|
Ruralnet・農文協>食農教育>2003年3月号> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
食農教育 No.25 2003年3月号より
「堀兼夢未来講座」と銘打った、本校の今年の総合的な学習の時間。3年生は、まず教師が興味をもった内容についてゼミを開設して生徒といっしょに研究していこうとなった。教師も楽しくなければ活動が深まらないと考えたからだ。テーマは「堀兼発見!」。自分たちの地域を中心にフィールドワークをしながら新たな発見をしようということになった。戦争経験者の聞き取りや身近な民話の収集など、8つのゼミのうち、ここでは小川先生を中心とする「堀兼歴史写真館」の活動を紹介する。 ■ フィールドワークはローラー作戦活動は、地域のお宅を訪問して堀兼地区で撮影された古い写真を収集することから始まった。生徒24人が3人1組の8グループに分かれる。住宅地図で地区を割り当てて、しらみつぶしに突撃(!?)訪問するローラー作戦を決行。2時間1コマではあるが、各グループ1回のフィールドワークで訪問数は3軒ほど。集まった写真・資料の数は2学期までで、50〜60点(品物がなく話だけで終わる場合もある)。
最初はびっくりされた地域の方々も目的を知ると、写真を手に学芸員よろしく当時のようすをていねいに説明してくれた。それぞれのお宅を訪問した生徒たちは、「先生! こんなすごい写真見つけましたよ」「当時の学校のようすがわかりましたよ」。たくさんの写真や資料を提供していただいて、まさに宝物を見つけたような喜びいっぱいの表情で戻ってきた。博物館の資料とはひと味違った、それぞれの家族の香りのする素敵な写真が集まった。 ■新発見!かつての母校の姿「あれ、二宮金次郎の場所がちがうぞ」。集まった写真には当時の母校のようすも多く写っていたが、そこからお寺を間借りしていた学校の時代から今日の姿になるまでの変遷が、校庭のクスの木や小学校の銅像、校舎の位置から見て取れた。写真から予想した校舎の配置図を中心に、生徒も先生もいっしょになって、侃々諤々の議論。「先生、面白いね」。写真に撮影されたものの中から今と違う、開校当時の校歌も発見された。
■写真を真ん中に「この頃はね……」。写真を見ながら、生徒と近所のおじさんやおばさんがいっしょに語り合える機会ができたことが貴重だと感じた。今まで押入で眠っていた写真も再び輝きをましたようである。小川先生も意外な発見に驚きながら、楽しい時間を過ごしている。収集した写真はスキャナで読み込んで、私といっしょにホームページに仕上げていく計画だ。インターネットの画面を真ん中に、さらにどんな輪が広がるか楽しみは尽きない。
●狭山市立堀兼中学校のホームページ ●住宅地図の入手先 |