食農教育 No43 2005年9月号より
次号予告 『食農教育』11月号(44号)2005年10月12日発売
特集 出来損ないをおいしく食べる(仮題)
収穫の秋、総合的な学習や特別活動では米、大豆、サツマイモなどさまざまな作物がとれ、収穫祭が行なわれる時期である。学校園は無農薬栽培が多く、病害虫にやられたりして、未熟でわずかな収穫しかないことも少なくない。しかし、品質が悪くて、少量の食材をどうおいしく食べるか、ということから学びを深めることもできる。米屋さんや納豆屋さん、直売所で農産加工に取り組む農家のおかあさんなどから、調理・加工の知恵を引き出したい。
●素材研究 紙
紙を単なるリサイクルの教材としてではなく、人間が自然に働きかけ、働きかけ返される営みを学ぶ教材として位置づけ直す。コウゾ、ミツマタ、ガンピのほか、木の皮、野菜の茎など、いろいろなものから紙をつくってみよう。
編集室から
▼高校生に、トマトやキュウリに声をかけ、さわってあげるように指導すると、野菜は元気に育ち、生徒は意欲的に学ぶようになる(148頁)。幼稚園じゃあるまいし、などと思わないでほしい。農家も、「作物になってみる」ことで生育状態をつかんでいるのだ(54頁)。働きかける対象と一体化することで、科学的認識も深まるのが、農業と教育の現場の現実だ。(松田)
▼古代日本のチーズ=蘇は、壺に少しずつためた牛乳が自然に発酵したものを煮詰めてつくったのではないか、という話を廣野卓先生にうかがった(102頁)。現代の酪農家も、分娩直後の牛の乳をつぎ足しながらためて発酵させてヨーグルト状になったものを、攪拌・湯煎し、子牛に与えている(90頁)。1300年の時を超えて古代から現代に続く、牛飼いの知恵に驚かされた。(阿部)
▼20年ぶりくらいに、カブトムシを飼育している。なつかしいにおい。メスのほうが毛深くて腕のひっかきも力強いこと、すぐ土に潜ってしまいおもしろくなかったこと……忘れてたことをいろいろ思い出した。おしっこのにおいや夜の鳴き声は今回初めてか。家の前にカゴを置くと、近所のガキが用もなく立ち寄るように。つられて来る親。顔がなごんで会話が生まれる……。生きものの力を実感。(伊藤)
●環境学習・食農体験を支援する「信州つがいけ食農学習センター」
栂池自然園や白馬の山々を舞台にした自然観察とアウトドア、周辺の加工施設や工房などを利用した食農体験が存分に楽しめるロケーションです。農文協の「食と農の学習データベース」や充実した調べ学習の資料、図書をそろえた絶好の学習環境にあります。
体験メニューがいっぱいの食農教育講座を毎年好評開催中。
もちろん家族旅行や移動教室にもご利用いただけます。研修・宿泊施設として、ぜひご活用ください。
連絡先 (財)長野農文協 栂池センター
〒399―9422 長野県北安曇郡小谷村栂池高原 電話0261―83―2304 FAX0261―83―2621
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