応援団員の活動記録

2010年2月

【過去の一覧】

■栄養教諭が活躍する食育のレベルアップ(食と農の応援団実践セミナー大阪大会)

日 時 2010年2月6日(土)
会 場 大阪市・ドーンセンター特別会議室
主 催 (社)農山漁村文化協会
内 容

【報告1】「なにわの伝統野菜」で地域を学ぶ! 〜総合学習・学校給食・特産品づくりの現場から〜

元大阪府立食とみどりの総合技術センター 森下正博さん

森下さんは25年余りにわたって「なにわの伝統野菜」の復活に取組んできました。現在では、地域住民や子どもたちを巻きこみながら伝承する取組みが進められています。報告のなかでは、伝統野菜の「毛馬きゅうり」や「天王寺かぶら」の栽培活動のほか、それらを素材にした、アイディア満載の文楽や劇、歌がつくられているようすが紹介され、「なにわの伝統野菜」が、単なる食材としてではなく、生活文化の一部として受け継がれていることをが伝わってきました。今日、学校現場では、給食にとどまらず教科とも連携した「食育」が求められていますが、そのヒントを与えてくれる報告でした。

【報告2】日本料理の「味」を学ぶ食育カリキュラム 〜老舗が教える食材・味覚・調理教室の実際〜

京都府・NPO法人日本料理アカデミー 園部晋吾さん

NPO法人日本料理アカデミーでは、平成17年度より食育カリキュラムづくりに取り組んでいます。日本料理アカデミーが指定したモデル校には日本料理店の料理人が講師として出向き、@食材を知る、A「味覚」についての理解を深める、B自分で調理する技術を身につけるという3本柱で食育の授業が行なわれます。2008年度からは、モデル校以外の学校でも教師の手で実践できるよう、実践事例をまとめたDVDを作成したほか、地域の応援団を育てる目的で「食育指導員制度」をスタートさせました。日本料理に受け継がれた味覚を地域を巻きこんで継承していきたいという思いが伝わってくる報告でした。

※日本料理アカデミーの取組みは、『食育活動』第16号(2009年12月号)をご覧ください。

【報告3】学校給食を「生きた教材」に  〜つくり手の思いを感じとる子どもたち〜

兵庫県・芦屋市立浜風小学校 奥瑞恵さん

奥さんからは、栄養教諭の立場から、学校現場での意欲的な実践を紹介していただきました。芦屋市立浜風小学校では、栄養教諭と調理員の人たちが協力しながら総合学習や地産地消給食などに取り組んできましたが、今回の報告では「だいこんウィーク」の取組みが注目を集めました。大根を取り入れた献立を1週間にわたって続けるもので、「旬」の食材を活かしきる生活の知恵に光を当てようというねらいでした。この取組みは給食の時間にとどまらず、家庭での食生活を見つめ直すきっかけにもなり、大きな反響を呼んでいます。

※芦屋市立浜風小学校での取組みは、『食農教育』誌の連載もご覧ください。

【ディスカッション】

兵庫農漁村社会研究所 保田茂さん

3氏の報告が終わった後、保田さんのコーディネートによってディスカッションが行なわれました。最初に保田さんが長く関わってきた兵庫県での実践を踏まえたコメントをいただき、3者の報告をもとに学校を核にした食育の進め方を考えるものとなりました。



 

(文責・食と農の応援団事務局)




■「地域の次世代」を育てる食育(食と農の応援団実践セミナー仙台大会)

日 時 2010年2月20日(土)
会 場 仙台市・仙台ビジネスホテル
主 催 (社)農山漁村文化協会
内 容

【報告1】むらの未来を託す食農体験学習 〜子どもたちを変える授業・給食・農家との交流〜

山形県・高畠町立二井宿小学校 伊澤良治さん

二井宿小学校では、「生きる力」を育むことをテーマに4年前から食農教育に取組んでいますが、給食食材の5割を学校園で育てるという目標を掲げました。農業体験は単に収穫の喜びを与えてくれるばかりでなく、畑が雑草に覆われたり作物がスズメに食べられたり、自然の摂理に接する奥の深いものでした。そして、ニンジンが発芽しなかったりジャガイモが腐ったり、予期せぬトラブルがおきると先生と子どもがいっしょになって解決策を探したことなど、いきいきとした活動のようすを紹介いただきました。

※二井宿小学校での地場産給食の取組みについては『食農教育』(2009年9月号)等をご覧ください。

【報告2】海と山をつなぐシェフの食育 〜体験農場とキッチンスタジアムからの郷土食の発信〜

福島県・(株)ヴィライナワシロ 山際博美さん

ヴィライナワシロでは、親子連れや都市部からの観光客を対象にした食農体験をホテル経営の柱の1つに位置づけており、宴会場を改装してキッチンスタジアムをつくったほか、2008年には体験農場もオープンしました。訪問客に対して畑や食材のことをお客さんに自信をもって伝えるためには、社員自身がまず知らなければなりません。社員が率先して畑に足を運ぶようになったことで農業に対する考え方も大きく変わり、生産者とのつながりも生まれました。今後は、地場産物の活用を進めていくために野菜の加工施設をつくるほか、学校にむけて地場産レシピを紹介する番組を制作、発信していく予定とのことです。


