「総合的な時間」の総合誌
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食農教育  
農文協食農教育2009年11月号
 

読者のみなさまへ  2009年11月号の記事案内

(社)農山漁村文化協会  編集局 教育雑誌・教育書グループ

■ワラと子どもを仲良しに!

 イネは太陽エネルギーを使って、米と同量のワラも生産するそうです。10kgの玄米ができれば、10kgのワラも生産される。米はもちろん、炊飯・調理・加工されたあと、人のお腹で消費されるわけですが、ワラはどうでしょう? かつては暮らしのすみずみに利用され、長い旅の末に最後はまた土に還っていました。しかし、いまでは80%ちかくが、焼却されたり、収穫と同時に切り刻まれて直接田んぼに還っているようです(53頁)。

 今回は、そのワラを、学習として、教材として、学校という場でどれだけ使い切れるか? ということに挑戦してみたいと思いました。たとえば土壁にワラが混ざっていることは知っていても、なぜワラなのか、実際にはどうつくられるのかはわからない。土壁をつくるとなると大ごとですが、子どもといっしょにワラ入りの泥団子をつくってみれば、「ワラスサ」という一次処理されたワラの存在に気づくとともに、ワラの繊維やワラに棲む微生物の助けも借りながら、〈落としても壊れない〉〈水に濡れても溶け出さない〉土の塊ができること(=土壁の力)を身体で理解することになります(6頁)。

 むずかしそうにみえる縄ないも、原理さえわかれば、二人一組で子どもでもかんたんにつくれるし、ちょっと練習すれば両手の平を使って器用に一人でつくることもできる。一人でできれば、子どもだけでなく、若い先生たちにとっても、ちょっとした自信につながるようです(22頁)。おまけに、一人用の縄跳び(25頁)はもちろん、がんばれば綱引き用の大縄もできる(14頁)。クラスの団結や一致協力することの意味も、ワラが教えてくれるのです(26頁)。

 今回は、一つの作品に使用するワラの量を右のマークで表わしました。ペットボトル稲一個でできるワラを約15本とし、ペットボトル稲が何個で、その作品ができるかを示しています。「学校でワラが余って困っている。そんな声も聞きますが、この特集をながめながら、「わが校のペットボトル稲なら、どんな作品ができるだろう」と、楽しんでワラの行く末を考えてみてください。

■焼きイモ! ヤカン・ドラム缶・モミガラで

 昨年11月号の読者から「落ち葉で焼きイモづくり、やってみたらよかった!」という声をたくさんいただきました。秋のイベントに、焼きイモはうってつけ。今号では、いろんな道具を使って、いろんな場面で楽しめる焼きイモづくりを特集しました。

 まずは、石焼きイモをヤカンで手軽に。しっかりと焦げ目がついておいしい焼きイモが完成(写真)。穴開きや、古くなったヤカンの新たな使い道としておすすめです。大量のイモをさばくのにいいのが、ドラム缶つぼ焼き。煙がほとんどでないので、住宅地でもできるのが魅力です。逆に、煙をもくもくのぼらせて、焼きイモムードを味わいたいならモミガラ焼きイモを。土壌改良に使えるくん炭が同時につくれる、一石二鳥の焼きイモです。(2009年10月5日)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

この記事の掲載号
食農教育 2009年11月号(No71)

巻頭特集:ワラを生かせ! イネに捨てるところなし 縄ないの技/ワラで授業/ワラを暮らしの隅々に/今年の秋も焼きイモ!/スゴイぞ!調理員・用務員さん 他。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

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