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第2回 秋の実りを撮る

 総合的な学習などで育てた野菜やバケツイネなどを、しっかり記録しよう。背景の工夫で、図鑑になったりポスターの写真になったりと大いに活用できる。今回は簡易スタジオのつくり方と背景の工夫について解説する。

  • コツ1 簡易スタジオをつくる
  • コツ2 白い背景で図鑑風に
  • コツ3 コルクボードでポスター風に

  • コツ1 簡易スタジオをつくる

     イラストのように、窓に白い布や障子紙をはって背景をつくる。

     できれば、こういった簡易スタジオを空き教室などにあらかじめつくっておこう。すぐに撮影にとりかかれるし、誰が撮影してもきっちりとした写真が取れるので便利だ。前号で紹介したレフ板と三脚さえあれば、かっこいい写真が簡単に撮影できる。

     ただし、シャッタースピードが15分の1とか、8分の1とかになることが多いので、三脚を使わないと確実にブレる。


    コツ2 白い背景で図鑑風に

     背景を白にすると、無味乾燥だけれども、被写体の色や形がしっかりと見えて図鑑風に写る。

    ▼イネ

    ※画像をクリックすると拡大表示します。

    イネの撮影はレフ板で手前からも光を補う。

    図鑑的表現。イネの穂一番立派なものを1本選んでしっかり写す。露出が難しいので、EVの値を変えて数枚撮影してよいものを使う緒のが一番簡単。
    ※EVの値とは、露出補正ボタンを操作すること。カメラ付属のマニュアルもしくは、「産直農家のデジタル写真入門」参照。

    1本だけではさびしいので、同じ図鑑風でも数本を写そう。ただし、きちんと全体が見えるように、あまり重ねてはいけない。

    どさっと写すときには、右上や左上から斜めにセットする。そうすると、画面に動きが出て、生き生きと写し撮ることができるのだ。

    ▼イモ


    被写体をクローズアップに撮影。露出モードは「スポット測光」にセットして、背景の白でなく被写体そのものの明るさで撮影するときれいに写る。
     

    イモの撮影は左もしくは右にレフ板を置いて、光に方向性を持たせると立体的に表現できる

    盛り上げてボリューム感を出す。

    単体で写して細部までしっかりと見せる。

    バスケットに盛り付けても、バスケットを全部写すことはない。バスケットの一部が写っていれば、バスケットに見える。
     

    ▼クリ


    枝つきの青いクリ。イガに注意!

    熟したクリ。イガがパカッと口をあけたところを画面の中央に。クリが背景の光を反射して立体的に見えるのがお分かりだろう。

    コツ3 コルクボードでポスター風に

     ポスター風に撮影するのであれば、コルクボードを下に敷き、その上に撮影するものを配置してゆくといい。被写体に隙間ができても背景のコルクが写りこむので違和感がない。

    ※画像をクリックすると拡大表示します。

    コルクボードを撮影台の上に置く。

    コルクボードの上に、被写体を並べて撮影する。イメージ撮影なので、ファインダーをのぞきながら、クリを中心に葉っぱをかっこよく並べていく。

    こんな感じに写れば成功!

    イネのイメージ。クローズアップにして米粒一つずつをしっかり見せる。背景にはコルクボードを使ってイメージを重視している。

    ▼教材を提供してくださった方々
    ジャガイモ すずきっちん http://www.suzukitchen.com
    サツマイモ 西牟田峰男・りえこ http://www.nisimuta-farm.com/
    イネ 長尾農園 http://www.nonkina-okome.com
    クリ 朝倉梨栗園 http://www.asakuraya.com


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