月刊 現代農業 季刊 のらのら 隔月 保健室
  季刊地域 季刊 うかたま 季刊 生物科学

日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
バックナンバー購入
2013年1月号 No584
言語活動を生かした問題解決を考える
1月号表紙
  • 6学年「電気の利用」の教材活用 教材提供:株式会社ナリカ
  • 特集キーワード 成田恵・塚田昭一
  • 【大会あいさつ・日程と内容】
    未来を指向し,実行する子どもを求めて 勝浦隆子
    大会の日程と内容 西分健二
  • 【記念講演】 新しい理科教育の創造
    ─日本初等理科教育研究会全国大会旭川大会─ 村山哲哉
  • 【研究提案】 研究主題
    「自然に親しみ,科学的に考え,自ら論理をつくる子どもの育成」
    ─言語活動を生かした問題解決の充実─ 成田恵
  • 【授業の様子と研究協議】
    3学年・単元名「物と重さ」
    ─体験を重視し,自分なりの根拠をもって
    問題解決する子どもをめざして─
    4学年・単元名「月と星」
    ─月の継続観察を充実するための,社会教育施設との連携と教材─
    5学年・単元名「電流が生み出す力」
    ─科学の有用性を実感させるための教材の工夫─
    6学年・単元名「電気の利用」
    ─エネルギーの有効利用について考えを育てる
    携帯型扇風機の活用─
    中学年講評
    「観察・実験の充実なくして言語活動の充実はない」 白岩等
    高学年講評
    「言語活動を生かした問題解決の充実」 佐々木昭弘
  • 【研究発表と研究協議】
    3学年 青田雅子・坪谷正樹/4学年 木村幸泰・中村弘樹
    5学年 永野いつか・新澤一修/6学年 相馬昌之・宮田慶貴
  • 【座談会・大会を終えて】
    旭川大会を終えて─研究部長,各学年チーフに聞く



基調提案をする成田恵・研究部長

 今月号は,日本初等理科教育研究会全国大会旭川大会の特集です。旭川大会では,研究主題を「自然に親しみ,科学的に考え,自ら論理をつくる子どもの育成」と設定し,子どもたち一人ひとりが自分ごととして問題を捉え,観察・実験などの体験にもとづいた言語活動を生かして問題解決する姿や,科学の有用性を実感することをめざした授業を提案しました。

 本主題を実現するために,体験を基盤とした言語活動が大切であると考えました。そのため,言語活動の意味や価値を今一度捉え直し,体験をいっそう充実させつつ,体験を基盤とした言語活動を位置づけた問題解決をめざした授業を提案しました。また,未来や環境について考える子どもを育てていくためにも,単元の学習で収束してしまうだけではなく,科学の有用性を実感させることも視野に入れた単元構成が重要だと考え,単元構成の工夫をしました。

 「体験を基盤とした言語活動の充実」では,体験,つまり事象と出会い,観察・実験などの活動を通して問題意識を高めることができました。このことにより,根拠のある仮説が立てられ,結果や考察まで確かな見通しをもちながら,観察・実験を実行することができました。また,結果や考察を仲間と共有しながら問題を解決することで,観察・実験という体験をもとにしながらより確かな言語による結論へと導くことができました。このことが,自ら科学的に考え,問題を解決しようとする子どもを育てることにつながると考えます。

 「科学の有用性の実感」では,学習したことを生活と関連づけたり,学習したことを使ったりする活動を設定しました。このことにより,学習が授業だけに終わってしまうのではなく,学習と生活とのつながりに気づき,科学の有用性を実感させることになり,そして理科を学ぶことの意味を感じさせることができました。このことが,未来の社会の構築のために科学を活用する子どもを育てることにつながると考えます。

 この2つの視点を踏まえた問題解決を図ることが,子どもたちの学びの質を高め,日本の未来を担う子どもたちの育成につながると考え,提案しました。
 本号から,理論と実践の合一を図った取組みを感じ取っていただけたら幸甚です。

(担当/成田恵・塚田昭一)


  

