- 座談会 現在の子どもたちをみつめ,これからの教育を考える―幼少関連の立場から― 和田泰輔,石川正光,金子 明,越山めぐみ,白岩 等
- 論 説 学ぶ意欲を喚起する理科カリキュラム構成に向けて 松森靖夫
- 論 説 学習指導要領の見直しに当たって 清水 堯
- 提 言 いま 自然・学習を重視―世紀の人の教育― 西村 功
- 提 言 理科好きで真の力(理科の学力)のある子を育てる 白岩 等
- 提 言 「自然を愛する心情を育てる」という目標をめぐって考える
―日本の科学(理科)と西欧の科学(サイエンス)の違いに着目して― 東 徹哉
- 提 言 「自然に親しむ」ことを大切にした学習指導 沼舘寿朗
平成14年4月に全面実施の学習指導要領から,その解釈の仕方に変化が生じた。つまり,学習指導要領で示された内容を最低基準とし,発展的な学習の取組みも可能にするという捉え方の大きな転換である。その根底にあるのが学力低下の問題である。
そのようななか,時間数の減少による内容の厳選を前提として行われた学習指導要領の改訂は,理科のカリキュラムを歪なものに変えてきたように思われる。例えば,内容選択の導入である。子どもの立場に立ったとき,その選択はどういう意味があるのか,むしろ深まりという点ではマイナスの要素が大きいのではないか。
また,空気の学習が4年生で初めて出てくるが,その主な内容はいきなり「空気の弾性」に関するものである。しかし,「材」としての空気のかかわり,あるいは「存在」としての空気のかかわりが先行経験の中に乏しいため,この空気の学習にもいろいろな面で齟齬をきたしている。
いまここで,「子どもの発達と問題解決」という視点から,子どものわかり方にそったものになっているかどうかということを,今一度考え直してみることが必要ではないだろうか。
理科は自然の事物・現象を対象にして,そこに問題を見いだし,自然とかかわりながらそして,仲間とのかかわりを通してその問題を解決していく教科である。
そういうことから,本号では,さまざまな角度から,これからの小学校理科のカリキュラムのあり方について考えていきたい。 (担当/白岩 等)
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