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食農教育 No.14 2001年7月号より 遠藤和哉くんの家は、木曽川を見下ろす山と山に挟まれた急斜面にある。近所の人たちはみんなやさしく、家のまわりはとても平和そう。ところが、野菜の季節になると、みんなを困らせるやっかいものが現われる。和哉くんは2年生の夏休みの自由研究で、集落のみんなを救うべく、その正体を追った。 (編集部) ハクビシンのけんきゅうをはじめたわけぼくの家ぞくはみんなトウモロコシが大すきです。まい年、トウモロコシをそだてて、食べています。こ年はぼくもたねをまきました。大きくなっておいしいトウモロコシになるといいな。でも、トウモロコシは大きくなるとハクビシンに食べられてしまいます。きょ年もその前も食べられてしまいました。それでぼくはハクビシンのことをしらべて、トウモロコシが食べられないようにしようと思いました。
下河合の人へのハクビシンしらべ下河合にハクビシンがよくくると聞いたので、どれくらいひがいをうけているか、1けん1けん回ってしらべることにしました。聞いたことをメモしました。どこの家の人もやさしくこたえてくれたのでうれしかったです。 一番くわしくおしえてくれたのは、下のおじいちゃんでした。家のまえでぼーとすわっていたので、年だからこたえてくれないと思ったけど、聞いてみたらすごくくわしくてびっくりしました。 それから、ハクビシンに食べられた野さいの畑をちずにしました。 しらべてわかったことナスが1ばん食べられていて、どこの家でも食べられていた。2ばん目はトマト、3ばん目にスイカが多かった。「トウモロコシやトマト、スイカは作っても食べられてしまうので、作らなくなった」という家もありました。だから、ハクビシンがすきなのはナス、トウモロコシ、トマト、スイカの4つということがわかりました。ピーマンやカボチャよりもこの4つの野さいが1番すきだ。 ぼくは、どうしてこの4つの野さいがすきかな? と思いました。それは、ぼくはこの4つの野さいはあまいからだと思います。だって、トマトやスイカはとってもあまくておいしいからです。 ハクビシンになって畑のトウモロコシをまるかじりでも、トマトやスイカは生で食べたことがあるけど、トウモロコシやナスは生で食べたことがない。それで、ぼくもハクビシンになって畑でついているのをそのまま食べてみることにしました。ハクビシンは畑でついたまま食べるからです。
トウモロコシはものすごくあまかったし、ナスもだんだんにがくなってきたけど、はじめはあまかった。トマトやスイカも食べるとあまい。ハクビシンはぼくやさほちゃんやおかあさんといっしょであまいのがすきなんだなぁ。ピーマンはにがくてすぐにはきだしちゃいました。 食べてみてわかったんだけど、トウモロコシはからからと思ったけどジュースみたいでした。それから、ナスははじめ中みがないと思ったけど、中みがあるし水ぶんがあったのでびっくりしました。だから、ハクビシンは水ぶんが入っているのもすきということがわかりました。 ぼくはハクビシンは水ぶんのない野さいを食べると水ぶんがほしくなってわざわざ水のあるところまでいかなくちゃいけないから、はじめから水ぶんの入っているトウモロコシとかの野さいがすきなんだなぁと思いました。ぼくも夏はのどがかわくからです。 ぼくのトウモロコシが食べられた!ぼくのそだてたトウモロコシも大きくなりました。もうすぐ食べられそうです。楽しみです!! でも……。 7月28日 ますみのおばあちゃんのうちにあそびに行っていました。そうしたら、おかあさんから、でんわがかかってきました。「和哉のトウモロコシが2本、ハクビシンに食べられちゃったよ」。ぼくは「えっ」と言いました。家に帰ってから、すぐに畑へ行ってみました。トウモロコシは食べられていました。 ぼくは、「あぁせっかく作ったのに食べられちゃった」「2本しか食べてないから子どもかなぁ」「きょ年のはぜんぶのトウモロコシを少しずつ食べていたのにこんどは1つをじょうずに食べてるな」「みだけをきれいに食べてるな」「よるの何時ごろ食べにくるのかなぁ」「どこからくるのかなぁ」と思いました。 ビニールぶくろをかけてみよう
7月28日 ハクビシンがトウモロコシを食べにくいように、みにビニールぶくろをつけました。けど、つぎの日に見てみたら食べられていました。 7月30日 ビニールをひもでしばりました。 7月31日 朝、畑に行ったらくしゃくしゃのビニールぶくろがおちていました。中にはつぶれたトウモロコシのつぶが10つぶついていました。 ぼくはハクビシンがビニールぶくろの上からトウモロコシにかみついたんじゃないかなと思いました。ガジガジかみついて、ビニールぶくろをはずしたんだと思います。 ビニールぶくろをかぶせただけのときは手でとって、しばったらはでとったのかなぁ? こっちの作せんをかえると、食べ方をかえるなんてハクビシンってあたまがいいなぁ。 つぎは作せんをかえてみよう。ハクビシンにはまけないぞ!
