<なぜ、佐久市が長寿日本一に?>平成7年、平成2年の国勢調査の結果が発表されたとき、市の関係者はびっくりしました。なんと、全国633市のなかで男性の平均寿命78.4歳で第1位、女性は83.7歳で第11位と佐久市が日本一の長寿のまちであることが判明したからです。長寿県として、有名なのは沖縄県。沖縄県は豚肉をよく食べ、良質なタンパク質を摂っている、うす味で塩分の摂取量が少ない、冬でも温暖なので冬場も高齢者が運動不足にならない、などが栄養学的に説明されています。 佐久市はというと、肉類の摂取は特に多くもない、漬物はよく食べるので、塩分の摂取量も多い、ましてや冬は寒い。これでは佐久市の関係者も驚くわけです。なぜ、うちの市が長寿日本一に?(略) |
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そのような佐久の食には、この地方が指折りの米どころであるという背景があります。米はもちろん、水田で鯉や鮒を育て、畔では大豆を作り、水路には小魚やゲンゴロウ、土手には地蜂の巣というように、田んぼからの恵みを余すところなくといただいてきたのです。「かけ菜」が象徴する素材の丸ごと・多彩な活用、昆虫食が象徴する地域の食資源全体を上手に生かす食生活。ことさら健康食品を食べているわけではなく、佐久の風土から生まれたそのような食生活が健康長寿につながっていたといえます。 結果をまとめるに際し、京都大学人間・環境学研究科の家森幸男先生にも助言をいただき、世界の長寿地域の食生活と共通点が多い、ということも指摘されました。 (略) |