- 7月の自然のたより 写真提供:増田和明
- 特集キーワード 白岩等
- インタビュー 真鍋真氏に聞く/恐竜発掘の醍醐味と研究最前線
- 「結果の考察」がなぜ難しいのか 中城満
- 考察,まとめ指導をどう行うか 白岩等
- 主体的な問題解決を補うプラネタリウムの活用
- ─4学年「月と星」の実践を通して─ 久世真奈美
- 「考察する」思考活動のベースには「仮説」あり 三井サナエ
- 考察させるには単元を見通すこと
- ─5学年「植物の花のつくりと結実」の実践から─ 田中秀明
国際学力調査,全国学力・学習状況調査などの結果から,日本の児童は観察・実験の結果を考察する力が弱いと言われている。その原因についてまとめると,以下のようなことが言えるのではないか。
○児童が予想を考える活動と比べて,結果を考察し結論を導き出す活動が十分に行われていない。
○児童が自分の言葉で考察を記述するというより,教師が黒板にまとめた文章を写して終わっている(思考が働いていない)。
○児童が(教師も)結果と考察を混同している。それゆえ,結果だけに注目し,わかったつもりになっている。
○見通しが曖昧なため,実験で何を調べ,何がわかったのかを深く考察できない。
等々
これらの実態を考えたときに,理科における「考察,まとめ指導のあり方」はどのようにしていったらよいだろうか。
考察は,観察・実験の結果をもとに行われるものである。それゆえ,児童が観察・実験の目的を明確に持つことがその前提となろう。そして,自らの観察記録や実験データをもとに,考察するということを考えれば,それらの記録の仕方に関しても指導の工夫が求められる。具体的に言えば,ノート指導のあり方と言えるだろう。そして,それらの記録をもとに,学級の中のグループや学級全体で,どのような話合いを持つかということが,「考察,まとめ指導」の鍵となる。各グループの記録をどのように掲示するか,教師はどのような発問をし,話合いを進めていくか。話合いの経過を教師はどのように板書していくか,思考活動をどう活性化し考察を深めていくか,等々の工夫が求められる。
本号では,これらのことを踏まえ,理科における「考察,まとめ指導のあり方」について考えるとともに,具体的な実践を交えながら明らかにしていきたい。
(担当/白岩 等)
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