「総合的な時間」の総合誌
農文協
食農教育  
農文協食農教育2004年7月号
 
食農教育 No.35 2004年7月号より
[特集]川と遊ぶ 暮らしを学ぶ

教師のための食農教育講座3

一斗缶燻製に挑戦

ムネ肉
ムネ肉だけど、みんなササミと間違える
材料

 前号まで2回にわたってお伝えした、長野・服部正利さん考案の一斗缶炭焼き術。火入れから窯をふさぐまで、約2時間30分かかる。その時間を利用して、一斗缶を使った鶏肉の燻製にも挑戦してみよう。

燻製のつくり方
(1)七輪に火をつける
写真
もちろん団扇で煽ってもよいが、服部さんはドライヤーを利用したこんな送風機で火力を強める
(2)チップを入れる
桜チップ写真
一斗缶のなかに桜チップを一つかみ入れ、その上にテーブル型の鉄板をおく。そうすることで、煙の回りが均等になる
下から熱を加える
(3)食材をセット
写真
写真のように、ムネ肉をのせた金網を4段セットする。ふつうは、肉を針金につるして燻製するが、この金網法だと落ちることがなく、一度にたくさん燻製できる(今回、4切れ×4段=16切れ)
(4)一斗缶燻製開始
写真
七輪に一斗缶をのせてフタをし、そのまま一時間燻す
(5)肉の上下を入れかえる
写真
一時間後、セットした網を取り出す。上のほうがよく色づいているので、上下を入れ替える。ついでに、鶏肉を裏表するとなおよい
(6)もう一時間燻す
写真
写真
チップをつぎ足して、もう一時間燻してできあがり。「ムネ肉だけど、みんなササミと間違えて食べてくよ」。ホタテ貝、生ジャケなども、最高にうまい
写真 山小屋写真

 一斗缶窯のそばの山小屋でしばし休憩。善光寺平を見渡せて景色も最高だ。なんと、この囲炉裏のある山小屋も服部さん自らつくった。「孫が友達を連れて遊びに来ては、魚を焼いてご馳走してやる。そりゃあ喜ぶよ。
いまの子は火を使うこともないからなー」。

木酢液を2倍とる方法

写真 図
(※写真提供 服部正利)

 竹酢液はエントツを通る煙が冷やされて液体になったもの。だから、エントツが長ければ長いほど、多くの液がとれるのだが、狭い敷地ではそう大がかりにできるものではない。そこで、図のような装置を考案。一度一斗缶をくぐらせることで、煙を冷却させる表面積を増やした。やってみたら、いままでの2倍もの竹酢液がとれたとのこと。

ムネ肉

●竹酢は皮膚病には絶対いいよ

 「竹林は今、荒れ放題。燃やせばパンパン鳴ってうるさいし、葉っぱも舞い上がる。一番のやっかいもの。でも、竹炭、竹酢にすれば人間に一番いいものに変わってしまう」。

 竹酢は皮膚病には絶対いい、と自信をもって言う服部さん。友達にあげると、10日足らずで喜んでお礼を言いにくるのだとか。ある友人は、季節の変わり目になると体全体がかゆくなっていたそうで、薬を塗っても全然治らなかった。ところが、服部さんの竹酢をキャップ3杯お風呂に入れてみただけで治ってしまった。

 「言っちゃ悪いが、こんな自然な、ただみたいなもんで治るとは……」と漏らしたとか。

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