- 特集キーワード 中村大地
- インタビュー 安部義孝氏に聞く/命の教育をめざして
- 「理科離れ」と教師の苦手意識 貫井正納
- 「自然離れ」から「理科離れ」へ 猿倉三喜彦
- 子どもとともに実感する理科学習の創造
─6学年「電気の利用」の学習を通して─ 光畑真
- 校内星座観察会で学んだこと 鎌田映一
- 問題意識を高め,思考が連続する理科学習の進め方
─4学年新単元「人の体のつくりと運動」の実践を例として─ 須賀昌俊
「理科離れ」ということばが,教育界で使われるようになってから,かれこれどれくらい経っているのでしょうか。
われわれ理科に携わる者にとっては,そのことばを耳にするたびに,「子どもたちは,手を動かして活動することも,考えることも,話し合うことも大好きなのになぁ」と思ってしまいます。また,さまざまな調査結果からも,「好きな教科」として,多くの子どもたちが「理科」をあげていることも事実です。
上記の事実や,自分の身の回りの同僚や先輩,最近,採用された方たちを見る限り,「理科離れ」しているのは,子どもたちではなく教師であることは否定できません。「理科から離れたい」と思っている先生方が,数多くいることが現状です。
今回,このテーマの編集を担当するにあたり,まわりの同僚に話を聞いてみたところ,「準備や,後片づけが面倒くさい」「教科書通りの実験結果が出ない」「子どもたちのケガがこわい」など,ある程度予想された内容の返答がいくつもありました。しかし中には,「学習問題になかなか辿り着かない」「実験結果をもとに話し合ってまとめるのが難しい」といった,捉え方(受け止め方)によっては,“前向き”とも取れる返答があったことも事実です。
前者の「学習問題になかなか辿り着かない」ということは,「子どもたちに問題を持たせてから,先に進めたい」という意識の表われであり,「実験結果をもとに話し合ってまとめるのが難しい」というのは,「子どもたちの出した結果を生かして,まとめていきたい」という思いの表われではないでしょうか。
そのように考えている先生方は,授業の進め方のコツさえつかんでもらえば,「理科離れ」どころか,一転して「理科狂い」になる可能性も十分秘めているのではないでしょうか。
そこで今号では,「理科離れ」の正体を探りながら,その現状について考えたり,対応策や実践例を紹介していただいたりすることで,「理科から離れたい先生方」の持つ苦手意識を少しでも取り除くことができればと考えています。
(担当/中村大地)
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