- 6学年「電気の利用」の教材活用 教材提供:株式会社ナリカ
- 特集キーワード 成田恵・塚田昭一
- 【大会あいさつ・日程と内容】
未来を指向し,実行する子どもを求めて 勝浦隆子
大会の日程と内容 西分健二
- 【記念講演】 新しい理科教育の創造
─日本初等理科教育研究会全国大会旭川大会─ 村山哲哉
- 【研究提案】 研究主題
「自然に親しみ,科学的に考え,自ら論理をつくる子どもの育成」
─言語活動を生かした問題解決の充実─ 成田恵
- 【授業の様子と研究協議】
3学年・単元名「物と重さ」
─体験を重視し,自分なりの根拠をもって
問題解決する子どもをめざして─
4学年・単元名「月と星」
─月の継続観察を充実するための,社会教育施設との連携と教材─
5学年・単元名「電流が生み出す力」
─科学の有用性を実感させるための教材の工夫─
6学年・単元名「電気の利用」
─エネルギーの有効利用について考えを育てる
携帯型扇風機の活用─
中学年講評
「観察・実験の充実なくして言語活動の充実はない」 白岩等
高学年講評
「言語活動を生かした問題解決の充実」 佐々木昭弘
- 【研究発表と研究協議】
3学年 青田雅子・坪谷正樹/4学年 木村幸泰・中村弘樹
5学年 永野いつか・新澤一修/6学年 相馬昌之・宮田慶貴
- 【座談会・大会を終えて】
旭川大会を終えて─研究部長,各学年チーフに聞く
基調提案をする成田恵・研究部長
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今月号は,日本初等理科教育研究会全国大会旭川大会の特集です。旭川大会では,研究主題を「自然に親しみ,科学的に考え,自ら論理をつくる子どもの育成」と設定し,子どもたち一人ひとりが自分ごととして問題を捉え,観察・実験などの体験にもとづいた言語活動を生かして問題解決する姿や,科学の有用性を実感することをめざした授業を提案しました。
本主題を実現するために,体験を基盤とした言語活動が大切であると考えました。そのため,言語活動の意味や価値を今一度捉え直し,体験をいっそう充実させつつ,体験を基盤とした言語活動を位置づけた問題解決をめざした授業を提案しました。また,未来や環境について考える子どもを育てていくためにも,単元の学習で収束してしまうだけではなく,科学の有用性を実感させることも視野に入れた単元構成が重要だと考え,単元構成の工夫をしました。
「体験を基盤とした言語活動の充実」では,体験,つまり事象と出会い,観察・実験などの活動を通して問題意識を高めることができました。このことにより,根拠のある仮説が立てられ,結果や考察まで確かな見通しをもちながら,観察・実験を実行することができました。また,結果や考察を仲間と共有しながら問題を解決することで,観察・実験という体験をもとにしながらより確かな言語による結論へと導くことができました。このことが,自ら科学的に考え,問題を解決しようとする子どもを育てることにつながると考えます。
「科学の有用性の実感」では,学習したことを生活と関連づけたり,学習したことを使ったりする活動を設定しました。このことにより,学習が授業だけに終わってしまうのではなく,学習と生活とのつながりに気づき,科学の有用性を実感させることになり,そして理科を学ぶことの意味を感じさせることができました。このことが,未来の社会の構築のために科学を活用する子どもを育てることにつながると考えます。
この2つの視点を踏まえた問題解決を図ることが,子どもたちの学びの質を高め,日本の未来を担う子どもたちの育成につながると考え,提案しました。
本号から,理論と実践の合一を図った取組みを感じ取っていただけたら幸甚です。
(担当/成田恵・塚田昭一)
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