Back Number

2012年
12月号 問題解決再考
11月号 学力調査から見えた理科の学力
10月号 言語力を鍛えるノート指導のアイデア
9月号 理科における言語活動
8月号 エネルギー・環境教育を考える
7月号 自然を体験して理科の楽しさアップ!
6月号 理科授業に生きるおもしろ観察・実験
5月号 理科の授業作りが楽しくなる3つの方策
4月号 「科学的な思考・表現」を評価する
3月号 外部との連携で理科の楽しさアップ!
2月号 評価の仕方で授業が変わる「思考・表現」
1月号 新単元の成果と課題
2011年
12月号 新単元の成果と課題
11月号 推論する能力を育てる
10月号 未来を拓く問題解決 第50回全国大会
9月号 子どもの思考を深める板書
8月号 ものづくりと問題解決
7月号 実感を伴った理解
6月号 子どもを引きつける新しい「終末指導」の考え方
5月号 イメージ化の有効性
4月号 新学習指導要領「理科」で育つ子どもの姿
3月号 活用型授業と理解深化
2月号 評価のしかたで授業が変わる―関心・意欲・態度
1月号 言語活動の「評価」
2010年
12月号 理科における言語活動の充実
11月号 系統性を重視した指導(生命・地球)
10月号 確かな学力を育む理科の系統性(エネルギー・粒子)
9月号 メディアと問題解決
8月号 教科をつなぐ理科
7月号 子どもの学びと実験・観察
6月号 「A区分」新内容・新教材 こう授業する
5月号 生命・地球「B区分」の魅力にせまりたい
4月号 新学習指導要領で授業はこう変わる
3月号 子どもの問いかけをどう組織化するか
2月号 理科と「言語活動」
1月号 学ぶ喜びのある授業
2009年
12月号 「理科離れ」の正体を探る
11月号 考察力を高める
10月号 実験結果のまとめと評価
9月号 活用できるものづくり教材
8月号 教師と子どもをつなぐ板書術
7月号 環境教育と理科
6月号 学ぶ価値を実感する授業
5月号 今こそ,自然観察力を育てたい
4月号 新学習指導要領をどう実践するか
3月号 科学史を授業に生かす
2月号 「生命」「地球」概念の授業
1月号 科学的思考力を育てる
2008年
12月号 実感を伴った理解
11月号 「伝え合う力」を育てる理科授業
10月号 習得・活用・探究学習と子どもの思考
9月号 活用力を高める「深化課題」の開発
8月号 人間力の向上
7月号 「エネルギー」「粒子」概念の授業を考える
6月号 「ことば」を重視する理科の授業とは
5月号 自然・科学・実感 はじまる新しい理科!
4月号 PISA型科学的リテラシー
3月号 活用力を育てる授業
2月号 意味の理解を伴った知識や技能の習得のさせ方
1月号 「子ども理解」を深めるために
2007年
12月号 研修・授業分析の生かし方
11月号 授業力を磨く
10月号 子どもの発達と問題解決
9月号 今,福島が熱い! 全国大会への道
8月号 授業が成り立つ問題が見えてくる
7月号 実生活と授業をつなぐ
6月号 授業がぐっと深まるこの発問
5月号 授業における子どもの「ひらめき」
4月号 “状況に入る学び”と“状況をつくる学び”
3月号 “読解力”を育てる理科授業の改善
2月号 「何を」かくか 「いつ」かくか
1月号 児童に考えさせる実験結果のまとめ方
2006年
12月号 今,単元構成を考える
11月号 教えて考えさせる授業と問題解決
10月号 話し合いを深めるキーワードとは?
9月号 感性をみがく理科教育
8月号 知識の差,経験の差を乗り越える理科授業
7月号 幼・小・中連携を踏まえた学習指導要領改訂のポイント
6月号 「表現力」を理科で鍛える
5月号 知的ボルテージを高める理科授業
4月増刊号 学力低下を克服する 小学校理科の新展開
4月号 こうすれば楽しくなる,理科の授業!!―若い先生方とともに育つために―
3月号 小学校理科はこれでいいのか―学習指導要領改訂への提言―
2月号 問題解決の力を育む
1月号 子どもが「わかった」と実感できる授業
2005年
12月号 子どもの見方や考え方をとらえる
11月号 見えない世界を楽しむ
10月号 他教科との関連を踏まえた新世紀型理科教育
9月号 こだわりを育てる理科授業
8月号 確かな学力に高める「説明活動」
7月号 子どもの出番! 教師の出番!
6月号 先行学習の有効性
5月号 教師を理科好きにする“新しい校内研修”
5月増刊号 「真の学力」を育てる 理科の学習指導案集
4月号 ふるさとの自然に自信と誇りを育てる授業
3月号 個の学びを生かした 練り上げのある授業
2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
2004年
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
9月号 わかる理科授業をめざして
8月号 21世紀型の教材研究
7月号 特集:子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
6月号 特集:みがけ! 感性
5月号 専門家の協力を得た授業
4月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
4月号 確かな学力を育てる理科授業
3月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
2月号 「問題解決と学力」を問う
1月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
2003年
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
9月号 ポートフォリオを生かす
8月号 教師の指導力を問う
7月号 ものづくりで科学する力を
6月号 どうする? 発展的・補充的な学習
5月号 飼育・栽培の楽しみ
5月増刊号 楽しい理科の導入の工夫
4月号 ワンランク上の学力をつけたい
3月号 学習指導要領をみつめなおす
2月号 学力低下への緊急提言
1月号 理科から総合へ
2002年
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
9月号 わかる喜びをめざす理科の授業
8月号 教材化を図る教師の眼
7月号 自然体験活動のすすめ方
6月号 理科の授業と仲間づくり
5月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
5月増刊号 理科に役立つ栽培植物
4月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
3月号 感動を表現する子どもを育てる
2月号 現代日本の理科離れの危機
1月号 子どもの仮説が生きる授業
2001年
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
9月号 理科で育つ学力
8月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
7月号 事実を大事にした授業
6月号 生命観を養う理科授業
5月号 地域の自然 目のつけどころ
5月増刊号 もっと活かそう学校環境
4月号 特集:私の考える「よい授業」
3月号 特集:心に残る授業
2月号 特集:理科で育つ資質や能力
1月号 特集:心の世紀と理科の教育

|| 農文協のトップへ || このページのトップへ ||