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川端 晶子



氏名:
川端 晶子
ふりがな:
かわばた あきこ
肩書き:
東京農業大学 名誉教授
出身都道府県:
福井県
生年(西暦):
現住所:
神奈川県
主な経歴:
1947年 日本女子大学家政学部卒業
1965〜1967年 フランス国立農学研究所客員研究員(フランス政府給費留学)
1970年 東京農業大学助教授
1977年 東京農業大学教授
1982年 フィリピン大学食品工学研究所客員教授
1986年 東京農業大学大学院教授
1996年 食学研究所設立
1997年 東京農業大学名誉教授

上記肩書き以外の「主な役職」:
(財)ソルトサイエンス研究財団評議員
(財)すかいらーくフードサイエンス研究所評議員
(社)日本フードスペシャリスト協会理事
日本フードアナリスト協会試験委員
日本食育学会理事
以上、すべて現在の役職

■お話のジャンル・領域

<食文化>

食の感性哲学、食文化比較論、美味学<おいしさの理論>、禅と食の対話

■メッセージ

1.「食のアメニティの創造」−各ライフステージで輝く人生を!−
 新しい世紀の幕開けとともに、世界各地において生活環境や社会環境が著しく変化してきた。そして、人々が創造してきたそれぞれの伝統ある「食」の営みに、大きな影響を与えるようになってきた。日本においては、調理の外部化が進み、また消費者による食の安全と品質に対する不安や、食と健康の関心が高まっている。また、スローフードとして、伝統食品の見直しの傾向が見られる。人間は、栄養摂取としての“食”とともに、文化としての“食”を享受している。「食による癒しと絆の再生」ということは、とりもなおさず「食のアメニティ」を創造することである。



「人間学」とは人間の本質を明らかにしようとする学問である。フランスの哲学者メヌー・ド・ビラン(1766〜1824)は、生を動物的生、人間的生、精神的生の3段階に分けているが、人間は動物的にも、人間的にも、精神的にも生きることができる。
2.新しい食学をめざして−調理学からのアプローチ−

   『21世紀の調理学 全7巻』 建帛社 1996〜1997
     (図 21世紀の新しい調理学体系)
 古くより、樹木は枯渇することのない生命力の源泉として"生命の樹"とも呼ばれているが、調理学は食を通して人々に生命と活力と喜びを与える人間学の中心でもあるので、幹としてイメージした。そして、調理学のバックボーンには食の思想としての哲学を位置づけた。新しい調理学の学問としての構築と展開を7分野として枝に、また、各分野の各項目をふさふさと繁った葉のように位置づけた『21世紀の新しい調理学体系』の模式図である。

3.食文化比較論−美味礼賛と無味礼賛−
    日本感性工学会・感性工学研究論文集 2002

 おいしく食べることは、文化現象の一つであり、どういう食べ方をするかは、それぞれの地域や民族によって異なっている。日本人は、常に他文化をも巧みに吸収しながら融合させ、新しい文化を築きつつある。本論文は、おいしさに対する西洋的価値観と東洋的価値観の比較論である。

4.「食の古典」を学ぼう
 古典とは、「いつの世にも読まれるべき、価値・評価の高い書物」である。古今および洋の東西を問わず、すばらしい「食の古典」がある。食の問題もグローバル化した今日、これらをひもとくことは、食生活を豊にし、新しい感動を覚える。私たちは、東洋の食の古典として、道元の『典座教訓・赴粥飯法』を読み、『禅と食の対話』と題して出版した。ただ今は、西洋の食の古典として、ブリア=サヴァランの『美味礼賛』を学んでいる。

5.「人間学」をバックボーンにした「食育」を実践しよう
(1)人間の「食」の問題を考えるとき、人間の生理的対象としての「食」のみを論じ、実践するだけでは事たりない。フランスの哲学者メーヌ・ド・ビラン(1766〜1824)は『人間学新論』のなかで、人間の生を「動物的生」「人間的生」「精神的生」の三段階に分けているが、これは、人間の全体的把握を目的として「人間学」の確立を目指した論考である。この三つの生と行動を共にする人間の「食」を生の畏敬の念とともに展開していくことが望ましい。
【参考図書】『こども哲学』(全7巻)、朝日出版社、日本語監修 重松清
(2)食と農を結ぶ資源循環型「食育」を実践しよう。人は生命を維持し、活動するために食べ物を摂取するが、食べ物自体も生命あるもの、生命あるものから生み出されるものであり、ここに「食物連鎖」の思想がある。
(3)味覚教育を中心にした食育を展開しよう。「味覚体験」を通じて、栄養素中心の食育から食生活全体を視野に入れた全人間的な、子どもの食選択力を育てる食育を推進していくことが大切である。

■主な著書・雑誌記事等

  • 『禅と食の対話』2001年 ドメス出版
  • 『Nブックス 調理学』2002年(共著) 建帛社
  • 『調理科学実験』2003年 学建書院
  • 『食品とテクスチャー』2003年 光琳
  • 『食生活デザイン』2004年(共著) 家政教育社
  • 『健康調理学』2004年(共著) 学建書院
  • 『食教育論』2005年 昭和堂
  • 『おいしさ表現辞典』2006年 東京堂出版
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(4)魚介類」『食生活研究』2006年Vol.26,No.4 
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(2)野菜類」『食生活研究』2006年Vol.26,No.2 
  • 「日本人にとってのご飯の味」『veasta(ヴェスタ)』2006年Vol.65 味の素食の文化センター
  • 「日本人はなんと豊かな味覚表現をもっているのだろう」『食の科学』2006年4月号 光琳
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(3)豆類・きのこ類・藻類」『食生活研究』2006年Vol.26No.3 
  • 「調理科学は世界を駆けめぐる、その名は「分子ガストロノミー」」『日本調理科学会誌』2006年Vol.39,No.2 日本調理科学会
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(5)食肉・卵」『食生活研究』2006年Vol.26,No.5 
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(7)菓子類」『食生活研究』2006年Vol.26,No.7 
  • 「昭和10年代のお弁当」『veasta(ヴェスタ)』2006年Vol.62 味の素食の文化センター
  • 「食の感性哲学 美味礼賛と無味礼賛」『おいしさの科学』2007年Vol.1.3 おいしさの科学研究所
  • 『新しい食学をめざして』2000年 建帛社
  • 『食品物性学』1990年 建帛社
  • 『調理のサイエンス』2000年 柴田書店
  • 『レモンでイキイキ』2000年 講談社
  • 『新しい調理学』1999年 学建書院
  • 『調理文化学』21世紀の料理学1(全7巻) 建帛社
  • 『食品のテクスチャー評価の標準化』 光琳
  • 『食品物性用語辞典』1996年(共著) 養賢堂
  • 『サイコレオロジーと咀嚼』1995年 建帛社
  • 『野菜と健康の科学』1994年(共著) 養賢堂
  • 「文学作品・エッセイに見られるおいしさ表現(6)菓子類」『食生活研究』2006年Vo6.26,No.6 

  • お問い合わせはこちら:農文協(食と農の応援団事務局)