- 6学年「電気の利用」の教材活用 教材提供:ケニス株式会社
- 特集キーワード 森田和良
- 日本初等理科教育研究会 第50回全国大会に期待すること
─未来を拓く問題解決─ 村山哲哉
- 全国大会に集おう 一寸木肇
- 第50回全国大会中央大会の主張
─問題解決を見直す─ 末永昇一
- 第50回全国大会中央大会
基調提案・大会主題 未来を拓く問題解決 田村高広
21世紀は,新しい知識・情報・技術が,政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す,いわゆる「知識基盤社会」の時代であるといわれています。また,環境破壊,エネルギー問題,貧困などの地球的な問題も生じており,未来に生きる子どもたちには,解決しなくてはいけない課題も山積しています。
教育の場では,このような厳しい状況においても通用する能力として,「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の調和がとれた「生きる力」を育むことが,たいへん重要です。その具体的な場面としてクローズアップさせたいのが,「問題解決」の場面設定です。問題解決場面には,課題となっている知識や技能,能力が求められます。問題を解決していくプロセスでは,関係する知識や技能を習得するだけでなく,それらを活用し,より深い意味理解へと導くことができます。そこで獲得し使うことのできた知識や技能,能力は,彼らが将来に出会うであろう未知の問題においても,きっと有効に働いてくれるものであると信じています。
本大会のテーマ「未来を拓く問題解決」には,そのような願いが込められています。
今回の提案において特に注目したい視点の1つに,「知識・技能の転移」があります。これは,「習得・活用・探究」における「活用」場面で探ることができます。ですから,活用型の理科授業を設定することで,知識・技能の転移を促すことができると考えます。
また,転移をより促進させるためには,深い意味理解を子どもたちが実現することが必要です。その意味理解を促す場面の1つには,「言語活動」があります。
いずれの場面も,習得した知識・技能を“使う”場面が設定されています。使うことで深い理解に至るとともに,習得した知識・技能が使えるという意識になり,積極的に使おうとする動機づけにもなるのです。
本号では,「未来を拓く問題解決」について,理論面と実践面からアプローチしてみました。ぜひ,10月の全国大会会場で,一緒に学びあいましょう。
(担当/森田 和良)
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