応援団員からのメッセージ
結城登美雄

(ゆうきとみお)
民俗研究家

地域再生とは、どういうことか?

  劇的な政権交代から半年。今の政権がどんな地域政策を展開しようとしているのか、いまだに明確にならない。しかし、どんな政策がとられようとも、地域の明日をつくるのはそこに生き、そこに暮らす人々であることに変わりはない。人々が政治や行政任せにせず、地域を再生する1人の当事者になれるだろうか。そのためにも再生すべき「地域」とは何か、を改めて問うておきたい。

「地域活性化」などといわれてきたように、これまで、地域という概念は「エリア」、「マーケット」、「コミュニティ」など、恣意的概念でとらえられてきた。ゆるがぬ「地域」とは何か。私はそれを「家族が集まって暮らす具体の場」だととらえたい。

当然ながら、家族はそれぞれに希望や願い、悩み、課題を抱えて日々を生きている。そしてその願いや悩みを実現、解決しようと努力を続けている。だが、個人や家族の力だけでは実現や解決ができないことも多く、時に孤立感を深めるかもしれない。その時に共に暮らすほかの家族と力をあわせ、実践の道を歩むことが地域づくりではないのか。私はその原点を日本の「村」に求めたい。 持続可能な村とは何か。村を村たらしめた力とは何か。かつて地域再生に思いをめぐらせた柳田国男は、よい地域を美しい村に置きかえてこう記した。「美しい村などはじめからあったわけではない。美しく生きようとする村人がいて、村は美しくなったのである」(『都市と農村』)。

主体なき地域再生などありえない。相変わらずの画一的行政施策の押しつけではなく、地域の願いや悩み、それぞれの生き方を見据え、地域の人々に寄り添う行政でありたい。地元学的地域再生への思いである。