出身 種の自然農園 わたしの農法の基本は、雑木林から学んだものです。有効微生物も、雑木林のなかでは、ごく自然に形成されます。これからの農法は、「自家採種」「共生利用」「不耕起栽培」「土づくり」「有効微生物」「水」「自然エネルギー」などの連動によって発展していくのではと感じています。
木 龍男 長崎県在住 1963年生まれ 長崎県出身 有限会社 草加家 代表取締役 「食べること」は楽しいです。なぜでしょう。誰かが作った食べ物は誰かが材料を使います。両方の誰かは、実はこれまた誰かを喜ばせるためにつくっているということでしょう。食べるあなたはそれを信じていれば良い。それには、大好きな台所と工場と畑があればいいです。大昔はどこにもありました。今は、積極的に守らなければなりません。
中尾 慶子 長崎県在住 1968年生まれ 愛媛県出身 聖和女子学院 理科教諭 生ごみを土に混ぜ、土ごと発酵させる。微生物の力で、抗酸化物質たっぷりで高栄養価、生命力あふれる野菜が育ちます。私たちの命は、この小さな世界によって支えられているのです。どんなに勉強をして一流大学に行っても、部活でどんなに精神力を鍛えても、体と心を作る基本=「食育」が土台になければ幸せな人生につながりません。できれば中学校までに、土と食と命の関係を感性で体得する機会を子どもたちに与えてほしいと願います。
中村 修 長崎県在住 1957年生まれ 佐賀県出身 長崎大学環境科学部 准教授 学校給食は、「食を給う」という思想で、貧困の時代につくられた、栄養失調対策の仕組みです。その仕組みを変えるために、動いています。栄養失調対策ではなく、過剰な摂取による生活習慣病対策として。地産地消で地域の農業を学ぶ教育食としてのありかたを提案しようと準備しています。東京都足立区では「おいしい給食」をめざした動きがスタートしました。
福田 泰三 長崎県在住 1967年生まれ 長崎県出身 南島原市立口之津小学校 教諭 「弁当の日」「味噌汁の日」「生ごみを使っての元気野菜作り」の活動を通して、子どもは変わります。台所に子どもが立つことで「教育」が「共育」となり「饗育」へと広がり子どもが大きく育っていきます。それは、子どもの単なる知識だけの「知る」ということから,実生活の経験を通して知恵となる「識る」となり,くらしの中でさらに育ち周りの人たちに響いていくのです。くらしの中から子どもの育みを大切にした食育活動をこれから広げていきたいと思います。
武藤 慶子 長崎県在住 1952年生まれ 福岡県出身 県立長崎大学シーボルト校 教授 食事は健康づくりに重要であるだけでなく、おいしく楽しく食べることは「生きる力」を培い、生活の質を向上させます。同じ食品でも、食べるタイミングや雰囲気によって、おいしさや消化吸収が変わります。家族と食卓を囲み楽しい雰囲気でする食事は、心を和やかにし、ふれあいを深めます。家庭の食事は地域との関連性が高いため、食育は地域すべてで取り組むことが大切です。あらゆる人たちがかかわって豊かな人間性を育む、それが食育だと考えます。
森 俊介 長崎県在住 1947年生まれ 長崎県出身 国立病院機構長崎病院 院長 介護保険制度は、医療と介護を分けるという意味では当然の帰結である。しかし、離島や過疎化しつつある地域においては、簡単に利用できる制度ではなくなっている。日本の風土文化にあったものにするための工夫が、望まれるはずである。現在は国立病院の新しいあり方を模索している。(1)終末期医療、(2)重症心身障害児の医療保健、(3)小児救急、(4)精神障害者の社会復帰、(5)予防医学外来(生活習慣病予防外来)の立ちあげなどを考えている。
