● 清和村の味がつまった「お芝居弁当」


 文楽を鑑賞する楽しみの一つが、「お芝居弁当」です。清和の味を知る50代、60代の農家の女性たちが腕をふるいます。食材も海の魚は一切使わず、山菜など村の素材が中心。清和村ならではの味が受けています。文楽の登場人物にちなみ、「お鶴弁当」「お弓弁当」「お里弁当」「初菊弁当」「時姫弁当」などと名前がつけられています。
「お芝居弁当」の原型は、村の神社で行なわれる豊作祈願のお祭に必ず持っていった「重箱弁当」。奉納芝居を楽しみながら、同時に、それぞれの弁当を楽しみ、各家庭の味を交換しあい、競い合いました。お祭は、料理コンテストの場でもあったのです。清和村の「お芝居弁当」には、むらで培われた清和の味がつまっています。