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日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
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2006年5月号 No504
特集 知的ボルテージを高める理科授業
5月号表紙
  • 座談会 知的ボルテージを高めるには 尾場瀬優一,寺園伸二,森川 悟,有村和章,平 千力
  • 論 説 問題意識と知的な動機づけ 宮崎大学教育文化学部 中山 迅
  • 論 説 「知的ボルテージ」に期待すること 鹿児島県教育委員会 寺園 伸二
  • 主題研究 知的満足を引き出す理科学習 藤崎博隆
  • 主題研究 追究意欲を高め,科学的な見方・考え方を育む学習材の工夫
    ―子どもの感じとる心を刺激し,問い続ける心を膨らませる学習を― 藤井 創一
  • 主題研究 能動的自己評価をもとにしたチャレンジタイムの導入
    ―5年「もののとけ方」― 稲井 雅大


 理科授業を行うなかで,子どもたちが試行錯誤しながら必死で問題を解決し,わかったと実感できるときには必ず学習意欲の高まりがあります。子どもたちが本気で授業に取り組む姿が見られます。子どもたちに内在するこのような学習意欲の高まりを,今月号では「知的ボルテージ」と呼ぶことにします。
 この知的ボルテージを高めるためには,学習内容,指導方法,指導技術など,いろいろなことが要因としてあげられると思います。
 例えば,4年生の「月と星」の月の学習を例にとると,月の動きについての学習内容は,子どもたちが確実に観察を行うと,その結果を話し合うまでもなく,月は東から南を通り西へ沈むことを理解します。子どもたちの知的ボルテージが高まるのは,観察の最中に生じる,月の出る時刻の違いであったり,月の満ち欠けであったりします。
 月の満ち欠けの問題を例にとると,モデル実験を通して子どもたちは,太陽と月と地球の位置関係によって月の形が変わっていくことを理解していきます。しかし,太陽と地球と月が一直線になったとき満月に見えるはずが,地球が太陽と月の間にあるため新月に見えることに気づき問題にします。このときに,実際の月と太陽と地球の大きさと距離を縮尺したモデルを提示することにより,子どもたちは地球や月に比べ太陽は大きく,遠いところにあるので満月に見えることを理解します。私の実践では,このことが理解できたとき,子どもたちの知的ボルテージが最高潮に高まりました。この場合は,月の満ち欠けについて取り扱った学習内容と,それを解決するために持ちこんだ縮尺したモデルが,子どもたちの知的ボルテージを高めたと思います。今月号はこのように,知的ボルテージが高まるにはどのようにすればよいのかを,考えていきたいと思います。 (担当/平 千力)
  

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2006年
4月増刊号 学力低下を克服する 小学校理科の新展開
4月号 こうすれば楽しくなる,理科の授業!!―若い先生方とともに育つために―
3月号 小学校理科はこれでいいのか―学習指導要領改訂への提言―
2月号 問題解決の力を育む
1月号 子どもが「わかった」と実感できる授業
2005年
12月号 子どもの見方や考え方をとらえる
11月号 見えない世界を楽しむ
10月号 他教科との関連を踏まえた新世紀型理科教育
9月号 こだわりを育てる理科授業
8月号 確かな学力に高める「説明活動」
7月号 子どもの出番! 教師の出番!
6月号 先行学習の有効性
5月号 教師を理科好きにする“新しい校内研修”
5月増刊号 「真の学力」を育てる 理科の学習指導案集
4月号 ふるさとの自然に自信と誇りを育てる授業
3月号 個の学びを生かした 練り上げのある授業
2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
2004年
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
9月号 わかる理科授業をめざして
8月号 21世紀型の教材研究
7月号 特集:子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
6月号 特集:みがけ! 感性
5月号 専門家の協力を得た授業
4月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
4月号 確かな学力を育てる理科授業
3月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
2月号 「問題解決と学力」を問う
1月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
2003年
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
9月号 ポートフォリオを生かす
8月号 教師の指導力を問う
7月号 ものづくりで科学する力を
6月号 どうする? 発展的・補充的な学習
5月号 飼育・栽培の楽しみ
5月増刊号 楽しい理科の導入の工夫
4月号 ワンランク上の学力をつけたい
3月号 学習指導要領をみつめなおす
2月号 学力低下への緊急提言
1月号 理科から総合へ
2002年
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
9月号 わかる喜びをめざす理科の授業
8月号 教材化を図る教師の眼
7月号 自然体験活動のすすめ方
6月号 理科の授業と仲間づくり
5月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
5月増刊号 理科に役立つ栽培植物
4月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
3月号 感動を表現する子どもを育てる
2月号 現代日本の理科離れの危機
1月号 子どもの仮説が生きる授業
2001年
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
9月号 理科で育つ学力
8月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
7月号 事実を大事にした授業
6月号 生命観を養う理科授業
5月号 地域の自然 目のつけどころ
5月増刊号 もっと活かそう学校環境
4月号 特集:私の考える「よい授業」
3月号 特集:心に残る授業
2月号 特集:理科で育つ資質や能力
1月号 特集:心の世紀と理科の教育

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