● 山の暮らしを生かすシイタケ栽培


 昔からの林業に代わり、鳳来地区で盛んになったのはシイタケ栽培です。栽培法には、松や杉のおがくずに菌をまく菌床栽培方式もありますが、集落の生産者は全員、菌に木の栄養を吸わせて育てる原木栽培にこだわります。そのため、原木が安定して確保できるように、植林にも積極的に取り組んでいます。
 「自分の生活のためにやってきた林業が、結果として景観や自然環境保全にも役だった」というのは前区長の山野千代喜さん。シイタケの加工品も開発するなど、地域資源を活用し、地域を守る技と心が、鳳来地区の人たちに受け継がれています。