<<戻る

呉地 正行



氏名:
呉地 正行
ふりがな:
くれち まさゆき
肩書き:
日本雁を保護する会 会長
出身都道府県:
神奈川県
生年(西暦):
1949
現住所:
宮城県
主な経歴:
1971年12月 日本雁を保護する会 入会
1977年3月 東北大学理学部物理学科 卒業
1981年  日本鳥学会より鳥学研究賞 授賞
1990年4月 日本雁を保護する会会長就任
1990-93年度  宮城県立高等学校講師
1994年  日本鳥類保護連盟総裁賞 授賞
1999年1月 国際湿地保全連合ガン類専門家グループ(WIGSG)東アジア地域 コーディネーター就任
1999年8月 「東アジアガンカモ類重要生息地ネットワーク」ワーキンググループ議長就任
2001年度 宮城県若柳町立若柳小学校非常勤講師
2001年 「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰(保全活動部門) 2005年9月  愛知万博(愛・地球博)愛・地球賞*を「日本雁を保護する会」として受賞(技術名;ふゆみずたんぼ,自然保護と再生部門)
2006年度 東北文化学園大学客員教授(非常勤)

上記肩書き以外の「主な役職」:
日本生態系協会評議委員/NPO法人 蕪栗ぬまっこくらぶ副理事長/NPO法人田んぼ 理事/環境省「野生生物保護対策検討会」委員/環境省「希少野生動物種保存推進員」/宮城県迫桜高校、栗原市若柳小学校学校評議員/伊豆沼自然再生協議会委員/栗原市環境審議会委員/

■お話のジャンル・領域

<農>

総合学習

<食農教育>

総合的学習

<その他のジャンル>

水鳥と共生するふゆみずたんぼ

■メッセージ

古来から日本人に親しまれながら、現在では限られた場所でしか見られなくなってしまった雁の保護及び、雁の住める豊かな湿地の保全や復元を行い、「雁のいる風景」を再び全国の空にとりもどすこと、これが私たちの夢だ。

雁という文字は人(イ)と鳥(隹)がひとつの屋根(厂 )の下に共生している。雁という文字に示された関係を実現するために,冬の田んぼに水を張り、新たな雁の生息地と渡りのルートを復元し、それと同時に、雁と水田農業との共生を目指す活動に力を入れている。その取り組みの中心となっているのが「ふゆみずたんぼ」だ。

2002年11月にスペインのバレンシア市で第9回ラムサール条約会議が開催され、その時にアルブフェラ湖を訪れる機会があった。ここはパエリア料理発祥の地で、広い水田地帯が広がっているが、一番驚いたのは、刈り取り後の全ての田んぼが、満々と水を湛えていたことだった。現地の人に聞き、バレンシア州では、毎年11月1日に一斉に田んぼに水を張る取り組みが200年以上も前から行われ、これを「ペレローナ」と呼ぶ、ことが分かった。羨ましく思ったのは、この風習が、「ペレローナ」という美しい言葉にまで昇華していたことだった。日本ではその当時、「冬期湛水水田」という硬い言葉しかなかった。

帰国直後に東京で行われたシンポジウムに参加した後で、数人の友人と居酒屋へ行き、そこでペレローナに当たる日本語が欲しいと提案した。そしてその時生まれた言葉が「ふゆみずたんぼ」だった。
江戸時代の会津農書には、土壌の肥沃を目的に、冬の田に水を張る「田冬水」という農法の記述がある。それを農業と生き物との共生をめざした取り組みに発展させて現代に甦らせたのが、「ふゆみずたんぼ」だ。

湿地の保全と賢明な利用をめざすラムサール条約では、田んぼも湿地の1つと定義している。現在日本国内にある33のラムサール条約湿地のうち、周辺に田んぼがある湿地は、11箇所ある。が、条約湿地内に田んぼを含むのはたった2箇所で、広く含むのは、「蕪栗沼・周辺水田」だけだ。

冬の田んぼは乾かすのが普通で、ふゆみずたんぼはこれとは正反対のやりかたで、まだ限られた地域でしか行われていないが、農業湿地としての水田の能力を活かすことにより、水辺の生きものの力を活かした、持続可能な水田農業の可能性を秘めている。殆どの水田が乾田化されてしまった日本の水田を見ると、地域の特性を活かしたいろいろな田んぼがあったほうが自然だろう。水のある風景は人の心を癒してもくれる。
 

■主な著書・雑誌記事等


お問い合わせはこちら:農文協(食と農の応援団事務局)