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第8回 花火あそび・野外活動を撮る

 夏から秋にかけて、野外活動が活発に行なわれるシーズンである。このシーズンこそデジカメがフル活用される時期でもある。
今回は、意外に難しい花火あそびの撮影方法と、学校での野外活動のようすの撮り方を解説する。

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コツ1 花火あそびは夜景モード、スローシンクロモードで

花火あそびを撮影するときには、デジカメの撮影モードを「夜景モード」または「スローシンクロモード」にセットしなおさなくてはいけない。これはどういうことかというと、シャッタースピードをうんと遅くして周辺の弱い光をも写しこむことができるモードだ。

普通はこう写してしまうのだ。コンパクトタイプのデジカメは、暗い場所に行くと勝手にストロボが光ってしまう。
夜景モード、スローシンクロモードにした結果、このように写る。花火あそびの場合、まだ空にほんのり青が残っているほうがそれらしく写るのだ。かなりのスローシャッターでも、人物はそれほど大きくぶれることはない。なぜかというと、人物を写しているのはストロボの光線で、数百分の1秒という発光時間しかないので、人物の動きは止められるからだ。
花火に限らず、あらゆる美しい夜景の写真はまだ空に青みが残っている時間帯に写されていることが多い。函館や神戸の夜景をバックに記念撮影するときも同じ理屈で撮影すると夜景がくっきりと写せる。
遊んでいるうちに真っ暗になってくる。
そうしたら子どもの手元や、表情を近寄って写そう。このときには、ワイドズームを活用する。望遠ズームにすると確かに楽にクローズアップにできるけれども、写真の基本は動き回ること。
ただし、花火あそびのときには、近寄りすぎてやけどなどしないよう気をつける必要がある。

コツ2 野外活動は一連の流れをキチンと記録

野外活動の撮影のコツは、一連の流れをキチンと記録すること。なにが行なわれたのかを正確に記録することが第一。次に、思いっきり低い位置から撮るなど、アングルを変えて撮影することにも心がける。


教師と子どもを同一カットに入れる画像は必要不可欠となる。教師の斜め後ろから、ワイドズームで子どものようすも画面に入れながら撮影した。コツは、教師の表情がわかるギリギリの角度を探すことだ。このとき、子ども表情に注目しよう。

同じ場面を子どもの側から見たところ。ワイドズームを使って全体のようすをきちんと記録しておく。子どもの後姿は、大人以上に雄弁に物語る。その授業が面白いか面白くないか、興味深いかそうでないか。後姿を見ると一目瞭然だ。

コツ3 ワイドズームで顔の表情、全身の表情を

子どもを撮影するコツは、とにかく低い位置から、子どもと同じ視線の高さ以下から子どもを見ることだ。私は最近腹が出っ張ってきたので、低いアングルが苦しくなってきた。腹筋などして引っ込めないといけないなあ。


思いっきり低い位置から子どもを写した。子どもが手に持っているものを真剣にのぞき込むようすとか表情を見たかったからだ。


木の実拾いのようす。「ちょっと見せて」というと、子どもは真正面からカメラを見る。こっちがドキッとするほどまっすぐカメラを見ることができるのは、やはりいまどきの子どもなんだなあ。ちなみにこの子の持っているのはトチの実。


子どもを複数写すとき、二人とも画面に入れる方法もあるけれど、思い切って一人を主人公にしてもう一人は手だけというやり方もある。二人とも画面に登場すると、どうしても表情が捉えきれないからだ。
興味津々という子どものようすを写すとき、顔の表情もさることながら、全身の表情も見逃してはいけない。こういうときこそワイドズームの出番である。

森で拾い集めた「種」を撒くようす。繰り返しになって恐縮だけれど、目いっぱいのワイドズームで、できる限り低い位置から撮影する。中腰では子どもの顔が見えない。

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