山口 成美 長崎県在住 1960年生まれ 長崎県出身 (有)シュシュ 代表取締役 (1)食育体験……言葉だけでなく、自ら体験することによって、食べものへの感謝の気持ちを自然に学んでほしい。(2)地産地消、農業の6次産業化……自ら農業者であり、農産物直売などの事業をとおして地産地消にこだわる活動を行なっている。(3)産直・食品加工……後継者の育成と活力ある村づくりをめざし、さまざまな加工品やユニークなネーミングなどでヒット商品を。(4)定年帰農……団塊の世代を対象とした農業教育ファームを実践。
吉田 俊道 長崎県在住 1959年生まれ 長崎県出身 NPO法人 大地といのちの会 代表 食育の根幹は、食の重大性を、食の選択が人生を変えるほどの意味をもつことを、体験をとおして感じることではないでしょうか。生ごみを使っての野菜づくりは、まさに食育の根幹の部分を担っていると思います。子どもたちが、すべてのいのちはぐるぐると回っていて、自分もそのぐるぐるの輪の一員として、食べ物をとおして自然に生かされていることまで感じられるようになればと思います。
井澤 敏 熊本県在住 1943年生まれ 熊本県出身 (有)阿蘇薬草園ハーブの里 取締役社長 「健康は健康な自然に宿る」を理念として自然界の健康づくりからはじまる。人々の健康は、健康な自然に育った食材のいのちをいただいてその「元気」をもらい「体が喜ぶ」状態をつくり、内面的には「心の喜び」を保持できることにある。健康づくりに「農」の役割は大だ。21世紀の「農」は、環境保全・保護型は必然的で宿命的な課題である。農業者は、健全野菜をつくり自ら毎日300〜400gの野菜を食し、健康づくりに励み、調理方法などを指導し菜食をすすめ、生産拡大と生産性を高めることが重要。また、「昔の日本人の野菜」である薬草薬木の利用法もあわせて取り組むことをすすめる。
大庭 理一郎 熊本県在住 1942年生まれ 福岡県出身 崇城大学 名誉教授、マンパワー育成塾塾長 平均寿命より健康余命を大切にして、おいしく食品をいただけるような食品開発と食文化をつくってゆきたいと願っています。そのためには新鮮な機能性の高い野菜、果物、木の実を加工する技術を開発し、地域の産地の産物を重視し、また、廃棄物なども付加価値の高い食品加工へと転換する二次産業・工業化も重要です。食品の機能性を研究していました。
桑畑 美沙子 熊本県在住 1943年生まれ 鹿児島県出身 熊本大学 名誉教授 私たちの食生活を、高齢者の若いころの食生活に学び、三里四方のものを利用しながら、日本型食生活により近づけてみよう。また、食品産業の食情報に対応するだけでなく、要望を発信する生活者をめざしてみよう。性別にかかわりなく、一人ひとりが食の文化のつくり手となって、食の生産から廃棄までに参画できる社会を実現してゆくことも大切だろう。そして、次の世代によりよい状態の環境を引き継ぐため、環境への負荷が少ない食生活を積極的に推進していく必要もあろう。
小山 和作 熊本県在住 1932年生まれ 長崎県出身 日本赤十字社熊本健康管理センター 名誉所長 (1)農村保健から予防医学へ、そして健康医学へと展開してきた私の経歴のなかで、(2)健診事業は重要な位置にある。さらに、生活習慣病もそのリスクを発見し、改善していくことで、健康はつくられる。その(3)健康増進事業のなかでもっとも大切なのが「食」である。しかし、たんなる栄養素の分析による栄養学ではなく(4)人間栄養学でなければならない。人は社会的動物といわれ、社会のなかでの役割が必要。それは(5)労働によって自覚し、(6)生き甲斐となる。わが国の今日的要請は(7)農都共生であると考える。そして、(8)健康寿命の延伸こそすべての人間の願望と考える。
