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日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
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2009年10月号 No545
実験結果のまとめと評価
10月号表紙
  • 特集キーワード 中田晋介
  • 太陽が消えていく!─奄美大島日食観測記─ 露木和男
  • インタビュー 角屋重樹氏に聞く/「実験結果のまとめと評価」について
  • 素朴概念から科学的概念への変化を支える数的表現とその評価 湯澤正通
  • 実験結果の効果的な検証法
    ─6学年「水溶液の性質」の実践を通して─ 岸俊之
  • 主題研究を読んで 中田晋介
  • 仲間との議論が実験の目的を明確にする
    ─4学年「不思議リサーチ-水の変身-」での子どもの姿を通して─ 浅野一清
  • 主題研究を読んで 鷲見辰美
  • 理科教育新時代の幕開け
    ─理科教育研究団体の自立と連携,協力─ 日置光久・村山哲哉
  • 「第42回全国小学校理科研究大会 東京大会」の案内

 2000年のPISAの中では,「科学の方法」に関連する能力(技能)として,5つあげられています。その中に「(3)結論を出すことと評価すること」と記述されています。2006年のPISAにおいても,「科学の方法」として,3つあげており,その中で「科学の方法C:科学的な証拠と結論について解釈を行うこと」と記述されています。これらは,科学の方法として,観察・実験の結果を整理し結論を出すことと,その結論について評価・解釈することの大切さを示していると,考えることができるのではないでしょうか。

 この観察・実験の結果を整理し考察する活動の重要性は,平成20年8月に告示された小学校学習指導要領においても,その一端を見ることができます。理科改訂の趣旨において,「(i)改善の基本方針(ウ)科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から,学年や発達の段階,指導内容に応じて,例えば,観察・実験の結果を整理し考察する活動……」と述べられています。また,(ii)改善の具体的事項において,「(エ)児童の科学的な見方や考え方がいっそう深まるように,観察・実験の結果を整理し考察し表現する学習活動を重視する」と述べられており,言語活動の充実と中学校までを見据えた問題解決の能力について示されています。

 この観察・実験の結果を整理し考察する活動の重要性は,現代になって盛んに言われていることではなく,昭和22年の学習指導要領においても,理科の指導法として,実験の結果をまとめる活動は重視されています。

 では,このように科学の方法としてとても重要だと考えられるこの「実験結果のまとめと評価」を行う目的は,何なのでしょうか。学習指導要領に示されているように,科学的な思考力・表現力の育成が目的となる場合もあるでしょう。また,素朴概念から科学的概念形成が目的となる場合もあるのではないでしょうか。

 そこで,特集テーマを「実験結果のまとめと評価」に設定することで,この「実験結果のまとめと評価」では,具体的に何をねらえばよいのか,また,新学習指導要領では,具体的にどのようなことをねらっているのか,誌上において理論的に整理し,具体的な実践レベルで方法を示すことができたら,全国の読者の方に日々の授業において参考にしていただけるのではないかと考えました。
(担当/中田晋介)


  

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2009年
9月号 活用できるものづくり教材
8月号 教師と子どもをつなぐ板書術
7月号 環境教育と理科
6月号 学ぶ価値を実感する授業
5月号 今こそ,自然観察力を育てたい
4月号 新学習指導要領をどう実践するか
3月号 科学史を授業に生かす
2月号 「生命」「地球」概念の授業
1月号 科学的思考力を育てる
2008年
12月号 実感を伴った理解
11月号 「伝え合う力」を育てる理科授業
10月号 習得・活用・探究学習と子どもの思考
9月号 活用力を高める「深化課題」の開発
8月号 人間力の向上
7月号 「エネルギー」「粒子」概念の授業を考える
6月号 「ことば」を重視する理科の授業とは
5月号 自然・科学・実感 はじまる新しい理科!
4月号 PISA型科学的リテラシー
3月号 活用力を育てる授業
2月号 意味の理解を伴った知識や技能の習得のさせ方
1月号 「子ども理解」を深めるために
2007年
12月号 研修・授業分析の生かし方
11月号 授業力を磨く
10月号 子どもの発達と問題解決
9月号 今,福島が熱い! 全国大会への道
8月号 授業が成り立つ問題が見えてくる
7月号 実生活と授業をつなぐ
6月号 授業がぐっと深まるこの発問
5月号 授業における子どもの「ひらめき」
4月号 “状況に入る学び”と“状況をつくる学び”
3月号 “読解力”を育てる理科授業の改善
2月号 「何を」かくか 「いつ」かくか
1月号 児童に考えさせる実験結果のまとめ方
2006年
12月号 今,単元構成を考える
11月号 教えて考えさせる授業と問題解決
10月号 話し合いを深めるキーワードとは?
9月号 感性をみがく理科教育
8月号 知識の差,経験の差を乗り越える理科授業
7月号 幼・小・中連携を踏まえた学習指導要領改訂のポイント
6月号 「表現力」を理科で鍛える
5月号 知的ボルテージを高める理科授業
4月増刊号 学力低下を克服する 小学校理科の新展開
4月号 こうすれば楽しくなる,理科の授業!!―若い先生方とともに育つために―
3月号 小学校理科はこれでいいのか―学習指導要領改訂への提言―
2月号 問題解決の力を育む
1月号 子どもが「わかった」と実感できる授業
2005年
12月号 子どもの見方や考え方をとらえる
11月号 見えない世界を楽しむ
10月号 他教科との関連を踏まえた新世紀型理科教育
9月号 こだわりを育てる理科授業
8月号 確かな学力に高める「説明活動」
7月号 子どもの出番! 教師の出番!
6月号 先行学習の有効性
5月号 教師を理科好きにする“新しい校内研修”
5月増刊号 「真の学力」を育てる 理科の学習指導案集
4月号 ふるさとの自然に自信と誇りを育てる授業
3月号 個の学びを生かした 練り上げのある授業
2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
2004年
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
9月号 わかる理科授業をめざして
8月号 21世紀型の教材研究
7月号 特集:子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
6月号 特集:みがけ! 感性
5月号 専門家の協力を得た授業
4月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
4月号 確かな学力を育てる理科授業
3月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
2月号 「問題解決と学力」を問う
1月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
2003年
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
9月号 ポートフォリオを生かす
8月号 教師の指導力を問う
7月号 ものづくりで科学する力を
6月号 どうする? 発展的・補充的な学習
5月号 飼育・栽培の楽しみ
5月増刊号 楽しい理科の導入の工夫
4月号 ワンランク上の学力をつけたい
3月号 学習指導要領をみつめなおす
2月号 学力低下への緊急提言
1月号 理科から総合へ
2002年
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
9月号 わかる喜びをめざす理科の授業
8月号 教材化を図る教師の眼
7月号 自然体験活動のすすめ方
6月号 理科の授業と仲間づくり
5月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
5月増刊号 理科に役立つ栽培植物
4月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
3月号 感動を表現する子どもを育てる
2月号 現代日本の理科離れの危機
1月号 子どもの仮説が生きる授業
2001年
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
9月号 理科で育つ学力
8月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
7月号 事実を大事にした授業
6月号 生命観を養う理科授業
5月号 地域の自然 目のつけどころ
5月増刊号 もっと活かそう学校環境
4月号 特集:私の考える「よい授業」
3月号 特集:心に残る授業
2月号 特集:理科で育つ資質や能力
1月号 特集:心の世紀と理科の教育

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