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Ruralnet・農文協食農教育2003年5月号

食農教育 No.27 2003年5月号より
[素材研究] カイコ


 

糸とり

 

真綿から糸をとりコースターを織る

 

東京・和光鶴川小学校 成田寛


 本校では毎年3年生がカイコを育ててマユをとります。そこから生糸をとる活動も楽しいですが、生糸は細すぎて次に利活用しづらいのが難点。そこで、マユを真綿にして、手でよりながら太目の絹糸をつくりコースターを織っています。そのやり方を紹介します。

 

真綿をつくる

2〜3cmあけてしばる
(1)
目の細かい洗濯ネットにマユ300gを入れて口をしばる。
おもし(水を入れたボールなど)
(2)
ぬるま湯か水に1時間以上つけておく。寒い時期は一晩でもOK。
おもし用のボール
(3)
水7〜7.5lに重炭酸ソーダ21〜23g混ぜた溶液にマユを入れ、染色ナベなどで煮る。
 20分後に上下裏返したあと、30〜40分ほど煮る。とり出したときに形が崩れるくらいに柔らかければできあがり。
おし洗い
(4)
袋のままとり出し、流水でよく洗い、軽く脱水する。

さなぎをとり出す

(5)
中からさなぎをとり出す。
(6)
染色するのなら、ここで染色し、よく絞る。

真綿から糸へ


(7)
ぬれたマユを2人で広げる。
ぬれたマユを広げる
(8)
一方の手を離し、対角の二角をもつ。さらに1m近くまで引っ張る。
引っ張る
(9)
太ももでよりをかけながら、巻きとり紙に巻きとっていく。このときに2本目をつないでよりをかけてもいいが、子どもには難しいので1本ずつ巻きとっていく (82頁も参照)。

太ももでよりをかけながら


簡易織り機でコースターづくり

厚紙の真中を切り抜き
(10)
厚紙の真中を四角に切り抜き、縦糸を引っかける溝を1cm間隔に切る。
(11)
溝にひっかけて縦糸を12本張り、横糸を通していく。引っ張り過ぎないように気をつけて、横糸が足りなくなったら、かた結びで結んで続ける。
はじまりはしばって

縦糸を切り、しっかりとしばる

(12)
ほぼ正方形まで織りあがったら縦糸を切り、隣同士をしばってできあがり。

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