坂本 龍虹 熊本県在住 1934年生まれ 熊本県出身 農業 人間が生活する最低条件に、衣・食・住が示される。私はいつも、食・衣・住の順番が相当と考えている。それほど、食は最重要であると信じている。終戦直後を体験した人々は納得できる順番であるが、その後、経済効果のみを追求したことで、自給率40%、飽食の時代に陥ってしまった。この危機的状況を認知し、打開できる最短距離にいるのは定年帰農者であると思料する。しかし、これがための受け皿は必ずしも整っていないので、定年帰農者本人の意欲と努力が期待されるというのが今日の状況である。私は経験者として、そういう人をお手伝いしたいと思っている。
沢畑 亨 熊本県在住 1961年生まれ 熊本県出身 水俣市久木野ふるさとセンター・愛林館 館長 棚田を守る活動、森を育てる「水源の森づくり」、「働くアウトドア」(炭焼き、間伐と水源の森の下草刈り)を通じ、棚田や森林の公益的機能についての理解を増やそうと努力中です。山の村の暮らしに学び、現代生活をエコロジー面から見直すきっかけを提供します。
竹熊 宜孝 熊本県在住 1934年生まれ 熊本県出身 公立菊池養生園 名誉園長 現代社会と人間の命を、医・食・農そして教育、ときには政治・経済の視点から論じる。急速に変貌する現代社会を、いのちに焦点をしぼって、将来に対して提言をしてきた。その結論は、いま、経済――いわゆる金の視点からあらゆる分野が評価され、地球環境や人類生存の危機が叫ばれているが、いまからでも軌道修正しないことには、取り返しがつかなくなる。そういう思いから、30数年にわたって、土からの医療と教育、いのち一番、金は二の次と訴えてきた。「いのち愛おし」という境地で、次の世代にいのちの尊さを訴えていきたいと思っている。21世紀はそれしかない。みえるお金、みえない命。もうそろそろ命一番である。
武田 健 熊本県在住 1958年生まれ 静岡県出身 (株)エーエムエル農業経営研究所 所長 職人芸は盗むもの! 農業も・料理も・大工もみんな見習いからはじまり成り立ってきた。どこの産地に行っても、名人と称される人はいるものだ。農産物ができるのも名人芸あればこそだろう。技術にはすべて、長年の経験から成り立つ勘どころやヒラメキなどの言葉では表現しにくいもので成り立ってきた。しかし、時代の変化にともなって技術を盗む余裕がなくなりはじめてきた。つまり、後継者が不足しはじめてきている。いかに簡単に正しく技術を伝達し、一人でも多くの帰農者を増やすかが問題となる。ここでは技術伝達農業をテーマに、簡単に収支の合う実践的な農業の展開法、楽しく技術を盗む方法などを、経験を交えてお伝えしたいと考えています。
立山 千津子 熊本県在住 1948年生まれ 熊本県出身 高校家庭科 教員 子どもの生活力の貧弱化は、家族の極小化や地域の教育力の低下が影響しています。そこで、高校家庭科のカリキュラムに、高齢者など地域住民の参加を組み込む活動をしています。「食べごと実習」は、調理技術の習得だけでなく、大人と一緒に食を楽しみながら、食の変遷や家族・地域の暮らしについての聞き取りを行ないます。この活動は、生徒にとっては自らの暮らしづくりを考える具体的な資料となり、地域住民にとっては活力の源となっています。
堤 公博 熊本県在住 1954年生まれ 熊本県出身 農業 私自身農業を職として、おいしい安全な米づくりをやり、地域に思いを振興し、環境保全、都市農村交流・村おこしなどの運動をやっています。たとえば、古代米(黒米、赤米、緑米)で棚田地域の振興〔熊本県菊池地区)、ファーム菊池での新規就農支援・特産品づくり、米粉普及のための製品加工(パン、菓子、ケーキ、その他)、実習、販売振興など。食育を生産者(農業者)から発信しています!!