8月4、5、6日 つづけて、かみなりがなって、雨がふりました(夕がた)。ハクビシンは畑にきませんでした。 ここまでのまとめに、グラフをつくりました。いままでハクビシンが食べたトウモロコシの数と、家ぞくが食べた数です。その日のきおんはおとうさんがインターネットでしらべてくれました。 トウモロコシはいままでに39こできました。そのなかで、ハクビシンに食べられたのは、ぜんぶで16こでした。のこりは39−16=23こです。6人家ぞくと、ますみのおじいちゃん、おばあちゃんの8人で、23こ食べました。1人で3こくらいです。でも、ハクビシンは1ぴきで16こも食べました(ひょっとしたら、なかまがいるかもしれません)。ハクビシンは、人げんよりもよく食べるなぁ。 それから、ハクビシンがトウモロコシを食べにきたのは、7月28日、29日、30日と8月2日と10日でした。天きが雨かくもりで、きおんも25℃から、33℃ぐらいまででした。ハクビシンが食べにくるのは、雨か、くもりの日で、きおんもひくいので、すずしい日がすきということがわかりました。 足あと作せんかいし!!ハクビシンの足あとをとるためにコヌカをまいてみましたが、食べられたのに足あとがありませんでした。雨できえてしまったので、こんどはせっかいをまくことにしました 8月20日 畑に行ったら足あとみたいなのがありました。よく見てみたら、4つ足あとがありました。ハクビシンだと思いました。 だけどとなりの犬のポカリも4つんばいなので、ポカリかもしれません。ポカリをよんで足あとをくらべたら、ポカリよりだいぶ小さかったです。 ハクビシンはジャガイモみたいな足あとだし、ポカリは花びらみたいな足あとでした。となりの人にポカリは何さいか聞いてみたら、3さいでした。となりのぎんは13さいも生きて、すごく年よりでした。だから、ポカリは人間でいうと、もときおにいちゃんといっしょで、だいがく生ぐらいかなと思いました。ハクビシンはポカリより小さいから、ひょっとしたら、ぼくとおんなじぐらいかな、と思いました。 ロボット作せんせいこう!?
8月26日 ハクビシンは子どもかもしれないと思ったので、子どもがびっくりするロボットを作ろうと思いました。 ハクビシンがこわくてびっくりするように、できるだけ人間そっくりにしよう。それから、光るものをいっぱいつけよう。ハクビシンはやこうせいだから、光るものがきらいだと思うからです。 かんせいしたロボットはまっくらななかで白いものがぼっと見えて、おばけみたいでぼくでも少しこわい。 8月27日 朝、ロボットはおいたばしょにそのまま立っていました。トウモロコシは食べられていませんでした。そのごも食べられなかったので、ロボット作せんはいちおうせいこうしました。でもトウモロコシのおいしいきせつはおわっています。だから、食べなかったのかもしれません。らい年の夏のはじめに、またこのロボットを畑においてみようと思っています。 ぼくはこのけんきゅうをして、ハクビシンは畑のものを食べちゃっていやだけど、ハクビシンもおなかがすいているし、かわいそうだなと思いました。ハクビシンようにちょっとだけとっておいたこともあったけど、とったあとのは食べなかった。しんせんな野さいがすきです。ハクビシンはあたまがいいし、人間とよくにているなぁと思います。 |