応援団員からのメッセージ

渡辺 和彦
(わたなべ かずひこ)

一般社団法人食と農の健康研究所 理事長兼所長

食と農、健康の通説を検証し、正しい情報を発信します 〜「食と農の健康研究所」開設にあたって〜

 このたび「食と農の健康研究所」を平成28年7月に設立いたしました。
 「食と農の健康」分野では、色々な評論家、研究者などがメディアで諸説を情報発信しています。また、その分野の専門家でない一般人もその諸説を受売りにしてソーシャルメディア等で情報を拡散しているのが現状です。これらの中には最新の研究成果に基づかない間違った情報も多く含まれ、少し前まで常識と思われていた事が、最新の研究の結果、全く常識と異なる事が発見・証明される事も多くあります。当研究所は、最新の研究成果に基づき、一般常識となっている事でも間違いは正し、最新の正確な情報を広く一般に伝え、持続可能な健康社会を築く一助になることを目指して設立されました。当研究所は、多少の軋轢はあるかもしれませんが、正しい情報であれば、これまでの世間の常識とは異なる情報も多く発信していきます。常に海外も含めた最新の論文や研究成果を生かし、できるだけ正しい情報を伝えていきたいと思っております。

 私は元々土壌肥料学分野、狭義には植物栄養学の専門家であります。若いときから農作物の要素欠乏や過剰症状を観察し、写真に撮って症状集をまとめ、土や植物体の養分濃度を簡単に分析できる簡易な迅速養分テスト法を開発したり、ラジオアイソトープを使用して、ミネラルや糖、ビタミン等の作物体内挙動等を調べていました。肥料成分、ミネラルが人間の健康にも重要であることは想像していましたが、現職の時代は農学の範疇を超えて研究をすることは許されないことでした。

 ミネラルと人間の健康の関わりについて、文献を集め出したのは定年後であります。その大きなきっかけになったのは、倉澤隆平先生(長野県東御市の診療所医師)が発表された亜鉛欠乏の患者さんが多いという報告でした。何でも欲しい食べ物が手に入る現代の日本において、亜鉛欠乏の方が高齢者では3人に一人の割合でおられるという事実に驚きました。若い女性に鉄欠乏の方が多いことは聞いてはいましたが、亜鉛欠乏も非常に多いこともわかりました。しかも、褥瘡やアトピーなどの病気を抱える多くの方が、亜鉛投与で軽快化するという事実も衝撃的でした。

 また、野菜に多く含まれている硝酸態窒素には、1994年に4つの大発見がありました。そして、硝酸態窒素は胃液や抗酸化物質で一酸化窒素に変換されることにより、血管を弛緩させ血液が流れやすくなる作用等があることや、ミトコンドリアにおいてATP(アデノシン三リン酸)を合成する能力が向上したといった効果が明らかになってきました。そのため、イギリスではアスリートが、硝酸態窒素を多く含むビートジュースを飲むようになり、硝酸態窒素の乳児以外の人体での有用作用が一般化されつつあります。
 しかし、日本国内では、農家も消費者も、農業技術研究者も野菜流通関係者さえもまだ、硝酸態窒素は有害で、野菜の硝酸態窒素含有量は低い方がよいと思っています。

 WHOは1996年に「野菜から摂取する硝酸塩の量をADI(一日許容摂取量)と直接比較することや、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切ではない」と報告しています。ところが、日本も含めたEU以外の国では野菜の硝酸イオン濃度の制限をしていないにもかかわらず、EUだけが規制を継続しているため、日本国民はEUの規制の方が正しいと信じているようです。

 今まで「硝酸イオンを多く含む野菜は悪い」とされてきましたが、その常識も正しくはありません。 これ以外にも、多くの人が誤解して、健康に良いと思われている物質が人体にはむしろ有害であるという真逆の事実がいくつもあります。

 そこで、当研究所の今後の活動方針の3本柱を次に示します。
 @ 有機農業やミネラルの学問的側面の強化に役立つ情報発信する。
 A 肥料成分・ミネラルがいかに人間の健康に役立っているかを情報発信する。
 B 農業振興の目的は、食糧確保と共に人々の健康維持・向上である。肥料・ミネラルにかかわらず、
   広く食と人の健康についての正しいエビデンスの集積と情報を発信する。
 これらをホームページ、各種メディア、講演などで情報発信していきます。

付記)下記は仏法の教えであるが、私の行動規範を示す。 
 自誓 1、心ひろびろとさわやかに生きん
    1、真実を求めてひとすじに生きん
    1、大勢の人々の幸せのために生きん
 私はさわやかに生きたいし、大勢の人々の幸せのために生きたいと思う。その手段として科学における真実、自然界の真実を大切にしたいのである。世間に流布している健康情報にも時には間違いがある。それらを、エビデンスでもって、注意喚起もしたい。それが本研究所設置の目的である。

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