中嶋 常允 熊本県在住 1920年生まれ 熊本県出身 NPO法人 日本綜合医学会 理事長 作物を栽培する場合、種子が土壌に播かれると、太陽と空気と水の力を借りて生育し、開花、結実します。しかし、栽培する人によって、収穫物の品質、収量に差があります。これはなぜでしょうか。太陽と空気と水に変化はありません。しかし、土壌にはあります。化学性、物理性、生物性、ほかさまざまな要因について調査、確認しておくことが必要です。そのうえに超微量元素をppbまで的確な使用をすれば、完全無農薬栽培ができます。
松下 修 熊本県在住 1955年生まれ 宮崎県出身 松下生活研究所 代表 諸塚村産直住宅は、山の文化や森林の保全に賛同した人が、山にむかい、村の文化や暮らしに出合って、そこの木材で家を建てるという仕組みだ。この「顔のみえる木材での家づくり」は、人のつながりや安心、信頼などを生みだし、経済的行為をともないながら運動論的役割を果たす「互酬的な経済交換システム」である。このような取組みが、いずれは地域の循環型経済を生みだし、農山村を支えるとともに都市生活に豊かさを与えると考える。
松本 惠子 熊本県在住 1945年生まれ 熊本県出身 元 学校栄養職員 地域の方々の健康づくりに協力したいと願い、地場産物や自家生産の食材を活かした献立づくり・調理技術の伝授に力を入れています。(1)旬の食材を活かした食品加工や体験試食・料理法などの普及。(2)幼稚園・保育園にて食育の講話や親子クッキングなど。(3)食品加工施設を開設して地場産品の加工・開発をし、直売所などで販売。(4)農家レストランにて食事指導。(5)地域の一人暮らし高齢者にお弁当を届け、昔の農業や郷土料理などを発掘。
松本 珠美 熊本県在住 1976年生まれ 熊本県出身 管理栄養士・栄養教諭 小学校の栄養教諭として、子どもたちが笑顔になれるおいしい給食をつくっています。平成16年4月、お母さんたちがこどもの食について考える会「おしゃもじクラブ」を発足させました。お母さんたちと学校給食の献立を考えながら、朝食や地産地消など、日常の食卓で考えてもらいたいことを伝えています。食は、人を幸せにします。でも、食べ方次第では、不幸にもしてしまいます。ぜひ、幸せにする「食」を広めていきたいと思っています。
宮田 研蔵 熊本県在住 1952年生まれ 熊本県出身 食と農体験塾 塾長 炭焼き体験や野菜づくり、黒砂糖づくり体験、ピザづくり・パンづくり体験、バウムクーヘンづくり、ジュースしぼり体験などなど、体験をとおして食や自然の大切さを発信して9年目を迎えました。知育、体育は、少し努力すればすぐ向上しますが、食育、徳育はコツコツ努力しても、いい結果がでるのに、何十年もかかってしまいます。なぜいま、食育、地産地消なのか。いろいろな楽しい体験を通じて、消費者、お母さんと考え合う日々です。
村上 光太郎 熊本県在住 1945年生まれ 広島県出身 崇城大学薬学部 教授 「春眠暁を覚えず」、その状態は、病気になりかけの信号です。けれども、山菜をたくさん食べた次の日の朝は、夜明けが待ち遠しく感じられるでしょう。体の関節のあちこちが痛い人でも、タケノコを焼いて食べたら、数日間は痛みなく過ごせます。あなたの病気の本体は、あなたの食生活から来ています。食べて、働いて(動いて)、汗をかいて、初めて健康が身近になるのです。薬はその手助けにしか過ぎません。
矢住 ハツノ 熊本県在住 1930年生まれ 熊本県出身 元 熊本県立大学 講師 (1)人に必要な栄養素の摂取について、年齢別に各論として知るとともに、とくに「食物と病気との関係と、幼児期・学童期からの食育につながることを考慮して指導している(食生活指針を含めて)。 (2)食材の豊富な現状のなかで、調理にしても、加工にしてもそれぞれの素材の充分な知識と技術を知ったうえでの作業が望ましく、それは調理や食品加工の技術を高め、地域でとれる産物が有効に利用されることは、経済的にもおおいにプラスされることになるし、地域の食文化ともつないでいけると思っている。
