応援団員からのメッセージ
砂田登志子
(すなだとしこ)
食生活 健康ジャーナリスト

欧米の先端的な食育運動に学び、日本独自の食育の工夫を!

 今年から食育に国家予算がつくことになり、毎年1月は、食の安全・安心や望ましい食生活のあり方に真剣に取り組む「食を考える月間」に決まりました。昨年秋の国会では、幼児期から食の大切さを学習し、自分の健康は自分で守る食育を国民的運動として展開してゆくための「食育調査会」が発足し、(1)食生活習慣の改善と生活習慣病の予防、(2)食の信頼確保と回復、(3)食料自給率の向上、地産地消、旬産旬消運動などが、目標として設置されました。

 私はここ30年間、欧米の食育先端運動を取材・報道してきました。米国では長年にわたって、毎年3月を栄養教育月間、9月を食品安全教育月間とし、官民合同で生涯食育に本腰を入れています。また、四半世紀も前から、「愛するわが子を病院に入れたくなかったら、元気と幸せの土台をつくる台所に入れて一緒に料理をし、家族のコミュニケーションを楽しみましょう。キッズ・イン・ザ・キッチン!」と呼びかけています。

 「私たちの心身は食べ物からできている」「食が選べると、健康、幸福、友人、職業、何でも選べる」。これらは欧米のチビッ子たちが、学び、使用している食育スローガンです。デンマークの消費者省が1986年に全国の学童に配布したポスターは、「何を食べているかで生活と人生の勝負は決まる」という題がつけられ、「食べたように結果が出る」ことが幼児でも一目でわかる、カラフルで楽しいものになっています。ゴールに向かって走る、かわゆく擬人化された食べ物の数々。先頭集団は、黒くて固いライ麦パン、牛乳、新鮮な野菜、果物、魚、卵などが、目をイキイキさせて元気に走っています。対照的に、今にも倒れそうな後方集団は、脂肪分の多い甘い菓子、スナック類、塩分・添加物が気になる調理加工食品。さえない表情の炭酸飲料やドーナツは、リタイヤして松葉杖をついています。

 私は最近、日本の子どもたちに直接話しかける機会が多くありますが、漢字を用いた食育はとても有効だと思っています。「頭」はよく、体は「喜」び、心は「豊」か。元気に山に「登」り、休まず「登」校――これらの漢字は、「豆」という食材の素晴しさを表しています。
 また、「舌」は、「千」に「口」と書きます。幼児に千種類以上の旬の食味を記憶させるのが、食育のはじまりです。食育は、五感を総動員する参加体験学習です。「千」が「十」になると、「古」。舌がさびつき、食欲、元気、体力がなくなり、味覚も感性も発達しません。日本の食文化を伝承し、我が家の味を守るため、愛するわが子をたたき起こしても、おいしいものを口に入れてあげるのが親の愛情だと思います。