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食農教育 No.32 2004年3月号より
米から作る主な粉には、下図のような種類がある。*は生の粉、それ以外は加熱した粉(そのまま食べられる)で、いずれも主に和菓子の材料として使用される。
〈米粉の歴史と用途〉そもそも米粉とは、粒のままでは食べられない屑米であったのだろう。それを有効利用するために調理法が考案され、その後、生の米を砕いたものが作られるようになったと考えられる。菓子の原料としての米粉の利用は後年のことである。 江戸時代になると、料理書・菓子製法書に、うるち米の粉や白玉粉の製法が記されるようになる。「粗くひいた米の粉」「できるだけ細かく粉にする」などの表現もみられ、菓子の種類が増えたり、味に変化をつけるために、原材料である米粉にも工夫が凝らされてくる様子がうかがえる。 米を使った和菓子といえば煎餅やあられと思われがちであるが、それだけではない。薯蕷饅頭や外郎などの生菓子、落雁、最中の皮など、米粉利用のバリエーションは実に多彩なのである。 また、それぞれの粉は単独に使うだけでなく、硬さや弾力を調整するために混ぜて使われることもあり、市販の「だんごの粉」などはブレンドされているものが多い。
〈道明寺粉の歴史〉道明寺粉はもち米を蒸して乾燥させたものである。糒・乾飯(ほしいい)とも呼ばれ、当初は携帯食・非常食であり、すでに『古事記』にも記録が見える。また、平安時代の『伊勢物語』にも、三河の国八橋のほとりで業平が乾飯を食べる場面がある。 道明寺粉の名は、大阪の藤井寺市にある尼寺、道明寺の名物だったところから付けられたといわれている。現在では粒の大きさも2つ割り、5つ割りなどさまざまであり、また、炒って焼き色を付けたものも作られている。 |