吉本 哲郎 熊本県在住 1948年生まれ 熊本県出身 地元学ネットワーク 主宰 地元学は、地元のことを地元の者が、外の目を借りながらも自ら調べ、考え、日々に生活文化を創造していくことです。外の者がくわしくなるだけでは、知の植民地になってしまいます。地元学は、地域のもっている力、人のもっている力を引きだすことにつきます。それは、ないものねだりではなく、あるものを探して磨くことからはじまります。愚痴から自治への転換です。そのためには、当たり前にあるモノやコトに驚き、問いを発し、自分の言葉で語っていかねばなりません。自分のことは自分で、自分たちのことは自分たちでやっていくために、です。
本山 秀樹 大分県在住 1960年生まれ 大分県出身 食育ネット 代表 「ワクワクしよう!バリバリしよう!」をテーマに、講演や地産地加地消につながるものづくりの推進をしています。活動の大きな目的は2つで「長寿を楽しむ社会を作ろう」と「世界同時いただきますプロジェクトの実行」です。食と運動と癒しという切り口でワクワク感を広げ、人や地域を元気にしていく様々な活動に取り組んでいます。
郷田 美紀子 宮崎県在住 1948年生まれ 宮崎県出身 薬膳茶房オーガニックごうだ 代表 私は有機農業で知られる綾町で、自然の生態系を大切にした土づくり、野菜づくりをし、その食材で薬膳料理の農家レストランをしている薬剤師です。みつめているのは「命」です。人間だけの命ではありません。この地球(ほし)のあらゆる命と共存共栄する「共生の理念」や、環境への優しい心配りが、いま、早急に求められています。また、情報に流されることなく、この気候風土の中に育った身土不二の食を、毅然として次世代に伝えていくことも大切でしょう。田舎から根っこの言葉を伝えていきたいと思っております。
市来 英雄 鹿児島県在住 1939年生まれ 鹿児島県出身 医療法人 市来歯科 理事長 生活習慣で、もっとも重要視されるべきものには食習慣があります。周知のとおり、食習慣の良し悪しいかんでは病気の発生率もおおいにちがってきます。その食習慣を、健康という軌道上に乗せることがなによりもまず大事なことです。そこには、まず「口(くち)」が登場します。昔から、『口は健康の入り口』と言われるように、口は健康を生みだす源です。それは命全体、健康な体そのものを育て、守っています。口(口腔)の健康なくして全身の健康は望めません。しかし、比較的かたいものでもよく噛んで食べて味わってきた日本特有の食文化は、いまや冷凍・加工食品やファーストフードに象徴されるように軟食化の傾向にあります。
門田 信一 鹿児島県在住 1952年生まれ 鹿児島県出身 農家 どんどん人がいなくなる村で農業体験塾を主宰し、町から通ってくる塾生たちとともに放棄された棚田を再生する棚田オーナー制を運営している。また、「野草を食べる」「野草の花見」「旬の野菜を食べる」など、季節ごとのイベントも開催。村の課題を解決するためには、コミュニティーの輪を町にまで広げていく必要があると考えている。
草野 健 鹿児島県在住 1948年生まれ 鹿児島県出身 JA鹿児島県厚生連健康管理センター 副所長 生きていくうえで、人間は(人に限らないが)さまざまな環境に遭遇する。健康とは、それらの環境に対応する能力で判定されるものである。ところで、人間の生命活動の源はすべて“食”に依っているが、食べることは、他の生命を奪うことにほかならない。食の健康こそが、われわれの健康を保証するものであり、その食を生産するものの中心が農である。食と農は人間生活の根幹であり、そのあり方いかんで生活の質が決定される。食も農も文化であり、その意味では健康も文化である。文化としての食・農、そして健康をとらえていきたいと思っている。
千葉 しのぶ 鹿児島県在住 1963年生まれ 鹿児島県出身 NPO法人 霧島食育研究会 代表 人を創りふるさとを育てる食育活動をめざして活動している、フリーの管理栄養士&フードコーディネーターです。平成16年に霧島食育研究会を設立しました。また「霧島 畑んがっこ」では、年間をとおした大人の食農育体験活動を開始。「これから食育についてなにか活動したいが、なにからはじめたらいいのだろう?」「今している活動をどうアピールすればいいのだろう?」というお悩みなどに、体験をふまえてお手伝いできればと思っています。
