|
【報告1】むらの未来を託す食農体験学習
〜子どもたちを変える授業・給食・農家との交流〜
山形県・高畠町立二井宿小学校 伊澤良治さん
二井宿小学校では、「生きる力」を育むことをテーマに4年前から食農教育に取組んでいますが、給食食材の5割を学校園で育てるという目標を掲げました。農業体験は単に収穫の喜びを与えてくれるばかりでなく、畑が雑草に覆われたり作物がスズメに食べられたり、自然の摂理に接する奥の深いものでした。そして、ニンジンが発芽しなかったりジャガイモが腐ったり、予期せぬトラブルがおきると先生と子どもがいっしょになって解決策を探したことなど、いきいきとした活動のようすを紹介いただきました。
※二井宿小学校での地場産給食の取組みについては『食農教育』(2009年9月号)等をご覧ください。
【報告2】海と山をつなぐシェフの食育
〜体験農場とキッチンスタジアムからの郷土食の発信〜
福島県・(株)ヴィライナワシロ 山際博美さん
ヴィライナワシロでは、親子連れや都市部からの観光客を対象にした食農体験をホテル経営の柱の1つに位置づけており、宴会場を改装してキッチンスタジアムをつくったほか、2008年には体験農場もオープンしました。訪問客に対して畑や食材のことをお客さんに自信をもって伝えるためには、社員自身がまず知らなければなりません。社員が率先して畑に足を運ぶようになったことで農業に対する考え方も大きく変わり、生産者とのつながりも生まれました。今後は、地場産物の活用を進めていくために野菜の加工施設をつくるほか、学校にむけて地場産レシピを紹介する番組を制作、発信していく予定とのことです。
【報告3】「土をたがやす栄養士」を育てる大学〜地域の食と健康を守る担い手づくり〜
宮城県・NPO法人オリザ・ネット 正木恭介さん
正木さんからは、NPO法人オリザ・ネットによる「教育ファーム」のレポートを紹介いただきました。オリザ・ネットでは、宮城学院女子大学の学生を対象に教育ファームに取り組んでいます。学生たちは田んぼでの稲作や畑での大豆や野菜の栽培、さらには豆腐づくりなど、年間を通して農業にかかわりました。農家に作業を教わるだけでなく、2年目は幼稚園児を対象に教える役にも挑戦し、食と農への理解を深めていきました。これらの活動は、ブログや地元FM局の番組で発信しています。
【報告4】地域の子どもたちは地域で育てる〜農・商・工連携に広がる食育活動〜
岩手県・(株)八木澤商店 河野通洋さん
河野さんからは、「陸前高田元気会」の活動を紹介いただきました。「元気会」では地域の農業の価値をみんなで共有しようと、地元の子どもたちと一緒に稲作体験に取り組んでいます。収穫した米は、「元気会」の行事でおにぎりにして食べるだけでなく、市内の飲食店で使ったり、会員の大人たちはその米でお酒を仕込んだりと、地元を盛り上げるさまざまな活動に使われています。「元気会」のモットーは、自分のつくったものに自信と誇りを持つこと。「子どもに夢や希望を持たせるには、まずは大人がそれを持つこと」という河野さんの力のこもった言葉は、会場の参加者の共感を呼びました。
※「元気会」や八木澤商店での食育の取組みについては、『食育活動』第16号(2009年12月号)をご覧ください。
(文責・食と農の応援団事務局)
|