- 特集キーワード 中田晋介
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- インタビュー 角屋重樹氏に聞く/「実験結果のまとめと評価」について
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- 実験結果の効果的な検証法
─6学年「水溶液の性質」の実践を通して─ 岸俊之
- 主題研究を読んで 中田晋介
- 仲間との議論が実験の目的を明確にする
─4学年「不思議リサーチ-水の変身-」での子どもの姿を通して─ 浅野一清
- 主題研究を読んで 鷲見辰美
- 理科教育新時代の幕開け
─理科教育研究団体の自立と連携,協力─ 日置光久・村山哲哉
- 「第42回全国小学校理科研究大会 東京大会」の案内
2000年のPISAの中では,「科学の方法」に関連する能力(技能)として,5つあげられています。その中に「(3)結論を出すことと評価すること」と記述されています。2006年のPISAにおいても,「科学の方法」として,3つあげており,その中で「科学の方法C:科学的な証拠と結論について解釈を行うこと」と記述されています。これらは,科学の方法として,観察・実験の結果を整理し結論を出すことと,その結論について評価・解釈することの大切さを示していると,考えることができるのではないでしょうか。
この観察・実験の結果を整理し考察する活動の重要性は,平成20年8月に告示された小学校学習指導要領においても,その一端を見ることができます。理科改訂の趣旨において,「(i)改善の基本方針(ウ)科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から,学年や発達の段階,指導内容に応じて,例えば,観察・実験の結果を整理し考察する活動……」と述べられています。また,(ii)改善の具体的事項において,「(エ)児童の科学的な見方や考え方がいっそう深まるように,観察・実験の結果を整理し考察し表現する学習活動を重視する」と述べられており,言語活動の充実と中学校までを見据えた問題解決の能力について示されています。
この観察・実験の結果を整理し考察する活動の重要性は,現代になって盛んに言われていることではなく,昭和22年の学習指導要領においても,理科の指導法として,実験の結果をまとめる活動は重視されています。
では,このように科学の方法としてとても重要だと考えられるこの「実験結果のまとめと評価」を行う目的は,何なのでしょうか。学習指導要領に示されているように,科学的な思考力・表現力の育成が目的となる場合もあるでしょう。また,素朴概念から科学的概念形成が目的となる場合もあるのではないでしょうか。
そこで,特集テーマを「実験結果のまとめと評価」に設定することで,この「実験結果のまとめと評価」では,具体的に何をねらえばよいのか,また,新学習指導要領では,具体的にどのようなことをねらっているのか,誌上において理論的に整理し,具体的な実践レベルで方法を示すことができたら,全国の読者の方に日々の授業において参考にしていただけるのではないかと考えました。
(担当/中田晋介)
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