- 4学年「物のあたたまり方」の教材活用 教材提供:ケニス株式会社
- 特集キーワード 佐々木昭弘
- 科学的な見方や考え方を鍛えるノート指導
─科学論文のスタイルから学ぶ言語力─ 小田切 真
- 記録することが当たり前になる3学年に
─くり返すなかで鍛えられていく─ 原 啓一朗
- 子どもが「自らの言葉で語る」ノート指導
─3学年「水と油の重さはどちらが重いの?軽いの?」の事例から─ 菅野潤
- 思考と表現活動の充実 小松浩行
- ノートの記録を活かす指導を考える
─「単なる記録」ノートから「活きる記録」ノートへ─ 近藤智子
- 問題解決の流れに沿って,その日の授業を再現できる
ノート作りを目指して!! 榊 邦宏
- 自然の事象に対する見方や考え方を高めるためのノート指導
─6学年「植物の体のつくりと働き」から─ 深田剛生
- 言語力を鍛えるノート指導 ─図を有効に使う─ 鷲見辰美
- [国語科]国語が苦手な先生のための
ノート指導の基礎技術 桂 聖
- [算数科]考えた跡が残るノートを作る 夏坂哲志
そもそも理科ノートとは,子どもにとってどのような存在なのでしょうか。教師の板書を写すための単なるメモ帳にすぎないのならば,それは実にもったいないことです。
教師であるわたしたちもノートを何冊か持っていますが,それは単なるメモ帳ではないでしょう。その時々の考えやアイデアを文字や図に変換しながらノートに落とし込み,自分の考えを整理・構築することを目的としているはずです。その整理・構築の過程で,新しい考えが生まれてくることが少なからずあります。
さらに,ノートに記録した情報が,後に活用されることもあります。似たような問題に出会ったとき,これまでにノートに書き込んだ情報の中に解決のヒントが隠れているのです。書き込んだときには予想もしなかった宝物に出逢う瞬間です。
子どもの理科ノートも,問題解決のための思考ツールになり得るものにできないでしょうか。ノートづくりの過程で,子どもたちは,観察・実験の事実や自分の考えを言葉や図表として表現します。そして,授業の後にノートを見れば,自分がどのような過程を経て学習を進めてきたのかがわかる……そんなノートにしたいのです。そうなったとき,単なる記録としてのノートに,自分の学習に活用できる「大切な資料」としての価値が付加されるに違いありません。
ノート指導を,子どもの「言語力」を鍛える絶好の場であると考えてみたいのです。
そこで本特集では,子どもたちの「言語力」を鍛える理科ノート指導のアイデアを,中・高学年に分けて紹介していただきました。また,筑波大学附属小学校の国語部,算数部の教師からもノート指導の実践を紹介していただきました。ぜひ,さまざまな実践を比較して,お読みいただきたいと思います。必ず,新しい発見があるはずです。
(担当/佐々木昭弘)
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