【報告3】「土をたがやす栄養士」を育てる大学〜地域の食と健康を守る担い手づくり〜

宮城県・NPO法人オリザ・ネット 正木恭介さん

正木さんからは、NPO法人オリザ・ネットによる「教育ファーム」のレポートを紹介いただきました。オリザ・ネットでは、宮城学院女子大学の学生を対象に教育ファームに取り組んでいます。学生たちは田んぼでの稲作や畑での大豆や野菜の栽培、さらには豆腐づくりなど、年間を通して農業にかかわりました。農家に作業を教わるだけでなく、2年目は幼稚園児を対象に教える役にも挑戦し、食と農への理解を深めていきました。これらの活動は、ブログや地元FM局の番組で発信しています。

【報告4】地域の子どもたちは地域で育てる〜農・商・工連携に広がる食育活動〜

岩手県・(株)八木澤商店 河野通洋さん

河野さんからは、「陸前高田元気会」の活動を紹介いただきました。「元気会」では地域の農業の価値をみんなで共有しようと、地元の子どもたちと一緒に稲作体験に取り組んでいます。収穫した米は、「元気会」の行事でおにぎりにして食べるだけでなく、市内の飲食店で使ったり、会員の大人たちはその米でお酒を仕込んだりと、地元を盛り上げるさまざまな活動に使われています。「元気会」のモットーは、自分のつくったものに自信と誇りを持つこと。「子どもに夢や希望を持たせるには、まずは大人がそれを持つこと」という河野さんの力のこもった言葉は、会場の参加者の共感を呼びました。

※「元気会」や八木澤商店での食育の取組みについては、『食育活動』第16号(2009年12月号)をご覧ください。



 

(文責・食と農の応援団事務局)




■食育リーダーの次世代を育てる(食と農の応援団実践セミナー福岡大会)

日 時 2010年2月27日(土)
会 場 福岡市・ぎんなんエポック518ビル
主 催 (社)農山漁村文化協会
内 容

【報告1】「食」をつなぐ

福岡県・西日本新聞社 佐藤弘さん

佐藤さんからは、西日本新聞の連載「食卓の向こう側」や、「弁当の日」の実践をもとに報告いただきました。「食」を単に「食べること」に終わらせず、生産、残渣や排泄の処理などを含めて、ひとつの循環をもつものとして伝えるにはどのような工夫が必要なのかという点について、メディアに関わる立場からお話しいただきました。

※佐藤さんの取組みについては、『増刊現代農業』(2008年2月号)もご覧ください。

【報告2】「農」をつなぐ

鹿児島県・うるし作人塾 門田信一さん

2001年、奇しくも同時多発テロの日に、いま住んでいる集落に引っ越してきたという門田さんは、過疎が進む地域を元気づけようと「うるし作人塾」を立ち上げました。これまでに棚田オーナーや野草観察、農業体験生の受入れなど、多彩な活動を展開してきました。その結果、近年、都市部から若い人が移住して農業を始めることになるなど、地域にも少しずつ変化が起こりつつあるとのことです。

【報告3】「いのち」をつなぐ

鹿児島県・NPO 法人 霧島食育研究会 千葉しのぶさん

NPO法人霧島食育研究会では、「家庭の味をつなぎ、食を大切だと思う心を育てる」ことを目標に活動しており、家族の想いや歴史を背負った料理を持ち寄り、地域の住民全員が主役になる「霧島・食の文化祭」のほか、「棚田食育士」を養成する活動に取り組んできました。霧島という土地にふさわしい「食育」を探究してきたという千葉さん。「あるものを活かしてないものをつくる」という言葉が印象的でした。

※千葉さんの取組みについては、『食育活動』第15号(2009年9月号)をご覧ください。

【報告4】「地域」をつなぐ

熊本県・地元学ネットワーク 吉本哲郎さん

セミナーの大トリは吉本哲郎さん。「村丸ごと生活博物館」などをはじめとした水俣での取組みについて紹介いただきました。単なる「物知り学」ではない、実践的な意味をもつ「地元学」の意味について朴訥とした語り口でお話しいただくとともに、地域の固有の思想・哲学・美学を住民で共有していくことが何よりも大切というメッセージをいただきました。

【ディスカッション】

熊本県・水俣市久木野ふるさとセンター 愛林館 沢畑亨さん

報告の後、沢畑さんのコーディネートによってディスカッションが行なわれ、4者それぞれの取組みの成果とポイントについて議論が交わされました。





(文責・食と農の応援団事務局)




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