● 室町から戦国の支配者・里見氏ゆかりの名刹が数多く残る


 三芳村の歴史を代表するのは、室町から戦国時代にかけて10代170年間、この地を支配していた里見氏の存在です。里見氏4代・実堯、6代・義堯、7代・義弘の墓がある延命寺や里見氏の祈願所だった宝珠院などゆかりの名刹も多く残されています。「快元僧都記」の1537(天文6)年の記事によると、上滝田根古屋にあった滝田城は里見義堯の居城だったといわれています。 滝沢馬琴が28年かけ、96巻106冊に著した一大長編小説「南総里見八犬伝」は、滝田城から物語が出発し、20年の後にめぐり合った八犬士が揃って帰参してくるのも滝田城でした。
「南総里見八犬伝」の作者・滝沢馬琴は一度も物語の舞台である房総のこの地を訪れていません。里見旧記や1761年に記された房総志料5巻を参考にして、中国の古典を元に編んだ一大創作だったのです。