橋口 孝久 鹿児島県在住 1950年生まれ 鹿児島県出身 かごしま合鴨水稲会 代表 1980年、脱サラで就農。子どもの保育園への入園をきっかけに、保育園・小学校との「米づくり体験田」を行ない、いまの子どもたちにとって自然・生活体験が必要であることを実感。学校教育のなかで食農教育への取組みが必要であると思っています。1995年から保育園、小中学校、地域の親子の畑や田んぼの体験学習を受入れ、より多くの子どもや親の方々に、体験を通じ、食と農の大切さを学んでほしいと願い、活動しています。
八幡 正則 鹿児島県在住 1930年生まれ 鹿児島県出身 かごしまの食を語る会 顧問 私たちが生きるエネルギーの源は「食」である。食べ物となる米、野菜、魚、肉、味噌や醤油などの食材はすべて「生きもの」だから、食べるとは、彼らの「いのち」を「いただく」ことにほかならない。食事のとき「いただきます」というのは、お米や野菜や魚に「あなたのいのちをいただきます」と感謝する作法である。東洋の思想は「共生」を「ともいき」と説く。人間がすべての生きものと「共に生きる」のである。いのちの源となる「食」と「農」の大切さと「いただきます」の心をともに考えて参りたい。
原口 泉 鹿児島県在住 1947年生まれ 鹿児島県出身 鹿児島大学法文学部 教授 鹿児島県シニア食育アドバイザーを勤めています。今年は現在放送中の大河ドラマ「篤姫」の時代考証を担当しています。19歳まで鹿児島で暮らし、将軍御台所となった篤姫の食生活の講演要請が殺到しています。篤姫の「一本道」の生き方を支えたのは、健康な心身。大奥とは違う食生活にあるんでしょう。薩摩の赤味噌・高菜の漬物・あんかけ豆腐、甘く煮た白インゲン・樽柿・ビワ、ハチミツ漬けのライチなどの好物が記録されています。おかげで篤姫だけは脚気にかからずにすみました。大河ドラマでは、ふんだんに薩摩の食材を紹介しています。
外西 壽鶴子 鹿児島県在住 1930年生まれ 宮崎県出身 鹿児島女子短期大学 名誉教授 「健康で豊かな食卓を創る」〜一汁三菜のすすめ〜を提唱します。適正な食物の摂取(食事バランスガイド)、適正体重の維持といったことから、具体的な献立案、調理方法まで、話題を提供します。とくに力説したいのが、魚類、海藻類、野菜の抗酸化作用を生かした調理方法、しかも地産地消を基本とした産物を有効に使用すること。地域の力を発揮し、家庭を中心とした食育の魅力で、21世紀を担う子どもたちの心を育みたいと願っています。
萬田 正治 鹿児島県在住 1942年生まれ 福岡県出身 鹿児島大学 名誉教授 食の安全性というと、とかく農薬の有無に関心が集まりますが、そもそもはその地域の自然の豊かさ(生物多様性、生態系)がどれだけ保証されているかにかかっていると思います。また、安全な食品は国内産であって外国産は危険だというのが一般的な風潮ですが、必ずしもそうとはいえません。国内産もおおいに問題ありです。
西大 八重子 沖縄県在住 1950年生まれ 沖縄県出身 西大学院学院長 管理栄養士 「食」は栄養的な面も大事ですが、私は食の周辺文化も大切だと考えています。食事をとおして食材や料理法だけでなく、食作法や他人への心づかいや感謝の気持ち、食物が口に入るまでの多くの人々の労苦を教えることも、また食育の一つと考えています。「愛は胃の腑を通る」といいます。食をとおして健全な心身を培っていけるような家庭であって欲しいと願っています。
盛口 満 沖縄県在住 1962年生まれ 千葉県出身 沖縄大学人文学部 准教授 「食育」にはさまざまなアプローチがある。その一つとして「食材」は「生物」である、という視点を重視してみたい。現代社会においては、自然が減少しているだけでなく、自然と無関係でも生きていけることによる「自然離れ」がすすんでいて、子どもたちには今までの社会では見られなかったストレスが与えられているのではないか。身近な自然を意識するキッカケとして「食材」としての「生物」に目をむけ、そこから自らの「食」についても考えていくキッカケを与えられないかと考えている。